制作中のこのアルバムが13年間の一つの区切りだと思い作り込んでいます。
まあ、こだわり抜き丁寧に向き合うのはいつもの事で、今作だけ特に何か気負っているわけではありませんけどね。笑
2012年にレーベルを立ち上げ、これまで3つの名義で作品を発表してきました。カタログを見ながら数えてみたのですが、アルバム25枚、EP7枚、シングル8枚。そして制作中のアルバムが1枚。
我ながらよく頑張ってきたなと思います。
音楽活動だけでなく、様々な面でたくさんの人に支えられ、助けられ歩んで来れました。道のりは大変で、挑んでは打ちのめされ、また挑んでは打ちのめされ...そんな繰り返しでした。
悲観とか斜に構えるとかではなく、そんなに容易く結果は出ないし、何より生きていくには失敗や挫折も必要なのだなと思います。それでも変わらないものを信じ続けて、これからも生きていくのですが「足ることを知る」という言葉を思い出さずにはいられません。
この言葉は口で言うほど、耳で聞くほど、実践するのは容易ではありません。私も未だに完全には実践できません。上手くいっている人を見たりすると羨ましく思う時もあります。
ですが、もし他者との比較の中で生きるならば、私はどこまで行っても満足しないと思います。それは本当に幸せなのでしょうか?私にはそういった頂に立つような経験がないので実感としてはありませんが、恐らくその先にあるのは拭えない不安の連続のような境遇なのでしょう。
つい先日、近所を散歩している時、公園でお弁当を食べながら談笑している人を見て不意にピンときました。
世の中ってきっとそんなに思うほど難しくなくて、仕事がひと段落しお腹が空いて公園で仲間と一緒にお弁当を食べる。これってきっととても幸せな事なんだなと。そんな風に思いましたし、私もこれで良いんだと思いました。
私はこれまで生きてきた中で、キラキラした生活や贅沢三昧な生活などに、何ひとつ憧れることはありませんでしたが、それでも音楽活動においてはそれなりに野望と言いますか、無難な表現で言えば夢と言うかがありました。
それがあるからこそ七転八起でずっと取り組んで来れた事は否めないでしょう。ですが、どうしてもそれは無意識において何かとの比較の延長線上にある希望であったのも事実です。
果たして「幸せ」とは相対的なものなのでしょうか?もしそうであるのなら、幸せの対として「不幸せ」というものの存在がどこかにある事になります。それは今は見えなくてもいつかどこかで頭をもたげるでしょう。
何かに一生懸命に頑張っても辿り着けない事は生きているとよくある話です。私は必ずしもそれを「不幸せ」な事とは思いません。そのプロセスで経た様々な経験や感情にこそ意味があり、結果というのはオマケにしか過ぎず、あればラッキーくらいのものだと思っています。
話が随分脇にそれましたが、次の作品を制作する時は、今までとはまったく異なる気持ちで取り組んでいるいると思います。
そして何より、今はこの作品に全力を注ぎます。