下天の華 羽柴秀吉攻略感想
※個人の感想ですよ
蘭丸、家康、光秀ときて、攻略四人目は秀吉。
有名戦国武将ばっかり出てくるこのゲームだが、プレイするにあたってフォロワーさんたちに言われたのが「史実がどうとか1ミリでも考えたらダメ」ということだ。
確かにそんなとこに拘り出したら歴史系乙女ゲーなど出来ないし、正妻もいれば側室も山ほどいるような武将を抱くことなど出来ない。
とはいえ、下天の攻略キャラは一般的な武将さんたちのイメージを上手く盛り込んである。
そう、前置きが長くなったが秀吉はまさにそれで、「お調子者」「女好き」「人たらし」「有能な成り上がり」というイメージがちゃんとネオロマンス仕様で取り入れられているのだ。
外見もコーエーさんだからなのかなんなのか、兄様に続いて戦国無双2テイスト濃いめの容貌(ただし筋肉量二倍)だ。今にも金やんの声で「大返しじゃあー!!」って叫びそう。ちょいちょい出てくる佐吉も成長したら無双の三成系統になりそうなので、げてらーも無双をやってみよう(ダイマ)。
それはそうとして、秀吉。ヒロインほたるはことあるごとに「マジ苦手」「この人ちょっと何言ってるのかわかんない」みたいなことを言う。よっぽどこいつが苦手なんだろう。
しかし、ほたるは苦手なはずのこの男にいきなり正体を見破られてしまう。雇用主である兄様はともかく、蘭丸も家康もほたるの正体を恋仲になった後の土壇場で知って「そんな...!」からの、それでもあなたを信じますという流れだったので、秀吉のシナリオはとても新鮮に感じた。
しかしこの秀吉のように、性別が雌なら息をするように口説いてくるタイプは乙女ゲーの定番であり、人気が高い。
ただ、こういうタイプがプレイヤーに対して己の株を上げるためには条件があるのだ(※個人の感想です)。
一つは軽薄なだけでなく有能であること、もう一つは女と色恋以外に打ち込める物、大事にしている物がある、もしくはそれを求めていること。最後に、こちらに落ちた後は「お前みたいな女は初めて。今までの女遊びはお前に恋するまでの助走にすぎない」みたいな言葉と態度を示すこと、この三つが大事だろう。
アンジェのオスカー、遙かの友雅、ヒノエ、コルダの榊、みんなそうだし、この秀吉もそれにばっちり当てはまる。
いきなりほたるの正体を掴むとこからしてもう有能だし、どんなに好きな女ができても彼が信長様LOVE勢なのは変わらない。
そして、お約束通りにヒロインを褒め称えるだけ褒め称えてくれるのだ。こちらとしても気分が悪いはずがない。
ある意味ステレオタイプな女好きキャラ秀吉のルートなのだが、それがちゃんと面白いのはほたるのおかげとも言える。
最初から正体を知られてるだけに、ほたるは秀吉に対しては、乙女ゲーヒロインにあるまじき辛辣さを見せるからだ。
私など、なんか知らねえけど途中から自分=ほたるではなく、自分=秀吉で「なんとしてもこの女を振り向かせる」という気分にさえなった。
シナリオも良くできていて、身分に縛られずに出世した秀吉だからこそ、社畜のほたるをほっとけないんだろうし、彼女が初めて感じる任務への葛藤が好ましかったんだなと思えた。
終始秀吉といちゃいちゃしながら、ほたるの「べ、別にあいつが気になってるわけじゃないんだからねっ!」というツンデレ攻撃にも萌えられるルートであった。