下天の華 夢灯り 竹中半兵衛攻略感想
※個人の感想ですよ~。
実はまだ罪の華を全員分終えていない。
にも関わらず夢灯りに手を出した。
フォロワーさんによると「罪の華を全員分一気にキメるのはメンのヘルに良くない、夢灯りをちょいちょい挟むと良い」とのことだったので、その助言を忠実に守っているというわけだ。夢灯りは鎮痛剤か何かなのかという話だが、まぁそれに近いのは間違いない。
誰から先に攻略しようかと考えたが、新キャラが二人いると聞いて、まずはそいつらのどっちかにしようと思った。私は事前に公式サイトを見ずにゲームを始めるのでキャラデザは分からない。ただ両兵衛が出てくるということしか知らずにゲーム開始。ルート制限的な意味ではなく、どうして官兵衛ではなく半兵衛から始めたのかと問われたら、半兵衛の方がオープニング映像で目立っていたからとしか言いようがない。彼の第一印象は、
ピンク。
うる艶リップ。
といったところだが、半兵衛は見た目こそ派手でマイペースに見えるくせに、周囲にさりげない目配りをしてくるようなキャラだ。
すぐさま私の脳裏に「自分の好きな女が親友と付き合い始めた後、気持ちを隠してその恋愛相談に乗っている半兵衛現パロ」が思い浮かんだ。
そして竹中半兵衛といえば結核、白いぺスト。
そのわりに途中まではその素振りを見せず「グロスはどこの使ってる?」と尋ねたいほど唇が艶々している。
夢灯りは、冒頭ほたるが出会った官兵衛が何のために「桔梗姫」に近づいてくるのか(本当に懸想してるだけなのか、ほたるの正体を疑っているのか)、信長を襲う諸々はもしや彼の差し金なのか、彼が黒幕なのだとしたら何のために信長を狙うのか、様々な謎がほたるを中心に展開していく。
半兵衛は、この件で限りなくクロに近い男官兵衛とは強い絆を持っている。その上、登場人物の中で信長を殺したいという動機を持つのは、秀吉に天下を獲らせたい彼らだけ。
どう考えても両兵衛はグルだと思ったし、少なくとも半兵衛に対する私の心証は真っ黒なので、途中から「ほたるはいつ気づくんだろう」と思って見ていた。
きっとほたるが半兵衛の前で「謎は全て解けた!」と弾指するにちがいない、そう思って眺めていたのだが、ほたるはなんと半兵衛に自分の正体を話してしまうのだ。
なんでそうなる。
そしてそこからが怒濤の展開であった。まずもって、竹中半兵衛は竹中半兵衛じゃなかったし、官兵衛が「桔梗姫」に近づいたのは裏があったわけじゃなくマジで一目惚れしたかららしい。共犯なのは間違いなかったが、主犯は官兵衛ではなく半兵衛。
さらに、実は半兵衛はほたると同じ里の忍びであり、ほたるとは幼少時にニアミス経験まである。
この章だけで情報過多にもほどがあるが、半兵衛こと蜉蝣丸が秀吉の天下を夢見て行動を起こしたという流れは、彼が元忍びで、しかも病で先がないと追い詰められた状況から起きたのだと思えば理解できる。
下忍に生まれて忍びとしての才能はいまいちだった蜉蝣丸は、軍師として自分を認めてくれた秀吉に「夢」を見た。それは軍師として「秀吉のためになる何か」を成したいという夢だ。
一方、信長に出会ってやはり「夢」を見ることを知ったほたるだが、その夢は信長のための夢ではなく自分のための夢だ。
ほたるは、信長のためではなく自分がやりたいから「安土の盾」をやっているわけで、それは蜉蝣丸の言う「夢」とは違う。
秀吉や信長の「夢」と、自分の「夢」を混ぜるのはおかしいだろ、とほたるが蜉蝣丸を諭し、それをおおいに気に入った信長様の大岡裁きで一件落着である。
蜉蝣丸が労咳なのはマジなので、四国攻めには同行せず居残り決定で、信長から薬までもらっている。
あの自棄状態から「また桜を見よう」と、生きることに前向きになった半兵衛とほたるが寄り添ってエンディング。
半兵衛は軍師らしい策士ぶりで物事を冷静に捉えるくせに、苦い薬を嫌がったり、ほたるがちょっと攻めに転じるとびっくりしたりと、なかなかいいギャップを見せる。というか、あの外見で「軍師」なのがまずもってギャップである。甘え上手的スイートな顔してるくせに、いざほたるから積極的に行くと「君って人は」と困り顔。
それに、これは兄様が風邪引いたのを見たときにも思ったのだが、策士が物理的に弱ってる姿はなんとなく良い。風邪の兄様と労咳の蜉蝣丸では重さが違うが、萌えるという点では一緒だ。
官兵衛との関係もやり取りもいちいち微笑ましくて、官兵衛ルートでも両兵衛のやり取りが楽しみだ。
ただ、納得できない部分が無いとは言わない。
これは、このルートに対してというよりも、もしかしたら夢灯り全体に対してなのかもしれないが、半兵衛への処分が軽すぎないか?
いや、これでキツい処分をしちゃったら半兵衛ルートは「完」であるから、それが仕方ないのは判る。
でもこちとら、ついさっき罪の華をクリアした身である。
「他里の忍びに操られて天主に火をかけた隙に信長が襲われる(死人は出ていない)」
これをやらかしたほたるは牢に入れられ、死ぬより辛い責めを待つ。その末に攻略キャラとのあれこれがあるのが、ざっくりした罪の華シナリオだ。
一方の半兵衛は「身分を偽り、野犬の群れを操って門番を殺し(犬の爪に毒を塗ってあるから傷がついたらアウト、みたいなことを言ってた)、天主を襲い、香で昏倒させた上、屋根から信長を落とそうとした」
ほたると半兵衛どちらがヤバイかといったら明らかに後者。
にも関わらず、牢にも入らず天主に上がっている半兵衛。
納得できん。
特に蘭丸。貴様、あの三白眼はどうした!君の大事な信長様は屋根から落とされそうになったんだぞ(冷静に考えたら凄すぎる出来事)。
罪の華の時には、目のハイライトが消えるくらい睨んできたじゃない、君。
他のメンバーについても同様で、半兵衛の策を読みきれなかった、さすが名軍師、となぜか感心する面々。
き、貴様らーー!!歯を食いしばれ!全員今から罪の華やってこい!
と言いたくなるスイートすぎる裁きで半兵衛は助かる。
まあ、無理やり自分を納得させるなら、ほたると違って半兵衛は秀吉の大事な家臣。信長にとって四国攻めに秀吉は欠かせないから、陪臣の半兵衛の処分を躊躇った。また、信長を救ったほたる自身が半兵衛の助命を嘆願した。さらに、自分の軍師光秀が読めなかったほどの策を立てた半兵衛の才能を惜しがった。
最後に、重臣以外には「半兵衛」の正体がばれないまま落着した。
これらが全て揃ったからこそ、半兵衛のやらかしは全て不問。しかも南蛮からの薬まで貰う事になったのかもしれない。
だだ、全体の流れはともかく、半兵衛というキャラ自体はヒロインと(ある意味)幼なじみだったり、忍びだったり、病弱だったりとネタの宝庫。
特に、病弱ゆえにヒロインへの気持ちに蓋をしてしまうところ。自分の気持ちに鈍感なわけじゃなく、全部解っててそれでも諦めそうなところが魅力的なキャラだと思った。