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試しに恋と深空をやってみたらハマりしましたという話(ネタバレなしおすすめ文)
※個人の感想です
※ネタバレはしていません
※広い心でどうぞ
※これを書いたのはプレイ開始から22日後です。8章、深層、シンの伝説イベントは解放されていますが、私はまだメインストーリー8章までと三人の外伝と深層しか読めていません
ソーシャルゲーム『恋と深空』をプレイした。
まんまとハマったので、いつも通り良かった点も残念だと思った点もまんべんなく話していこうと思う。それを加味した上で「これはイケる!」と思われた方はぜひともプレイしてみてほしい。
はじめに平伏して謝罪したいのだが、プレイ開始前、私はこのゲームにあまりいいイメージを持っていなかった。というのも、Xのおすすめ欄に流れてくる『恋と深空』関連の話題は、男性キャラの乳首の立ち具合やら股間の大きさやらを揶揄するようなポストばかり、二次創作はエロばかりだったからだ。
エロ二次創作自体は別にいい(なにせ自分もエロ本を出している身だ)。エロが嫌なのではない。だが、プレイ前に本物を知らずにそればかり見せられると「ど、どんなゲームだよ」と思うし、乳首乳首とうるせーポストに対しては「乳首くらい立つわいな。寒い時とか」と反発してしまう。
もちろん『恋と深空』の二次創作はエロばかりではないし、乳首と股間のデカさを騒ぎ立てるポストばかりではないのだろうが、Xのおすすめ欄というのは自分のTL以上にあらゆるものが流れてくる無法地帯なのだ。
私のXアカウントは乙女ゲームがメインなので、『恋と深空』以外でも人気のある乙女ゲーム関連のポストが流れてくることは多い。しかし、さまざまなソシャゲ、乙女ゲーの中でも『恋と深空』関連のポストは圧倒的に乳首と股間だったのだ。
『恋と深空』未プレイのみなさんの中にも、TLやおすすめ欄でゲーム画面(乳首以外のものも)を見かけたことがある人は多いと思う。というのも、『恋と深空』はゲーム画面を引用してLINEやXなどに投稿することで、ゲーム内で使える素材がもらえたりするので、プレイヤーが率先してSNSに流すからだ。
もちろんネタバレスクショは言語道断だが、公式がSNS引用を推奨しているシーンはゲーム内に頻繁に出てくる。その引用画面には当然『恋と深空』のQRコードがついており、それを見た未プレイ者が即座にダウンロード可能という抜け目のなさだ。プレイヤーの推しキャラを見せたい欲と素材を貰いたい欲を実にうまく宣伝に利用しているわけで、そりゃおすすめ欄にも流れてくるわなと思う。
話はそれたが、私は『恋と深空』がどんなゲームか一切知らないままエロいイラストや股間スクショポストだけを見せられたせいで、「これはキャラが色っぽいことを言って口説いてくるだけのゲームなのかな」と思い込んでいたわけだ。ひどい誤解だった、謹んでお詫びする。
もしかしたら、気まぐれを起こしてこれを読んでいる未プレイの方(全世界で3人くらい)も私と同じように『恋と深空』を、そのように誤解して避けているかもしれない。それは良くない。
ということで、『恋と深空』を始めたばかりの私の感想を包み隠さず述べていきたい。ネタバレはしない(というかネタバレするほどキャラのことを知らない)ので、システムやストーリーが「面白そうだな」と思ったら、ちょっとやってみてもいいのではないだろうか。
『恋と深空』の攻略対象は現在4人。
乙女ゲーム慣れした者たちは「少ない」と思うだろう。私もそう思ったが、その一人ひとりの作り込み方が半端ではない。
ビジュアルはリアルCGであり、体格や顔立ち肌の色や目の色はもちろん、肌の質感やまつ毛の生え方までキャラごとに違うという徹底ぶりだ。
立ち絵は回転させて背面や横からキャラを眺められるしズームもできる。絵を描く方ならこれだけで「一級資料」なのではないだろうか。つまりどこから見ても美しいCGなのである。オープニングの曲は歌姫サラ・ブライトマンによるもので、画像と合わせて「映画や…」と声が漏れるほどの出来だ。
そしてヒロインだが、彼女にはデフォルト名がない。まさにヒロインis youの世界で自己投影型夢女の楽園なわけだが、ヒロイン=自分としてプレイするのは気恥ずかしいという夢女失格のプレイヤーにも道はある。
