下天の華 百地尚光攻略感想

※個人の感想ですよ

下天攻略五人目はヒロインほたるの師匠、忍びの百地だ。
百地は師匠ではあるが、それ以上に、両親を亡くしたほたるの兄か父のような存在のようだ。
6年前、ということはほたるが10歳か11歳つまり小学5年生の時に、百地は信行に出会い雇用関係に発展、里から出てほたると離れたという流れだ。
師匠はわりと強面で無口な男なのだが、泣いてる信行を放っておけなかったり、小さいほたるの面倒をマメに見たりと、もうこの下りだけで「この人、えらい苦労性で世話焼きだな…」と思える。
最初にほたるの回想シーンで6年前の師匠が登場するが、ここで私は身を乗り出した。
どうしてかって?(兄様っぽくお願いします)
このゲームの中で外見が一番好みだと思ったからだ。がっしりめの長身、精悍、短髪。しかも声も素敵だ。私は声優さんに疎いが、これがかっこいい声だということくらいはわかる。
しかし、しかし、だ。
6年経って師匠は変わってしまった(むせび泣きながら)。
老けたとか、敵方にいるとかそういうことではない。
私が「やめろぉーー!」と叫んでしまったのはその仮面のせいだ。
もし神が私に「下天関連の願いをひとつ叶えてやろう」と言ってくれたら、私は「スチルを増やして」でもなく「R18バージョンを出してくれ」でもなく「師匠の仮面のデザインを変えてくれ!今すぐにだ!」と願うだろう。何なら遙かシリーズのアクラム、ダリウスあたりから仮面を借りてきてくれてもいい。
つまり、私はほたるとはまた違った目的でさっさと師匠にそれを取ってほしかったので、頑張って修行したともいえる。
まぁ仮面の話はいい。
そこに囚われてばかりの甘ったれではいかん。
師匠のルートは、ヒロインと敵同士、師弟関係から恋愛関係への移行、師匠と弟子がお互いに対する気持ちの変化に戸惑う様、忍びのほたるが夢を持つ過程など、色々な面から楽しめた。
ヒロインの指導者にあたる年上キャラ(学園ものなら教師陣)が、教え子に惹かれる流れは乙女ゲーを嗜むものにとっては馴染み深い。
ただ、下天の場合は設定が戦国というかファンタジーなので、忍びの師弟関係というだけで新鮮に楽しめる。
師弟関係(教師と生徒)の恋愛ときたら、男性キャラの葛藤が見所のひとつだが、百地の場合、それがあんまりないところが逆に面白かった。現代学園物の教師と生徒だったら「懲戒免職」「PTA」「教育委員会」が頭をよぎる展開でも、戦国が舞台なせいか見守るこっちもそこはあまり気にならない。シナリオも二人の年の差ではなく、二人の任務や忍びについての見解の違いに重点が置かれていた気がする。
なにしろ、子どもだと思っていたほたるが、もう大人だと知って戸惑ったり忠告したりしてるくせに、再会してわりとすぐにほたるを女として意識し出す師匠。
6年前に子どもだった相手に女を感じるのがやたらと早いよ!師匠!(いいぞ!)
少なくとも、ほたるが師匠を男として意識し出すより早かったのではないか。
これは新しいパターンだ。
ここで、別れたときの師匠の年齢とほたるの年齢(小学5年生)を意識してはいけない。それを考えたら、今後師匠を見る目が変わってきてしまうから、そこは控えよう(自分に言い聞かせながら)。

さて、二人の思い出が流れ、両方が男女を意識し始めたあたりで信長暗殺の任務が下される。
これまで私は信行方を罠にはめるルートしかやったことがなかったから、信行方から見た暗殺は新鮮だったし、なんなら途中から「もうこの子(信行)を苛めんといて!」とオカンのような気持ちになった。
どうしても信行に同情的な師匠の気持ちに寄り添った見方をしてしまうので、このルートで信行の最後がぼかされているのはルビパの温情なのかもしれない。
信長を救って泰平の世を作りたいほたるに根負けした師匠は、信行の依頼もギリギリこなした形で任務を終える。
最後は、信長に仕えることになったほたるにその信長から粋な計らいがあって、ほたるは師匠を文字通り捕まえる。
「どうやらほたるのことが好きだ」と自覚した師匠は、しかし土俵際の粘りでほたるにそれを伝えない。そこで、ほたるが積極的に追いかけるのがこのルートの萌える所だ。
大人の男を、大人になった元幼女が追いかけて「自分はもう子どもじゃない!」と言う。それはやっぱり王道だが萌える展開だし、普段は有能で任務にストイックな師匠がほたる相手に困り果てるのは可愛い。
エンディングでは師匠の庵を掃除してあげるほたる。すでに熟年夫婦みたいになってるのも、なんだかんだで尻に敷かれてそうな師匠も微笑ましかった。

この二人は忍びの里を抜けたことになるのだろうか。
これまで私は、忍びの里からの抜け忍には追っ手がかかるもんだとなんとなく思っていたのだが、そうじゃないなら、ほたるの里は随分と暮らしやすそうだ。
というか、ほたるは里から出向、もしくは里からの任務を「外注」という形でこなしているのだろうか。

あと、下世話な話だが、くのいちと言えばお色気の術というか、誘惑と性技。大人になったらそういうのを仕込まれる、みたいなイメージがあるのだが(男性向けエロ同人的な)、ほたるは処女なんだろうか。
エンディングの感じだとどうもまだ処女風なので、ほたると師匠の出身里はやはりホワイト企業だなと思った。

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