【怪盗レッド日常ショート】 誕生日2
※以下のショートストーリーは、秋木真が個人で書いた非公式になります。
駅前の広場。
アスカが待っていると、恭也がやってくる。
恭也「ごめん、待たせたかな」
アスカ「そんなことないよ。急に呼び出したのはわたしのほうだし」
アスカと恭也は合流すると、駅前の通りを歩きだす。
恭也「それで今日はいったい何のようかな、子猫ちゃん」
アスカ「前にプレゼントもらったでしょ。だから、なにか返さなくちゃなと思ってて」
恭也「ああ、誕生日の?」
アスカ「そう! もらいっぱなしってのも落ち着かないし。恭也、今日誕生日でしょ」
恭也「まあね。もしかして、プレゼントがもらえるの?」
アスカ「あんまり期待しないでほしいんだけど……。お小遣いで買えるものだし」
恭也「子猫ちゃんからもらえるなら、なんでもうれしいよ」
アスカ「そう言うとは思ったけどね……はい」
アスカは、恭也に包装された小さめの箱を渡す。
恭也「なんだろう? 開けてみてもいい?」
アスカ「いいけど……本当にたいしたものではないよ。恭也なら自分でいろいろ買えるだろうし」
恭也「もらえるのがうれしいんだよ」
恭也は、丁寧に包装紙をとって箱をとりだす。
箱を開けると、恭也は自然と口元をゆるませる。
恭也「手袋か。きれいなグレイだね」
アスカ「恭也には、白のイメージがあったから。真っ白の手袋はかえって使いにくいでしょ。でも、グレーならいいかなと思って」
恭也はさっそく手に付けて見せる。
恭也「あたたかいよ。ありがとう、子猫ちゃん。なにかお返しをしないとね。食事とかどう?」
アスカ「はあ……。誕生日なんだからお返しなんていいの。そもそも、そのプレゼントがわたしにしたらお返しみたいなものなんだし。それに今日は、早く帰ったほうがいいと思うよ」
恭也「どうして? 今日はもう予定はないけど」
アスカ「恭也っていつもは人一倍まわりが見えているのに、自分のことになると見えてないよね」
恭也「? そんなようなこと言われたのは、今日2度目なんだけど」
アスカ「いいから。今日は早く帰りなよ」
恭也「まあ……子猫ちゃんがそう言うなら」
アスカと恭也はあいさつして別れる。
残ったアスカは、首をかしげる。
アスカ「本当にわかってないのかなぁ。今日なんて絶対、マサキとツバキさんがパーティーの準備してるに決まってるのに」
アスカ「ま。プレゼント渡せたし、2人がお祝いしてくれるでしょ。かえーろっと」
アスカは軽い足取りで帰路につく。
■EX
恭也はセーフハウスのマンションに帰ってくる。
有栖にもらったキャンバスと、アスカからもらった手袋を大事そうに抱えている。
恭也「今日は、このあとどうするかな。マサキとツバキは用があるといっていたし、どこかに出かけるかそれとも残っている仕事を片付けるか……」
恭也は考えつつ、玄関の前までくる。
ガチャリ、とドアを開ける。
パンパンパンッ!
マサキ、ツバキ「お誕生日おめでとうございます! 恭也様」
恭也は目の前の光景に驚きつつも、すぐに笑う。
なぜ有栖とアスカが、恭也は早く帰らせようとしたのかも気づいた。
恭也「マサキ、ツバキ。ありがとう!」END
恭也の誕生日は12月10日!
恭也も登場する、怪盗レッド26巻は12月11日発売です!
恭也が登場する本はこちら!