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メルボルン・ヴィクトリーとは!

2022年 アジア・チャンピオンズ・リーグはじまるよ!

昨年、一昨年と新型肺炎の世界的流行でてんやわんやだったサッカー界。色々な影響がありました。それでも何とか乗り越えて、今年もアジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL)が開催される事になりました。🙌👏🙌👏🙌アジアを西と東に分け、5組のグループステージが4月15日から始まります。の、その前に~。そのグループに入るための予選が行われています。その一つが3月15日神戸のノエビアスタジアムで行われるヴィッセル神戸対メルボルン・ヴィクトリーの試合です。この勝者が4月15日から行われるACLのグループステージに名を連ねる事になるのです。今季のヴィッセル神戸さんはゆっくりスタートでちょっと心配かもしれませんね。よろしかったら、この記事で少しでも対戦相手を知って頂くとよろしいのでは?と老婆心ながら書かせていただきました。ここに掛かれている事は、私個人の感想も多く含まれております。悪しからず😉ヴィッセル神戸さんの不調もこの試合で勝利して長例を変えられればよろしいですね。簡単ではないとは思いますが....。

Aリーグのオリジナル8の一つ

Jリーグが開始された1993年から12年後、ついにオーストラリアにも本格的なプロサッカーリーグが誕生しました。2005年に始まったオーストラリアのプロサッカーリーグ「Aリーグ」、メルボルンをホームとするチームとしてオリジナル8との1クラブとして発足しました。去年までの16年間にシーズン優勝4・リーグ優勝6(Aリーグではリーグ戦終了後上位数チームによるファイナルシリーズが行われ、そのシーズンの総総合勝チームーチャンピオンーが決定される)・FFA杯(天皇杯に相当)優勝1・ACL出場回数8回という蒼々たる記録を持つクラブです。サポーター数もAリーグクラブの中でも1・2位を争う強豪クラブ。元横浜Fマリノス・現セルティックの監督アンジ・ポストコグルー氏が監督を務めた事もあり、現横浜Fマリノス監督のケビン・マスカット氏は発足時から選手・キャプテンとして、又引退後にはアシスタントコーチを経て監督になった方です。本田圭佑選手がヴィクトリーの選手として活躍された時の監督です。このお二方がヴィクトリーの黄金時代(2012~18年)を築き上げたと言えますね。

ですが、ケビン・マスカット氏が監督の退任後、次の監督がなかなか決まらなかったことが災いし、19/20シーズンは11チーム中10位、昨シーズンは5勝17敗4分けの最下位で終わりました。

心機一転大改革

JリーグやEPLの様に降格・昇格システムがない事に救われたヴィクトリーは今シーズン前に大改革に乗り出します。コロナ禍でリーグ自体の規模が縮小された中での強豪クラブとしてのプライドをかけた監督・スタッフ・選手の改革に多大な期待と同時に不安要素も多く下馬評はあまり芳しくありませんでした。が、しかし、開幕から3連勝や、レッドカードを貰いながらも勝利する試合、9試合負け無しの快進撃、そして 昨シーズンの優勝チームであり昨年1-7で大敗しているライバルのメルボルン・シティとのダービー対決を多くのイエローカードを出しながらも新加入選手の活躍などでドローに持ち込み、以前の様な熱い試合を取り戻してきました。クラブの大改革が結果に表れるのに時間はかかりませんでした。シーズン途中の3月9日時点で6勝4敗4分けで5位に付けています。又、コロナ禍で一旦中断していたFFA杯(Football Federation Australia Cup)で優勝し、今年のACLへの予選参加資格を1年ぶりに獲得しました。好調なシーズンダッシュの中心的な選手をご紹介します。

注目選手ー個人的ですが...(えへへ)

ヴィクトリーの槙野?! ジェイソン デビッドソン LSB (自分で言ってるだけですが😅)まずは、デビッドソン選手を。今年のビクトリーの左サイドバックと言えばこの選手!とにかく熱い男です。今季Kリーグの蔚山現代から移籍してきました。ヨーロッパでの経験が長く、また代表選手として2015年のアジア杯では優勝しています。それ以外にもスロベニア1部のNKオリンピア・リュブリャナ在籍中にリーグとカップの優勝、を蔚山現代在籍中にはACLの優勝経験もしています。彼の父もオーストラリアの代表選手として活躍された方です。因みに彼の祖母は日本人です。彼は闘志の塊でもありますが、ただ、ちょっと熱くなりすぎてファールを貰いすぎている感じはしますけど...。あっ、そうそう、お祭り男の髪の色にも注目してください。


