【50歳のつぶやき】バタンキュー
まだあたりが薄暗かった朝方のこと。少しずつ脳が目覚めていく感覚の中で、あー、喉痛い、頭痛い、熱があるっぽい、と体の不調に気づいていくのは、えらい最悪な気分でおますな。
とにかく体がしんどくて、ずっと寝ていたかったが、近所のクリニックは午前診療だから、老体に鞭打ってひょこひょこ出かけた。
幸いクリニックはさほど混雑していなかったのだが、とにかくだるい。悪寒に襲われる度に体を硬直させ、熱が体内から湧き上がる感覚がある。ついでに吐き気と頭痛にもたびたび見舞われ、わたしは年甲斐もなく〝ぐったり〟してしまった。早く帰ってひたすら寝たいとそればかり考えていた。
ここのクリニックに並ぶ「院長愛読書」コレクションが好きなのに、まったく見る気が起きなかった。
先生は、わたしの顔を見るなり「だいぶ辛そうね」と言った。そしてわたしの胸の音を聞き、首元に手を当てて触診すると、「あー、もうお疲れだね。しっかり、風邪をひいちゃっている。とにかく寝ましょう、とにかく休みましょう」とにこにこ顔で言った。
というわけで、ゴロゴロ生活を謳歌している。たまにはこんな週末もありか。