旅の始まり。ドラマの始まり。
飛行機に乗るためリムジンで羽田空港へ向かう朝。
いつもなら稲毛駅から乗るんだけど、今日は津田沼駅から。
ここからがすでに今日のドラマの始まり。
津田沼駅に着いてリムジムバスへ。
バスに乗り込み、窓側の座席に座る。
すると、出発ギリギリで乗り込んできた1人の女性。
バス代先払いを知らずに座席に座ろうとしてた。
運転手に止められて払っていたけど....
この時旅に不慣れな方かな?くらいに感じてた。
まずまず車内が混んでいたので、その女性は隣に座った。
数分後、なにやら視線をキョロキョロ。
どうやらシートベルトを探していたらしい。
隣に座っていた私は、そっとシートベルトの場所を伝えた。
とまぁ...ここまではよくある話。
バスは羽田に向けて順調に進んでいた。
東京都に差し掛かったくらいで、隣に座る女性(おばあさま)は突然プレゼントをくれた。
黒飴とチョコレート。
さっきのお礼なのだろうか?
「ありがとう」と伝え、受け取った。
とまぁ....ここまでもよくある話。
バスが羽田に着く頃、またおばあさまはソワソワし出した。
「私はどちらで降りればいいの?」
羽田空港は利用する航空会社でターミナルが分かれる。
見た感じ海外に行く雰囲気ではなさそうなので、JALかANAか聞いてみた。
奇跡的に同じJALだったので「次の次のターミナルですよ!」(最初にANAの第1ターミナルに止まるため)と伝えた。
おばあさまはちょっと安心した様子だった。
普段あまり自分からは話しかけることはしないけど、思い切って聞いてみた。
「どちらへ行かれるんですか?」と。
するとおばあさまは「広島へ」と。
もう少し踏み込んで「ご旅行ですか?」と聞いてみると、「法事で行くの。楽しくはないわね。」
バスは羽田に到着し....
自分と同じ方面へのフライト=同じターミナルなので、おばあさまを最後までご案内することに。
(JALは本件別でターミナルが分かれる。北海道&東北&大阪は北ターミナル。それ以外は南ターミナル)
JALのファーストクラスレーンを一緒に通過して、おばあさまの歩幅に合わせて進む。
まだお互いにフライトまで1時間弱あったので、JALラウンジに行くことに。
おばあさまと会話を始めた。
・80歳だと言うこと。(80歳には、全く見えなかった!)
・美大を出て、絵画の世界でここまできたこと。(30歳からずっと絵画の道を歩んでいるので50年のスーパーベテラン!!!)
・一人暮らしをしてると言うこと。
・去年交通事故に遭い、利き手を怪我したのでしばらく絵がかけなくなってしまったこと。
・海外にはよく行っているということ。
(その反面、国内旅行はあまりしないらしく日本のことはよくわからないらしい。)
たった1時間だけど、おばあさまの人生の縮図に触れた感じ。
自分のフライトの方が早かったので、おばあさまの搭乗するゲートに送り届けお別れを。
「ステキな旅になったわ」とおばあさま。
「ステキな旅になりそうだわ」でも言葉としてはあってるけど「ステキな旅になったわ」って。
いつもは電車で空港に行ってたらしいけど、今回初めてリムジンバスで向かった羽田空港。
おばあさまのなかではもしかしたら、飛行機に乗るまでもちょっとした旅だったのかな?
色んな海外に行かれてる話。
ダイビングが好きで沢山の海に潜った話。
もっと聞いていたかったな。
でも、あのおばあさまとはまた会える気がする。
「またね」と言ってお別れしたから。
今度会った時はもっとお話ししましょうね。
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