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可愛い子には旅をさせたいような、そうでもないような
あれは一昨年の春か夏かその間の話だ。
あんなに真摯に東京オリンピックを目指している野呂くんが代表に呼ばれなくなり、颯も世代の代表に呼ばれず、そんな二人を見て日本代表を目指すことの苦しさ、辛さを感じて胸が痛かった。
その頃西野は3x3 U23代表として、フル代表と一緒に海外遠征に行っていた。彼は野呂くんや颯とは違って、オリンピックをそれほど意識しているようには見えなかった。こんな純真で可愛いくてただバスケを楽しんでいるような子もやがて代表選考の泥沼に入れられてしまうんだろうか、そんな辛い思いするなんてかわいそう…と当時私は本気で思っていた。
ある時、西野もオリンピック出たいの?と聞いてみたら、2024年のオリンピックに出れたらいいなって思ってますみたいな答えが返ってきて、なんだかホッとしたことを覚えている。
しかしあれよあれよといううちに彼は東京オリンピックに向けた代表候補になり、たぶん自分でも意識するようになっていったんだと思う。私もだんだん逞しくなる西野を見て、オリンピックに出て欲しいと思うようになった。そのために何か自分ができることがあるだろうか…何もないんだなこれが。驚くほど。
できることといえば、私はあなたをいつでも応援していますよ。いつもあなたの味方ですよ。辛いときは弱音を吐いていいんですよ。そんな想いをちょっとばかりアピールするくらいだ。少しは伝わったかな。
後は神頼み。去年のお正月、大分に日本選手権予選を見に行ったときに縁結びの神様にお願いした。狸の形の御守もいただいて渡した。
でもあと一歩、ほんのちょっと届かなかったね。
でも楽しかったかな?やっぱり悔しかったかな?Lipikに行ったことや、チームを支える立場として頑張ったことが、辛い思い出じゃなく、なるべく楽しい思い出になっていてくれればと、本当にそれが今の私の一番の望み。
あなたにはこれからバスケ選手としての長い人生があるから、東京が終わってもやらなくてはならないことはたくさんあるでしょう。まずはBリーガーとして一人前にならないといけない。その上で、最初に言ってたように2024年のパリは目指してくれるかな。3x3にするのか、5人制にするのか、なかなか頭を使って戦略を練る必要がありそうではあるけれども。その賢い頭でよく考えて、いい人生を歩んで欲しい。