金色のコルダ3(PS2版)プレイ記 火積司郎攻略感想

※これは2010年にブログに書いたものでPS2版の感想です。個人の感想ですよ〜。

攻略9人目は火積。
彼は初めて公式サイトで見かけて以来、今回一番攻略してみたいと思ってきたキャラだ。
好みかどうかは置いといて、そう思っていた人は案外多いと思う。ネオロマではあんまり見ないタイプの外見だから、どういうエンディングになるのか純粋に興味があった。
火積はあと10年もすればヴィクトールさん(アンジェ)のようないい男になるだろう、という外見をしている。
顔の中央にある傷と一年前に起こった暴力事件の真相については、チームメイトの伊織(気弱そうなファットボーイ)が教えてくれる。
伊織がカツアゲに遭っているところに火積が登場し、不良どもをボコったものの「てめえ…なめやがって!」と背後からガラス瓶で襲われてついた傷らしい。
名門校による暴力事件として部は出場辞退になるし、火積は退部になりかけたしで、火積本人に頼まれたこととはいえ真相を黙っていたことをずっと伊織は後悔しているようだ。
ただ火積が言うには、不良どもをボコったのは別に伊織をかばったわけではなく、練習しても上達しない自分にむしゃくしゃしてやった、今は反省している。とのことだ。
なぜ後ろから襲われてあんな部分に傷を負うのだろうとか、現代の整形技術ならあの傷もなんとかなったんじゃないかとか、事件当時火積本人と伊織がはっきりもの申していれば情状酌量の余地があったかもしれないなぁとか、このエピソードに関しては色々と思う。非常にもやもやする部分ではある。ただ、この部分を詳しくやりすぎると、星奏と他校のストーリーではなく至誠館のみのストーリーになってしまうから、これくらいの踏み込みが限界だと思う。
さて、火積が退部になるところを学校側と対決してまでかばってくれたのが八木沢であり、火積は八木沢に対してもはや「敬愛」とか「尊敬」では収まりきらない感情を抱いている。
あえて言うなら「忠誠」。
八木沢の懐の深さに打たれた火積は、恩義ある彼に全国優勝させたくて、部を存続させたくてこれまでストイックに頑張ってきたのだ。
火積は特にヤンキーというわけでも不良というわけでもないが、すぐにメンチを切ってくる上に、コワモテであの傷なので、女子と接することが少ないらしい(男子校だし)。
ヒロインが付きまとうと「あんた、俺が怖くねえのか」と驚いたり、盛大に照れたりと大忙しだ。
星奏学院といえば森の広場の猫だが、火積が猫に懐かれてえさをやる、という「やはりこのイベントがきたか」という内容のメールが来る。なんとわかりやすいバンカラであろうか。
なんというか、コワモテや不良が実は良い奴、というのをアピールするのに、動物・子供・老人は外せない三種の神器なのだ。特に捨て猫or犬はマストアイテムである。
普段は怖そうな男がこういう事をいとも簡単にやってのけるから、普段から優しい男が割りを食うとも言える。
とはいえヒロインと火積は段々と打ち解けてくる。熱中症になりそうなところを助けてくれたり、ナンパ男から救ってくれたり、ゲーセンでかわいいストラップを取ってくれたり、ときめきイベント満載で火積が実に良い奴だとわかる。

そして全国大会当日の朝、火積からのサプライズがあるらしいと前日の電話で聞いていたかなで。私はときめきイベントを期待して「火積も律みたいに指輪を寄越すのかな。楽しみ〜!よっしゃ、バッチコイ!」と頬をバッシバッシ叩きながら、ノコノコと寮を出た。
すると待っていたのは、満を持して至誠館メンツ総出(全員詰襟着用)によるエール交換であった。
度肝を抜かれるとはまさにこのこと。
突然「星奏学園の~!勝利を祈って~!」みたいなことが行われるのである。
やめろ!早朝だぞ!とこちらは思うが、連中はお構いなしに早朝の寮の前で「フレーフレー!星奏!」的なことを振りつきでやり始める。
誰か麻酔銃持ってこい!!
こういう時こそ、八木沢も止めて!と思うが、八木沢こそノリノリである。
男子校というのはしばしばこういうことが起こるのだ。私の通っていた高校も古くは男子校だったので、新入生は応援団歌を死ぬほど歌わされる(応援団が竹刀をもって監督する、応援団に対する返事は「オス!」)とかよくわかんない伝統がいっぱいあった。
これを「泣ける友情」と捉える人もいるだろうが、事前にときめきイベントを期待した私みたいな人はもれなく膝から崩れ落ちたのではないか。
このエール交換はまあいい。しかし、残念なのは、火積のキャラが少し「やりすぎ」という感じがすることだ。
おお、いいイベントじゃないかと身を乗り出した時に限ってあの口調で「お嬢さん」と言われ、演奏中には「いーい音じゃねえか…」と言われるのである。
大事なイベント中でついその口調に笑ってしまうのだ。バンカラでもコワモテでもヤンキーでもなんでもいい。しかし、もう少しキャラを抑えてほしかった。せめてあの傷を利き手と反対の腕にするとか(真夏なのに片手には手袋、とかどうだろう?)、喋り方をナチュラルにするとかすれば、もっとよかったんじゃないかと思う。
おっとりしたヒロインとバンカラだけど優しいコワモテで萌えないわけがないのに、笑ってしまうほどのやりすぎなキャラ造形が残念である。
エンディングもその前のエールに全て持っていかれて、細部をあまり覚えていないという状況に陥ってしまった。
すごく勿体無い。

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