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追い込み方3選〜約束で動く人、恐怖で動く人、声援で動く人

性根が怠け者で、時間があればあるほど無駄に過ごしてしまう私は、いかに自分を追い込むか、いかに無理なく自分を奮い立たせるかをよく考える。

私のベストは「宣言する」こと

やはり一番効果的なのは、「締め切りを設定する」「約束をする」の2つに限る。自分一人で締め切りを設定したところで守るわけがないので、誰かと約束をすることも欠かせない。
先日の「文学フリマ大阪」は好例だろう。「文フリに出ます」と周囲に宣言するだけで、一冊のZINEを完成させ文学フリマに参加するという目標を達成することができた。
「こうしよう」と決めたことは、まず宣言してしまう。周囲に約束してしまう。これが私にとってはベストな「追い込み方」のようだ。

天才型は「崖っぷちに追い込む」

開高健さんのエッセイに、作家・山本周五郎さんの〝創作態度〟が紹介されているのだが、その内容に驚いた。
新聞社・出版社から長編を依頼された山本さんは、作品を書く前に多額のお金を前借りし、それを日夜のドンチャン騒ぎで使い切ってしまうのだという。一文も残さずに。
こうなると、ちゃんと原稿を仕上げなければ大変なことになってしまうという恐怖感が込み上げ、裂帛の気合が生まれるという。
…すごい追い込み方だ。この方法で名作が生まれることもあれば、そうでないこともある、と開高さんは締めている。

これは、大物だからできる、大物だからエピソードになる、大物だから〝絵〟になる追い込み方だなあと思う。
私が原稿を仕上げる前に、雀の涙なギャラをもらって、友達とちょっと豪華なランチを楽しんで使ってしまったとて、凄みも面白みも何もない。誰かに語ったところで「何してんの」と呆れられるのがオチだろう。

理想は「周囲の期待に応えな!」という追い込まれ方

とあるお豆腐屋さんの「復活劇」は、理想的な〝追い込まれ方〟で達成された。会社が倒産して失業し、途方に暮れたものの、残った仲間と必死になって奔走し、半年後に豆腐屋を再建したのだ。
その時、仲間たちを追い込み奮い立たせたのは、「頑張ってな」「待ってるで」というお客さんの声だったという。

「えらい大変なことになるでー」と恐怖に突き動かされる追い込み方。
「待ってるで」という応援の言葉に突き動かされる追い込み方。

どちらも達観した追い込み方だ。平々凡々に生きている私は、「宣言する」方法でしばらく行こうと思う。

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