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金色のコルダ3(PS2版)プレイ記まとめ
※これは2010年にブログに書いたもので、PS2版の感想です。
個人の感想ですし、よかったなと思ったところもここはちょっと…と思ったところもありました。
キャラごとの感想は別記事にそれぞれ書いてます。
一言でいえば、面白いゲームだった。少なくとも買って損をしたとは思わない。
このコルダ3、密林のレビューでボロクソに書かれていたが、それを読んで「買うのやめよう」と思うのはちょっと早計かも、と思う。
「面白くない」のではなく、1、2とは方向性が変わったのだ。それに自分に合わないことと、ゲームとして面白くないというのはまた別の話だ。
コルダ3は、キャラも操作も全体のストーリーも「どうにかして無印から離れたかったんだな」という気がする。遙かシリーズの1、2と3が全然違うように、コルダも1、2と3では全然違うのを作りたかったんじゃないかと思う。
コルダ無印はキャラもストーリーもゲーム性も兼ね備えた名作ではある。しかし、だからといって新作もまた、時間を8年進めてキャラだけ一新し再びあれとおんなじ「学内コンクール」「個人戦」「ファータと出会って全人民に音楽の魅力を!」というわけにはいかないと思う。
全く同じことをやったら2作目、3作目の方が明らかに分が悪い。
だから私は、ストーリーやゲームシステムを変えたのは大正解だと思っているし、妖精の代わりにマエストロフィールドを出してきたのも面白いと思う。そこを不満に思ってボロクソなレビューを書いた人はきっと、その新システムが肌に合わなかったか、無印のシステムを踏襲した新作を望んでいたのだろう。
私がこのゲームで一番不満だったのは、新システムでもキャラでもストーリーでもない。キャラによってスチルやイベントの量に差があり過ぎることだ。
このキャラだからもっとスチルが欲しい、とかこのキャラはいらないとか、そんなことが言いたいのではない。
スチルが3枚しかないキャラと10枚以上あるキャラとでは、さすがに差がでかすぎると言っているのだ。せめて肝試し、花火、縁日あたりのイベントでは参加者全員のスチルが欲しかった。特に火積など、なけなしの三枚のうち一枚は後ろからのロングショット、もう一枚は至誠館全員でのショットというひどい扱いである。
火積クラスタはもっと怒っていい。
あと、エンディングが通常と珠玉の二つがあるキャラと珠玉しかないキャラがいるというのも不満だ。
星奏の4人だけが二種類あるというのならまだいい。なんといっても主人校だ、それくらいの差があってもいいだろう。で・も・!なんで他校の中で東金と新だけ二種類あるのだ。こいつらが二種類あるのなら全員分作ってやれよと思う。
スチルとルートの数。それがこのゲームの中で最も納得できなかった部分だ。
そして、私が「これは欲しかった!」というイベントがある。それは名前呼びのイベントだ。
「今度から君のことを香穂子と呼んでもいいだろうか?」(なぜか月森)というアレだ。あれがあることで、「ああ、こいつのなかでついにヒロインが特別な位置に来たのだなぁ」とわかりやすいからだ。
あとは、やはりあれだけアンサンブルがあって、女子がかなでとサンセシルしかいないというのはどう考えても不自然だ。ニアの他に友情対象の他校女子を作るか、攻略キャラでなくともどっかのアンサンブルに女子を入れるべきだったと思う。せめて攻略外の芹沢が女だったら、ここまで偏りは感じなかった。
そして、前作キャラの火原と衛藤が出てくるが、正直顔は出さなくてもよかったと思う。顔なしでセリフだけのモブ状態にしてくれても話は進む。
なんでこいつらだけ顔が出てるんだ…、とやはり不平等に思うからだ。前作キャラの現在の様子がちょいちょい出てくるのはいい。星奏に通う生徒が自分のとこからでた有名人の話をするのは自然なことで、しないのはむしろおかしいと思うからその辺はリアルでいいと思う。
ただ、全員出すと決めたんならハブらないで冬海と天羽のことも教えてくれよと思った。
あとは難易度による差があんまり無い気がする。「やさしい」は確かに簡単だが、「ふつう」と「むずかしい」の差がよくわからない。
無印が他2作と違って難しい部分は、練習やイベントの時間配分を自分で決めなきゃいけないところであり、なにより攻略のヒントが見られないところだと思う。ということで、「難しい」設定の時には攻略ヒントが見られないようにしてはどうだろうか。絶対もっと難しくなると思うが。