お帰りなさい!ジェイソン ゲリア RSB ご存じの方も多いと思います。今回の遠征チームの中に元Jリーガーが2人います。ゲリア選手は元ジェフユナイテッド千葉に2018年から2020年まで在籍し57試合に出場しました。千葉に移籍する前にヴィクトリーでリーグ優勝を経験しています。183㎝の長身でゴール前のセットプレーは見ものです。アフリカ系選手独特の走りのテンポにも注目して下さい。


新監督の申し子!ブレンダン ハミル CB 新監督の下でACL優勝した経験を買われて移籍して来たハミル選手はセンターバック。ディフェンダーのバランスを取る貴重な選手です。怪我?で4試合ほど出場しませんでしたが、戻って来てからはフル出場しており負け知らず。相手陣地に攻め入りがちなデビッドソンを陰で支える選手です。

かわいかった浦和のCB💙マヒュー シュピラノヴィッチ 浦和にレンタル移籍をしていたのは12年前!2011年には完全移籍した長身のCBは浦和から中東~オーストラリア~中国のリーグを経て古巣に帰ってきました。彼もハミル選手同様、ウエスタン・シドニーでACL優勝しています。浦和にいた頃は二十歳そこそこで高身長ロン毛でかわいかった彼も代表選手に選出されるほどに成長しました。彼の成長した姿、お楽しみくださいませ。

新監督が元チームから連れて来たGK アイヴァン ケラヴァ 新監督の就任と共に入団が決定したGKのケラヴァ選手はクロアチア人で年代別代表経験者でもあります。クロアチアではダイナモ・ザグレブに所属し複数回の優勝経験があります。移籍前はギリシャ1部のクサンティで現ヴィクトリー監督の出会い、絶大な信頼を受けヴィクトリーに加入。今シーズン全14試合に出場しています。

ヴィクトリー生え抜きの抜群の安定感 MF リー ブロックハム 彼のサッカー人生はヴィクトリー1色で染められています。ケビンマスカット監督が選手として活躍している頃にヴィクトリーでデビュー。安定した試合運びには定評があり、また、守備から攻撃の切り替えの早さはマスカット氏譲りです。

元ニュージーランド代表の貫禄 LW マルコ ロハス 久しぶりに好調なシーズンを送れているロハス選手はポケットロケット。小柄なので小回りが利き、裏抜けのうまい選手。2011・12年にヴィクトリーで活躍し、ヨーロッパへ移籍しました。ドイツ、スイス、オランダ、ノルウェーを経てAリーグに戻ってきました。北欧での活躍の話題はあまり聞かれなかったのですが、やはり地元に戻ると感覚が戻ったのか今シーズンは13試合に出場しています。彼は交代枠として出る事が多いのですが、彼がピッチに入るとリズムが変わります。

カップ戦に強い現代表選手 LW クリス イコノミディス 2022年のFFA杯の優勝を決定付けたゴールを蹴り出したのがこの選手。イタリアでの経験も豊富で、ラツィオU19で2回、トップチームでは1回イタリアスーパーカップ杯を手にしてます。カップ戦にとにかく強い!(勿論リーグ戦でも!)彼のボール出しのタイミングは絶妙です。彼がコーナーキックを出す時は要注意!もう1度ヨーロッパ移籍を狙っているようですね。豪州代表選手でもあります。


海外に出て行きそうな若手にご注目

移籍金が急上昇中 CMF ジェイク ブリマー 23歳 新型肺炎流行の影響をまだまだ受けている今シーズンは日程の変更も多いのですが、その中で全試合にスタメンとして出ているのがブリマー選手。リバプールユースで修行(?)後2017年にAリーグに戻ってきました。チームの司令塔としてゲームを組み立てます。今回の神戸戦でイニエスタ選手と大事出来る事を楽しみにている記事がたくさん出ていました。

ゴール前での嗅覚が武器 FW ニコラス ディアゴスティーノ 24歳 去年の東京オリンピック代表選手、A代表に最も近い選手として注目されています。昨シーズンは太田宏介選手の所属するパース・グローリーで16試合5得点を決めています。今年は全試合に出場しすでに7得点しています。セットプレイやゴール前のごちゃごちゃに点を決めるイメージが多いですね。ゴール前のごちゃごちゃに彼が絡むと何かしら起こります。積極的にミドルシュートを打つ選手でもあります。見た目は24歳に見えない野武士感があります。その姿だけでも脅威かもしれません。


左の脅威 LW ベン フォルーミ 22歳 6年前にイングランド・イプスウィッチU18に移籍したフォルーミ選手。昨年はレンタル移籍、今年は完全移籍でヴィクトリーに加入しました。ちょっと前まで身体が細い選手に感じられましたが、デュエルで負けない選手の成長中です。又、スペースを作るのがうまい選手です。今シーズンはスタメンをはるほどに実力を付けてきました。

