【特別区経験者】受験者像の分析~ライバルはどんな人?~
今回は,特別区経験者採用試験の試験案内(令和3年度受験用)を参考にして,実際にどんな人が受験できるのかを整理したいと思います。適宜,採用案内に書いていないけど受験に必要な情報も盛り込んでいます。(こういう情報が手に入れるのに苦労するか,受験するまで分からないのが,公務員試験経験者受験生あるあるだと思います。)
※該当年度の採用試験・選考案内が欲しい方は,「特別区人事委員会 採用試験情報」の「採用試験案内」のページをご確認ください。
主な日程
申込受付期間:6月24日(木)午前10時 ~7月15日(木)午後5時
※インターネット申込み。職務経歴書や志望する3つの区等はこの段階で入力することになります。
第一次試験:9月11日(土)9時30分~午後4時45分
※過去の試験での順番は,職務経験論文(10時~11時30分)→択一試験(12時45分~14時30分)→課題式論文(15時10分~16時40分)
第一次試験合格発表日:10月22日(金)午前10時
第二次試験:10月30日(土),31(日),11月6日(土),7日(日)のうち指定する1日
※複数の区分(事務,建築等)や氷河期世代向けがこの日程で実施されています。面接会場は,大きい体育館のようなスペースをパーテーションで区切られた場所で,一度に数十組の個別面接(面接官3対受験生1)が行われます。普通に隣の声が聞こえてくるような環境です。
採用区分と採用予定数
1級職(係員の業務を行う者)…事務110名程度
2級職(係長への昇任を前提とした係長職を補佐する職)…事務44名程度
※採用区分の違いが,採用先(2級は募集している区が限られる)や採用方法(1級は特別区人事委員会から各区への提示,2級は特別区人事委員会から各区への推薦となる。つまり,2級職は区面接の負担が軽い傾向)に反映される制度となっています。
民間企業等における業務歴
1級職 直近10年中4年
2級職 直近14年中8年
※詳細は採用・選考案内をご確認いただき,疑問点がある場合は,必ず特別区人事委員会に問い合わせるようにしてください。特別区の特徴は官公庁の経験を業務歴に含められるという点です。自治体によっては民間企業の業務経験のみ認める(公務員出身者は認めない)というところもあります。
主な職務内容・勤務予定先
事務の主な職務内容…企画調整事務,システム関連業務,広報広聴関連業務,産業振興関連業務,教育関連業務,福祉関連業務,公会計業務等
事務の主な勤務先(本庁各課,出張所,保健所,福祉事務所)
採用予定がある区
1級職…文京区,台東区以外の21区+人事・厚生事務組合・東京23区清掃一部事務組合
※多くの区で採用予定があるのが特徴です。
2級職…港区,台東区,品川区,目黒区,世田谷区,渋谷区,中野区,杉並区,豊島区,北区,荒川区,練馬区,江戸川区
※採用予定がある区が限られており,年度によって異なるのが特徴です
実際の受験者像とは
以上,受験生の形式的な要件をみてきました。
この要件をクリアする人が受験するわけですが,実際に受験している人としては,現職の公務員や大企業(職種は金融機関,メーカーなど様々)の方が多いのではないかという印象です。
私にご依頼いただく方の中には,これらの方々以外にも,パートの方や現在は専業主婦の方,中小企業の方もいらっしゃいます。ただ,受験生に一定割合を占めるのは,このようないわゆる高学歴層が多いのではないか,と考えています。
その要因としては,大学受験等で一定の勉強経験があることから受験勉強がそこまで苦にならないこと,公務員受験経験があることor就職で一定の成功体験をしていることから受験の心理的抵抗が少ないこと,全国転勤や多忙さを抜け出してワークライフバランスを得たいと考える層が一定数いることなどが考えられます。
もちろん,以上は私の感覚値なので,実際のところは分かりません。ただ,このような方々を相手に,論文試験+面接試験で上回る評価を狙うということを意識して受験対策をする必要がある点は留意しておいて良いと思います。
経験者採用も所詮は試験ですので,やはり試験慣れしている人達の方が有利という点は否めないと考えています。だからこそ,そうではない方は,戦略的に受験計画を立てて,受験対策を積み重ねていくことが重要になります。
私は,ココナラにて,受験戦略を含めた質問対応,論文指導,面接指導を行っています。(※ココナラで「秋本あきと」でご検索ください。)
受験計画を考えることからお悩みの方は,ぜひ,今すぐご相談いただければ幸いです。