【やっぱり紙が好き】 廃棄されるお米を紙に。「kome-kami」のサステナブル パッド
「備蓄米」ってご存知ですか?
災害や不作に備えて国が確保しているというお米で、常時100万トンが保管されているそうです。(農林水産省のHPより)
しかし、これらの備蓄米は、消費期限が切れると捨てられてしまうとか。
その事実を知り「もったいない」と感じた製紙メーカーが、お米を使った紙作りに取り組みました。
そうして出来上がった紙素材が、「kome-kami」です。
捨てられるはずのものを「アップサイクル」
「入っているお米の割合は、紙全体の数パーセントですが…」とのことでしたが、その数パーセント分のお米が無駄にならずに、美しい紙に生まれ変わったーーそのことが、私は素晴らしいと思うのです。
「kome-kami」の完成までには、紆余曲折があったといいます。
①まず、お米を粉砕して、パウダー状にすることが困難だったそうです。
②そこで出たアイデアが、「一度、お米を炊いてみよう!」でした。 ですが、炊いたお米(要はご飯)は、機械にべったり付着してしまい大失敗。
③再度、お米をパウダー状にする作戦で取り組み、成功しました。「kome-kami」の誕生です。
そして、「kome-kami 」をノートにして商品化したものが、大栗紙工株式会社の「サステナブル パッド」。B6サイズのコンパクトなノートですが、1枚ずつ取ることもできます。
実際に手に取った感触は、普通の紙となんら変わりません。とても使いやすそうな、上等な紙です。だけど、「お米が入っている」と言われると、なるほどーと思います。
お米の白さと柔らかさは、ほっとする風合いや滑らかさに。
お米が持つ独特の粘り気は、紙の張りや弾力に。
お米が紙の中で生きているなあーと感じます。アップサイクル、ってこういうことなんですね。
そうそう、お米って、紙の滲みを軽減させたり、発色をよくする効果があるそうです。江戸時代の人はそれを知っていて、お米パウダーを書や絵画にふりかけていたとか。
浮世絵の鮮やかな発色も、お米由来だそうです。
使い道・アイデアはさまざま
「サステナブル パッド」は、表面が滑らかで書き心地が良い上、滲みを防ぐ効果もあるため、さまざまなシーンで活躍します。
・水彩画や水墨画などの絵画
・カラーインクを使ったイラスト作成やメッセージカードに
・パステルを使った作品にも
もちろん、ペンや鉛筆など、身近な文具とも相性ばっちり。
厚みと張りがあるので、クラフト作りにもぴったりです。
サステナブル パッドを使った手作りの「飛び出すカード」を拝見しましたが、とても素敵でした。
オリジナルの名刺やカードを作るにも、ピッタリだと思います。
私もいつか作りたい…。
「この紙には、お米が入っているんです」
そして「サステナブル パッド」の最大の長所だと私が思うのは、
作ったカードや作品を誰かに見せるとき、もしくはプレゼントするときに、
「この紙、お米が入っているんだよ」と伝えられることです。
「備蓄米って、期限が切れたら捨てられちゃうんだよ」
「この紙は、捨てられるはずだったお米を使っているの」
「アップサイクル、って言うんだよ」
…と、あまりクドクド言うと嫌われそうですが 笑。
話す内容や、話す時の熱量は相手の反応を見て、になりますが、環境問題や社会問題を考えるきっかけになることは確かです。
プロダクトブランドMAARU(まある)
実は「サステナブル パッド」は、プロダクトブランドMAARU(まある)の製品のひとつ。MAARU(まある)は、「未来のために資源を循環させる」ことをコンセプトに掲げています。
世の中の人々が、社会問題や環境問題に関心を持ち、意識を高く持つ。そして社会が良くなっていく。
そんな未来を目指しています。
「kome-kami」と検索すると、さまざまな商品が出てきます。今度のラインナップ展開が楽しみです。
「この紙、捨てられるはずだったお米が使われているんだって」と、あちこちで伝えられる日が来ることを期待しています。
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