ヒロインに自分の名前を使うのは恥ずかしいというのなら、ごちゃごちゃ言わずに自分とは無関係の名前を設定すればいいだけだ。ちなみに私の友人のヒロイン名は『長澤まさみ』である。それでいいのだ。
それにヒロインの外見はかなり細かくキャラメイクできる。ヒロインの目の大きさや顔の輪郭、髪型はもちろん化粧前と化粧後、エラの張り方まで決められるゲームを私は初めて見た。どうやっても美人には仕上がるので、凝りに凝って自分の好みを反映させてもいいし、面倒くさいならスキップすれば良い。
ヒロインに関しては、夢思考とCP思考を上手く混ぜたような仕様となっており、どちらのタイプのプレイヤーにも優しいゲームだと感じた。
さて、ヒロインを作ったらメインのストーリーを読んでいく。『恋と深空』は近未来が舞台で、突然この世に現れた「ワンダラー」という怪物と、それに関わる物質「コア」をめぐる秘密が物語の主軸となる。それを探る過程でヒロインと攻略対象との関わりが次第に明らかになっていくのだ。
ヒロインが、ワンダラーを討伐する「ハンター」としてハンター協会に就職するところからストーリーが始まる。
メインストーリーだけでなく、枝分かれした各キャラとヒロインとの因縁話も読み応えがある。メインストーリーだけではぼんやりとしかわからなかった部分が個別のストーリーで補強されていく感じだ。ストーリーの好みはあるだろうが、このシステムはノベル系の乙女ゲームが好きな人なら間違いなく好きだと思う。
つまり何が言いたいかというと、このゲームには謎をはらんだストーリーが存在し、各キャラとのストーリーも日常話から過去の因縁まで幅広いということだ。私が漠然と思い描いていた、キャラとの対面会話のみのゲームではなかったのだ。
また「ノベルのみの乙女ゲームが苦手」という者でも楽しめる工夫がある。このゲームは、ワンダラーと戦いながら物語を読み進めていくので、ストーリーの合間には必ず「戦闘」が入るのだ。
このワンダラーとの「戦闘」がすごい。なにしろソシャゲ特有のカードバトルではないのだ。連打連打連打連打、溜めて必殺技ドッカーン!パートナー(攻略対象)と連携して必殺技、別ボタンタップで攻撃を避けつつ連打連打!みたいな、あえて言うなら戦国無双(三國無双でもいいけど)に近い。指が疲れる。
テクニック次第ではレベルが低くてもワンダラーを撃破できるし、ヒロインの武器も片手剣から銃まで数種類から選かべるので、戦闘を楽しみたいユーザーにはうってつけだ。また、自動モードもあるので「俺は戦闘がしたいんじゃねえ、キャラといちゃつかせろ!」というタイプも安心である。
ただし、戦闘で使えるキャラはもちろんソシャゲ特有のガチャで引かなくてはならない。★3のカードより★5の方が強い。しかし当たり前だが、それを得るためにはガチャなのだ。引いたカードは任務をこなしてもらえる素材で育てる。それもソシャゲ経験者はよく知る流れだと思う。
ソシャゲとガチャは切っても切り離せない。
ただ『恋と深空』のガチャは、私にとってはかなりストレスが少ない仕様である。というのも、カードを一枚引きさえすればそのカードのストーリーを基本的に最後まで読めるからだ(※対のカードがないと途中までしか読めない特殊なものもある)。
カードを重ねないと全部のストーリーが読めないソシャゲは多いが『恋と深空』の場合、カードを重ねて変わるのは強さだけで、1枚引けばストーリーはほぼ読める。FGOと同じタイプだ。
カードの種類は多いので、無課金で4人全員の全種類を得たいとなると無茶だが、たった1人のキャラだけを追うならできないことはない。キャラが4人しかいないというのはそういう意味でも強いのだ。
攻略対象は何度も言うが4人(これからもう1人追加されるのではという噂もある)。
ヒロインと同じく「ハンター」として、時にバディを組むセイヤ。謎の手がかりを持つ画家のホムラ。裏社会の支配者シン。それからヒロイン自身の秘密に関わり、ヒロインを見守る医者のレイ。
それぞれキャラが立っているので、たとえどストライクがいなくとも、一人くらいは「好みかも」と思えるキャラがいると思う。そしてもし、この4人の中にあなたのドチャクソ性癖!がいたとしたら、それはもう「めでたい」の一言だ。エヴァンゲリオンの最終回くらい「おめでとう」と言ってあげたい。
