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【怪盗レッド日常ショート】 誕生日1

※以下のショートストーリーは、秋木真が個人で書いた非公式になります。

 ラドロで用事をすませた恭也は、有栖の住む屋敷に呼ばれていた。
 名乗ると有栖のアトリエに通される。
有栖「ようこそ、恭也。誕生日に来てもらって悪かったわね」
恭也「お嬢様に呼ばれればね。それにしても、初めて屋敷に来たよ。
有栖「ラドロに関することは、家とは切り離しておきたくて。まあ、サクスはそのへんにいるでしょうけど」
 有栖はそう言い部屋を見回して、姿が見えないサクスに向けて肩をすくめる。
恭也「ということは、ラドロの話じゃないってことだね。身に覚えがないけど、いったいなんの用かな?」
有栖「あなたって、たまに自己評価が低いのよね」
 有栖があきれた顔をする。
有栖「さっき言ったでしょ。誕生日にきてもらって悪かったって」
 有栖は立ち上がり、アトリエに奥に行く。
 そして小さめの4号サイズの1枚のキャンバスを持ってくる。
恭也「それは?」
有栖「誕生日プレゼントよ。どうぞ」
 有栖が恭也にキャンバスを手渡す。
恭也「これは……おれたちか」
有栖「大きいサイズだと邪魔になるでしょ。だからそのサイズにしたんだけど……」
 キャンバスには、恭也が中央に左にマサキ、右にツバキが描かれている。3人とも笑っていた。
恭也「…………」
有栖「気に入らなかった? なら受け取ってくれなくても」
恭也「すごくいい! ありがとう!」
有栖「あ……う、うん。あなたでも、そんな喜び方するのね」
恭也「だって、これはすごいよ。美術的価値の話をしているんじゃない。もちろんそれもすごいだろうけど、おれたちはこういったものは極力残さない。写真を残したりはしないようにしてるから。だからうれしいよ」
有栖「そう思ってね。絵ならいいかなって」
恭也「大切にするよ」
有栖「喜んでくれたならよかったわ」
 有栖はそう言って、そっぽを向く。
恭也「このお礼はいつかする」
有栖「いらないわ。今日は誕生日。素直に祝われてなさい」
恭也「そうだな。……アドバイスありがとう」
 恭也はキャンバスを梱包してもらい、大切に持って帰っていった。
 1人アトリエに残る有栖。
有栖「……あんな喜び方されると、調子狂うわね。このあとも祝われるのわかってるのかしら?」END

恭也の誕生日は12月10日!

恭也も登場する、怪盗レッド26巻は12月11日発売です!

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