若手注目株筆頭FW ニシャン ヴェルピラー 20歳  メルボルン生まれメルボルン育ちのこの選手は今年A契約を結びすでに12試合(スタメン2試合)に出場、2得点しています。その一つがATタイムに入れたヘディングゴール。交代7分で決めた決勝ゴールです。ヴィクトリーでの活躍が認められ、今年スリランカ代表に選出されました。

本当はまだまだご紹介したい選手がたくさんいるのですが、この辺で...。忘れてはいけない監督さんをご紹介します。ご存じの方も多いかもしれません。

エキサイティングサッカーを創造する頭脳

元サンフレッチ広島の監督 エディ・トムソン チルドレン 1997年~2000年のサンフレッチ広島にオーストラリア選手が在籍した事を覚えていらっしゃいますか?FWグラハム・アーノルド(現豪州代表監督)、MFハイデン・フォックス(現Aリーグ/ウエスタン・ユナイテッド・アシスタントコーチ)、MFスティーブ・コリカ(現シドニーFC監督)、アウレリオ・ヴィドマー(バンコックFC就任)など多くの選手が同時期に在籍しました。エディ・トムソン氏はスコットランドの国籍ですが、選手生活はシドニーシティFCで終え、引退後はそのまま同チームの監督となり、1990年~1996年までオーストラリア代表監督も務めた人物です。サンフレッチ広島時代にはカウンターを中心とした戦術を中心にクラブの経営難の中、戦っていたようですね。彼は2003年、55歳と言う若さで他界しますが、彼の下でJリーグを経験した選手たちは彼同様にコーチ/監督の道を歩んでいます。

その中の一人、トニー・ポポヴィッチ氏を忘れるわけにはなりません。


トニー・ポポヴィッチ氏はディフェンダーとして代表に選出されるほどの選手でした。広島退団後、中東のクラブへ移籍し、Aリーグが出来て間もない2007年に帰国、シドニーFCに入団。翌年2008年で選手を引退し、そのまま所属クラブ・シドニーFCのアシスタント・コーチに就任します。これもトムソン氏と同じですね。2009/10年シーズン、シドニーFCはリーグ優勝をし、その後ユース時代を過ごしたイングランドのクリスタル・パレスでアシスタント・コーチを続けます。Aリーグはリーグの拡大計画の一つである参加チーム増加を決め、2012/13年シーズンからニュー・サウス・ウエールズ州に新チームウエスタン・シドニー・ワンダラーズの加入が発表されました。そのシーズン予定の1年前、新監督の座にポポヴィッチ氏の名前があげられました。全く新しいチームの新監督に監督経験のない彼が就任することに反対の声も勿論多く出ました。が、なんと彼のチームは初参戦のそのシーズンでリーグ優勝を成し遂げたのです(ファイナル・シリーズで敗れ、年間総合優勝は成らず)。シドニーFCのアシスタント・コーチ時代はケア・テイカーとして選手が最大限の力をピッチ上で発揮できるようにする役割もあったと言います。この経験が0から作り上げるチームに役立ったのでしょうね。自分の戦術に合うだけでなくクラブの為(宣伝や意識改革など)になる選手の選定・獲得に敏腕を発揮する監督でもあります。新チーム、ウエスタン・シドニーの為に監督自ら選び獲得したのが当時清水エスパルス所属していたの小野伸二選手。元日本代表であり、2006年のワールドカップ・ドイツ大会初戦オーストラリアvs日本に出場していた選手という事もあり大きな話題と期待を呼び、そして小野選手もその期待に応える活躍を魅せたのでした。小野選手はポポヴィッチ監督と共にウエスタン・シドニー・ワンダラーズの顔となりAリーグを席巻、翌年にはAリーグ初のACL優勝を果たしその実力をアジアサッカー界に轟かせました。(小野選手は優勝前に移籍、優勝時には在籍していませんでした)

同チームを6年率いたのち、パース・グローリーの監督を経て、ギリシャ・1部リーグのクサンティFCで監督就任しました。丁度その頃、クラブ史上最悪の成績低迷に悩んでいたメルボルン・ヴィクトリーは監督成績だけでなく、カリスマ性があり、新チーム構築に長けたポポヴィッチ氏に交渉を開始し、クサンティFCから強奪するがごとく、メルボルン・ヴィクトリーの新監督に据えたのです。そして、今シーズン、昨年・一昨年の不調が嘘のようにチームは好調に勝ち星を重ねています。

サッカー市場的には小さいリーグの1チームの監督が世界的知名度の高いイニエスタ選手やサンペール選手や欧州帰りの元日本代表選手が多く在籍するヴィッセル神戸に同戦いを挑むのか、3月15日の夜が楽しみです。ヴィッセル神戸サポータ―の皆様、一緒に楽しみましょう。

最後に、メルボルン・ヴィクトリーのチャントを張り付けておきます。よろしかったらご唱和ください。

https://youtu.be/gGJU-eF3ooA




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