というのもこのゲーム、攻略対象がたった4人しかいないおかけで、一人ひとりとのやり取りがものすごく細かい。カードを引けば読めるストーリーがたくさん存在するだけでなく、ミニゲーム(クレーンゲームやカードゲーム)をやったり写真撮影したりメールしたりと、キャラとの交流も幅広く可能だ。
ホーム画面に一人を設定すると、タップすれば会話してくれ、一緒に運動やら付き添いやらをしてくれる。仲良くなればセリフも変わる。
残念ながらこの4人の中に「私のド性癖」はおらず、「この中ならまあ彼かな……」くらいの気持ちでいたのだが、半月以上彼のみをホームに置き続け、起動するたびに彼の顔を見た結果、情が湧き、今となってはそいつが最推しである。もちろん途中で他のキャラをホーム画面に据えることもできるのだが、今や彼以外をそこに置くとなんとなく落ち着かない気持ちになるほどだ。
乙女ゲーマーにも色々なタイプがいるが、「攻略対象4人全員まとめて抱いたる!」というタイプだけでなく、たった1人のキャラをとにかく愛するというタイプもかなり満足できるのではないだろうか。
また、このゲームは定期的なイベントでもランキング戦がないので、誰かと競うことなくまったりできるのがいい。
イベント特効カードを引いて期間内にイベントストーリーを読む権利を得なきゃ!とか、今回は推しのイベントだからランキング頑張ろうかな!というストレスが無いのだ。私はまだ始めてから一ヶ月未満なのでよくわからんことばかりだが、少なくともこの一ヶ月で見かけた期間限定イベントはログインして日常の任務をこなせばストーリーを読むことが出来た。ノーストレスであった。
だらだら書いたが『恋と深空』について、まとめるとこうだ。
ヒロインにはデフォルト名がないが、細かくキャラメイクできるので、夢女もCP厨もヒロイン厨も広くカバーできる。
ただ、かなり気の強いヒロインであり、大陸産の乙女ゲームであるせいか目上の人にもほとんど敬語を使わない。例えばレイは医師だし年上、またホムラも地位のある画家だが、ヒロインは初手から彼らをほぼタメ口呼び捨て(レイに関しては関係性が特殊ということもあるし、たまに「レイ先生」呼びもするが)。
夢思考かどうかに関わらず、もしかしたらこういう気の強さと不躾さを「苦手」と判断する人もいるかも知れない。世の中、ヒロインなら何でもいいというありがたいタイプ(製作者にとって)ばかりではないので、そのあたりは好みが分かれると思う。
次に攻略対象。なにしろ4人しかいないので、性癖どストライクキャラにぶち当たる確率は低い。だが、続けるうちにキャラの作り込み方と交流を繰り返す仕様によって、どストライクではなくとも「このゲームの推し」として好きになるのは間違いない。なんなら4人が同じくらい好きという人も多いと思う。逆に私はほぼ1人としか交流していないが、それでも全く不満はない。
推しの一本釣りタイププレイヤーも、箱推し逆ハータイププレイヤーも満足できると思う。
ただ、冒頭で書いたようにこのゲームのキャラはリアル3DCGだ。2次元のキャラは2次元にいてほしい、3DCGは生々しくて苦手だ、という人もいると思う。どんなに美しくても2次元イラストに比べたらどうしても生々しさは出る。
実際私は最近、目黒蓮がレイ先生に見えるという現象に悩まされている。
リアルを謳っているゲームなのでそれはいいのだが、「むしろそれが苦手」という人は最初からやめておいた方がいいだろう。向き不向きはある。
そしてストーリーだが、かなり込み入っている。いや、メインストーリーの流れは特に複雑ではないのだが、そこから枝分かれする各キャラの個別ストーリーを考え出すと複雑化するのだ。
それぞれにヒロインとの因縁があり、それが過去のことなのか別時空のことなのか、はたまた未来の何かなのか、ストーリーの断片を拾っただけでは確定できないのだ。うまく言えないが、メイン、キャラストーリーともに謎をはらんでいるので、読み応えはあると思う。SFが好きな人は特に楽しめると思う。
