たった一度の接点
2023/07/19
ふだんのかばんはリュックが多いんだけど、今日はトートバッグで外出する。
トートの長所は一瞬でものを出し入れできるところ。なので、郵便物を出したり、通帳を記帳したりする用事があるときはトートがいい。これがリュックだと、持って歩いていてもつい忘れてしまう。
ほんのひと手間……リュックを背中から下ろしてふたを開ける、そのひと手間が大きい。
電車の中でも、トートならスッと本を取り出して続きを読もうという気になる。リュックだとそれがおっくうで、ついスマホでTwitterを見てしまったりする。混んでいたらなおさら。
ささいなひと手間を乗り越える工夫は大事だと思う。何ごとも。
夜に芥川賞と直木賞が決まったが、その少し前に、ある作家の訃報が流れて、そちらのほうが心に重く残る日になった。
病気による急逝。マイノリティであることを公表し、当事者として率直な意見を発信していた作家だった。押しつけられるような「尊重」や、形ばかり先行したような「平等」は嫌っていたかただと思う。たぶん。勝手な印象だけど。
面識や交流はなかったけど、本はとても面白く読んだし、その作家が私のネット小説を読んでTwitterで褒めてくれたことがあって、そのときはウェブ上でお礼を言い合った。
それがたった一度の接点。
浅原ナオトさん、お悔やみ申しあげます。