HPVワクチンの添付文書切り取りデマを添削してみた
2価HPVワクチン「サーバリックス」の添付文書の一部を切り取って、「ワクチンの効果が不確かであると添付文書に書いてあるぞー!」みたいな話がとある界隈で流れていたので、デマの手法を明らかにするべく添削してみました。
●デマ元の切り取り画像
下線はデマ元によるものです。
「確認されていない」「期待できない」「代わりとなるものではない」「確立していない」と、中身をよく読まない人が誤認するようにうまいこと誘導してるなと思いました。
デマ元の出典はあえて示しません。
画像検索をかけたところ、2020年頃のTwitterでこの画像が確認できました。
●添削してみた
まず、添付文書には【効能・効果】の記載があります。これを省いて【効能・効果に関連する接種上の注意】だけを切り取っている時点で悪質であると言えます。
HPVワクチンにはどのような効果があるのか、その効果で気をつけることは何かの両方を理解する必要があるでしょう。
どんな効果?
→HPV16型18型の感染による子宮頸癌とその前駆病変(高度異形成など)を予防する効果
その効果で気をつけることは?
(1)基本HPV16型18型のみに対応してるよ
(2)新規に感染するウイルスを予防するよ
(3)ワクチンと検診どっちも大事だよ
(4)ワクチンを打ち始めて効果が切れたのを観察してないから長すぎて分からん
上記画像の言い回しを変えただけですが、要するにこういうことです。
日本では4価ワクチン、9価ワクチンが主流の2023年現在において、なぜ2価ワクチンの話が出回るのか不思議ですが、ワクチンにまつわるデマには注意していきましょう。
●元の添付文書
●おまけ
9価ワクチンの添付文書でも似たような切り取り手法を観測したので、同じように添削しました。
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