ただ、何度も言うがこのゲームは大陸産である。そのせいか文章がやたらと読みづらい。地の文だけでなく会話文もたまに「翻訳丸出し」みたいな不自然に硬い日本語になる。妙なたとえ話が来たかと思うと、やたらと詩的な表現が登場するし、全然おもろないジョークが混じることもある。日本語表現の機微を期待しすぎてはいけない。
これはもう仕方のないことだから、慣れるしかないのだが、複雑なストーリーが読みづらい文章で書かれているため、私などストーリーを読み終えた直後に「それで? 今のどういうこと?」とバックログで読み直すのは当たり前となっている。
ストーリーの合間には本格的な戦闘があるが、自分で武器をぶん回して戦ってもいいし、最初からオートにしてもいい。戦闘のみ楽しめるステージもたくさんあるので、ノベルゲームというだけではない。
ストーリーがあり、戦闘があり、さらに『恋と深空』の真骨頂であるキャラとの交流がある。これの作り込み方が本当にすごい。交流の仕方にはいろいろあるので実際に試してもらうとして、キャラとの絆が深まれば乙女ゲームらしいことを言ってくれるようになるわけだ。
そう。「絆が深まれば」。見落とされがちだが、これが大前提だ。恋と深空は対象を『攻略する』乙女ゲームなので、Xのポストで見かけるような色っぽいことをキャラがいきなり言い出すわけではない。「なんだ、ただエロいストーリーでユーザーの気を引くだけのゲームか」と思われては困る(プレイ前の私は実際こう思っていたので猛省)。
当たり前だが親密にならないと奴らは心を開かねえのだ。私など、毎日「次はボクシングの時間を2時間に増やすぞ」みたいなことを言われている。もちろん『ボクシング』がエロの比喩というわけではなく、マジのボクシングである。プレイ前にXでよく流れてきた「好きな女を甘やかしまくるギャング」は一体どこにいるんだよという感じだが、それはまだ私が彼とたいして仲良くないからだろう。
戦闘やら交流やらガチャやらで絆を上げて、時間をかけて仲良くなってきたあとでエロそうなカドストを読むと「ついに…!」と感慨無量だろう。そこを履き違え、そこに至るまでの過程をないものとし「こんなエロいストーリーがありまっせ」などと未プレイの人に勧めたらドン引かれるに決まっている。
乙女ゲームにエロさを求めていない人も一定数いるので、そこは誤解のないようにしたいが、エロそうなカードストーリーに至るまでの過程はちゃんとあるし、メインストーリーはいたって硬派である。そもそもカードを引かないとそのようなストーリーにはぶち当たらない(逆に言うと、カードを引いてしまうとまだ大して仲良くないキャラとのセンシティブストーリーにぶち当たる)。
ただ、過程があってもなおセンシティブなストーリーが嫌だという人はこのゲームに向いていない。
そして、ソシャゲ特有のガチャシステムだが、これはもうソシャゲである以上避けては通れない。無課金でも問題なく楽しめるが、ガチャシステムそのものが嫌なら話は終わりだ。最初からやらない方が良い。
ただ前述のように、ソシャゲのガチャには同じカードを重ねないとそれに付随するストーリーを最後まで読めないタイプと、1枚引けば読めるタイプかある。『恋と深空』は基本的には後者なので、その点はストレスが少ない。とはいえ、戦闘があるためカードを育てて強くしないことには話が始まらねぇ(メインストーリーを読めない)という問題はあるので、必死に素材を集める流れは他のソシャゲと同じようなものだ。
ということで、ヒロイン、キャラ、ストーリー、システムなどについて今の段階で思いつく限りの「良いところ」と「イマイチなところ」を書き出したつもりだ。
このゲームは夢女もCP厨もヒロイン厨も広くカバーしているため、プレイヤーの分母もでかいのだと思う。二次創作界隈も元気いっぱいである。
これで「やってみたい!」と思ったら試してみたら良いし、「ん〜〜」と迷ったら様子を見ればいい。小難しく考えないでほしい。ただ、私自身がプレイ前にこのゲームの中身を誤解していたため、「『恋と深空』は実はこんなゲームだったよ」と話したかっただけだ。
あ。あと一番大事なことを書くのを忘れていた。
このゲーム、スマホの容量めちゃくちゃ食う。充分に空けてからダウンロードしよう。
よく考えたらこれは、上記のプレゼンを全て吹き飛ばすほどの重大事項だった。ごめん。