【案内したい京都】大人も子どもも大満足♪ 下鴨神社の御手洗祭(みたらしさい)
7月19日から開催されている、京都・下鴨神社の御手洗祭(みたらしさい)。
なんといっても、参拝の方法が独特です。ネットやテレビでご覧になって、「わー、なんだか楽しそう」と思った方もいるのでは?
まず、履き物を脱いで、素足になるところからスタートします。
境内にある御手洗池(みたらしいけ)に素足を浸して身を清め、無病息災をお祈りするーー平安時代から続くと言われる、下鴨神社の例祭です。
私たち夫婦は数年前から「行きたいね」と話していましたが、子ども二人(小1、小6)のことが引っかかって実行できずにいました。
しかし、昨年思い切って家族で参拝してみたところ、子どもも「楽しかったー!」と大満足。
京都らしい厳かな雰囲気に包まれながらも、エンタメ性もところどころに散らばっているのが、子どもにも受けた理由と思われます。
詳しくまとめると…。
こども引きつけポイント①
金魚すくい、射的…「昭和」な出店に親子でときめく
一の鳥居をくぐってしばらく歩くと、糺の森(ただすのもり)に到着します。ここから境内へと続く道沿いには、たくさんの出店が並んでいて、それだけで子どもの目はキラキラ! その時点で、私たち夫婦は「しめしめ」と手応えを感じました。
「あ、あれ食べたい~!」
「射的をしたい~!」
「金魚すくいしたい〜」
とリクエストが次々と飛び出します。
「ま、まずは、お参りしようか」
「ふあーい」
という会話をしながら、糺の森を進んでいくのは、とても楽しい時間です。
私たちが到着したのは18時過ぎだったので、周囲はほんのり薄暗く、出店の灯りが夜の空間にぼんやり滲んでいました。
糺の森の木々は、夜の闇に飲まれるようにして、少しずつ漆黒に染まっていきます。ですが、境内への入り口である楼門には多くの提灯が灯り、闇の拡大を許しません。その光景はとても幻想的です。
人々は、その灯籠のあかりに吸い込まれるようにして、境内へと急ぐのでした。
京都の寺社仏閣の中でも、長い歴史を誇る下鴨神社。その懐の深さに触れたかのような、不思議な安心感に包まれます。そうして、御手洗池に向かいます。
こども引きつけポイント②
予想外の冷たさ! 「神社の池を素足で歩く」という非日常が面白い
御手洗祭は別名「足つけ神事」とも呼ばれていて、境内にある御手洗池(みたらしいけ)を裸足で歩くのがメインイベント。こちらで邪気を払って、身を清めるのです。
私たちが参拝した日は朝からうだるような暑さで、「さすがに池の水もぬるくなっちゃっているだろう」と勝手に予想していました。
ですが、実際に足をつけてみると、氷水のような冷たさ。「ひっ……!!!」と顔がひきつり、引き返したくなる衝動に襲われました。
子ども、特に7歳の息子は「ママー、冷たすぎるー!」と半泣き状態。周囲に目を向けると泣き叫ぶ子どももいたので、「やばいんちゃう?」と本気で引き返すことを考えたのですが、不思議なことに5秒くらい?10秒くらいでスッと身体になじんできました。
息子も同様で、わりとすぐに落ち着いた様子。最後には「気持ちいいー」と笑顔になっていて、ホッとしました。
御手洗池の水は「ご神水」と呼ばれる湧水です。どんなに猛暑の日でも、私たちに涼をもたらす冷たさは、湧水だからなんですね。不思議なことに、土用の丑が近づくと、こんこんと湧き出るそうで、「京の七不思議」と言われているとか。
この不思議な湧水、御手洗池から出た後に、試飲することもできます。体内から浄化されるのでしょう、とても清廉な気持ちになったことを覚えています。
こども引きつけポイント③
やっぱり美味しいみたらし団子
実は、この御手洗池が、みたらし団子の発祥の地というのは、まあまあ有名な話でしょうか。
一の鳥居をくぐって数メートル歩くと糺の森(ただすのもり)に到着、入ってすぐにみたらし団子の屋台があります。タイミングによりますが、たいてい長蛇の列で大賑わいです。
買ってみると、5つのお団子のうち、一番上のお団子だけが、他の4つと引き離されているんです。(とはいえ、教えてもらって気が付いた私です)
このお団子の並べ方は、御手洗池に湧水がこんこんと湧き出る様子から想起されたものと言われています。
ちなみに、一般的なみたらし団子より少し小ぶりですが、むしろ食べやすい大きさです。しっかりした味のタレに、きなこをドバーッとかけていただくので、満足度が高いですよ。(きなこをかけるかどうかは、お店のお兄ちゃんが確認してくれます)※2023年の話
みたらし団子+きなこ、という組み合わせが初めてだった私たち家族は、「え、えー、贅沢なお味!」とひたすら興奮していました。
こども引きつけポイント アラカルト
●あなたの干支は何? 干支ごとの神様を祀る言社の社(やしろ)
楼門をくぐってさらにその奥にある「中門」をくぐると、7つのお社(やしろ)が並んでいます。それぞれの守護神が干支で表されているので、自分の干支のお社を見つけてお参りしましょう♪
もちろん、本殿への参拝も忘れずに。
●腰掛け椅子じゃないんです…みたらし団子のモニュメントを探そう!
出町柳駅から糺の森へ向かう途中にある葵公園に、ひっそりと「みたらし団子」のモニュメントが鎮座しているのをご存知ですか?
その名も「だんごアート」。京都芸術大学の学生さんが設置されたようで、SNSでも話題になっているとか。
お子さんと一緒に探すのも楽しそうですよね!
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我が家の子どもたちは、今年も参拝を楽しみにしています。
家族そろって、京都の夏の風物詩を満喫しましょう。