セビリアへ緊急着陸、パイロット撮影会。そしてマラガへ。
>> アラサー女子2ヶ月半のヨーロッパ旅の記録。前回の続きです。<<
Gatwick空港を出発して2時間。機内アナウンスで、マラガ上空に出現した霧の影響で着陸が困難とのアナウンスがあった。セビリアに緊急着陸し、機内に乗ったまま霧が晴れるのを待つことになる。マラガへの当初の到着予定時刻は午後7時。しかし、8時になっても管制塔からのブルーライトは出ない。マラガにはいつ到着けるのだろうか。出発1日目から不安が膨らんできた。空港から宿泊先まではローカルの電車で30分の距離。イギリスのSIMカードがマラガできちんと使えるかどうかも分からなかったので、できるだけ明るいうちに移動したかった。(一人で見知らぬ土地を旅する時は、夕方になる前に宿泊先を確認することをマイルールにしていた)
マラガとセビリアは飛行機では15分の距離。ただ、霧が晴れなければ、マラガに移動できるのは明日になる可能性もあるというアナウンスがあり、機内はざわついてきた。ただ、この事態へのパイロットの対応は素晴らしかった。ノルウェー航空(残念ながらコロナウイルスで破産申請となったようだ)のLCCを利用したが、パイロットが懸命に管制塔と交渉している内容を20分おきに進捗を伝えてくれた。しかも、丁寧に謝罪をするだけではなく、どこか明るく、乗客を元気付けるような口調で、下記のようにアナウンスをしてくれるのである。
「私たちもなんとか今日マラガに飛べることを祈っているけれど、もしかしたら明日になってしまうかもしれない。今なんとか交渉をつけているので、もう少し機内でおくつろぎください。また、もしよかったら機長との写真撮影大会を始めるので、どうぞご希望のお子様は是非機長室側の方までいらしてください!」
「みなさま、大変お待たせいたしました。なんとか本日マラガに飛べることになりました。急ですが、あと5分ほどで出発です。15分のとってもクイックなフライトです。さあ、行きますよ!ベルトを閉めてくださいね!」
10時半頃、マラガに飛べるとわかった時、機内からは拍手と歓声が沸くと共に、みんな一斉にベルトをカチャンと閉める音が鳴った。こんな事態に、楽しい雰囲気を提供してくれたパイロット。とても温かく前向きな気持ちになれた。
11時頃、マラガへ到着。メジャーな旅行先だから大きな空港を想像していたが、想像以上に小さな空港だった。空港のWIFIもつながらず、入国審査のゲートも非常に簡素なもの。もしできたら両替をしておこうと思っていたものの、両替所は閉まっていた。それならば、とにかく宿泊先のメトロに乗りたいと、颯爽と空港を出ると、もわっと空気を頬に感じた。夜の空港のタクシー乗り場。橙色のライトの光と、埃っぽく湿った空気。イギリスとは全く違う空気に、違う国に来たんだという実感が走る。怪しげなタクシードライバーたちに声をかけられながら、メトロの案内表示を見て歩くものの、どうも乗り場が見つからない。人に聞いてもあまり親切に案内する人に出会えず、同じ場所を何度も行ったり来たりする羽目になった。
なんとか目当てのメトロの改札を見つけたものの、券売機の使い方に戸惑う。イギリスとはシステムが違い、ボタンの意味が全くよく分からない。駅にいるのは私だけ。人に聞くこともできず、しばらくいろんなボタンを触ってみる。しまいには、ヨーロッパで今まで支えたカードが使えない。いろんなカードを試し、最後ダメもとで日本のカードをスキャンしてみたら、なんと使えた。念には念をと、カードをたくさん準備をしておいてよかった。メトロに乗って、その日のAirBnBホストに一報を入れる。駅を降りてから、夜のマラガの住宅地を15分ほど歩き、ホストの家に着いたのは12時頃だった。
>>読んでくださりありがとうございます。次回へ続きます。<<
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?