というか、最初から攻略ヒントは無くてもいい。無いと確かに大変ではあるが、あれがあることによって、やりこもうとしなくなる。
「どうすればこいつを攻略できるんだよう!二人で練習すりゃいいの?それとも一人で?」とか悩みながら無限ループしたい。
無印がやりこみ型なのは、設定がどうとかストーリーがどうとかキャラがどうとか言う前に、そもそも攻略ヒントがないというのが大きいと思う。
そして、密林のレビューで最もボロクソ言われていた部分。演奏部分についてだ。
今まではキャラが演奏してるのをただただ眺めてるだけだったのだが、今回は違う。ポップンミュージックのごとくボタン操作をしなければいけない。
「音楽を聴くことに集中したいのに、なぜそんなことをさせるのだ」と、その操作や途中でキャラが音楽の解説をすること、マエストロフィールドがうざいともっぱらの評判だった。
ただ、私はその点については個人の好みの問題であり、ゲームの問題ではないと思っている。
ぶっちゃけて言うと、私は1、2ともにまともにステージでの演奏を聴いてたのは最初だけであとは華麗にスキップしており、音楽は後で「思い出」で聴いていた。だからゲーム中で「音楽を聴くことに集中したい」という考え方があること自体に驚いたものだ。
むしろ、今回の方が操作が加わってスキップできなくなったために、真面目にステージでの音楽を聴いたという気がするくらいだ。それに、断然こっちの方が楽しい!と思っていたので、否定派の方が多いことに驚いた。
逆にこの大会操作が簡単すぎる、という声もあった。が、それは仕方ないと思う。コルダは音ゲーではないからそっちの比重が高くするわけにはいかないからだ。難しい操作がしたかったらコルダではなくポップンをやるべきだ。
キャラが解説する点については、解説はあってもいいが確かに声付きじゃない方がよかったな、と思う。
そしてマエストロフィールドがあることでリアルじゃない、とかなんとかレビューで言われていたが、もともとファータが存在する世界の話だ。無印時代から特にリアルでもなんでもない。
今回は学内コンクール限定登場のファータが出てこれない分、それくらいしてもらっても構わないだろう。もっとリアルな高校生活乙女ゲームがやりたいならときメモをやればいいのだ。
アニメが粗い(まあたしかに)という話もあるが、遙か3のアニメ部分に比べたら断然奇麗だし許容範囲だと思う。
あと、大会で競うという形をとったために、「音楽の楽しさをみんなに伝えるという1、2からの流れが切れてしまった」「音楽に優劣をつける形の今回のコルダにはがっかりだ」という話が出ていた。これについても私は好みの問題だと思う。
前作ヒロインの香穂子は普通科のド素人であるがゆえに、同じド素人相手に音楽の楽しさを伝えるというコンセプトがわかりやすかったのは事実だ。
しかし今回のかなでは、以前からコンクール等で優勝している経験者だ。ステージを見に来ている客も香穂子の時とは違って、学院関係者ではなく厳しい目を持っている。なにしろ金を払って見に来ているのだ。
音楽を楽しみつつ、勝負にも勝たねばらならいのが今回のヒロインだ。優劣をつけるのはいかん!という考えはあるかもしれないが、実際コンクールでは優劣がついてしまう。
特に今回は部活であり団体戦であるからそのへんでもまた、ドラマが生まれている。相手を打ち負かすわけではなく、ステージでの演奏で感動に震わせて相手の心の殻を破るのだと考えれば、「楽しさを伝える」という流れが切れたとはいえないと思う。
それがやっぱり許せん!という人もいるだろうし、その辺はホントに個人の好みだが、すでに無印がある以上、再び「学内コンクール」という枠でやるのではやっぱり物足りないはずだ。それに再び素人のヒロインを持ってきていたら、私的にはがっかりだったので、今回のかなではその点でとても良い。
そして、他校生がでてくるのは、新しい風が吹き込んだ感じでよかったと思う(ただ、攻略対象の数が少し多すぎる気はする)。
他校生が出てくるのはいいが、彼ら含めて通行人と一緒にアンサンブルできる、というのは残してほしかったと思う。仕方がないとはいえ、星奏以外のメンツともアンサンブルを組んでみたかったというのが本音だ。
……とまぁ、感想としてはこんなところだ。
長々と偉そうなことを書いたけど、今回のコルダは新しい!と感じる部分が多くて楽しめた。
ここまで読んでくれた方(がいらっしゃれば)、ほんとありがとうございました!
いつも長くてすみません。