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【折り紙と息子とわたし12】折り目の連続、折り目の芸術 ハリネズミにチャレンジ
今日の予報は大雨。三連休の初日だが、私は大雨予報にホッとした。自宅で気兼ねなくゆっくり過ごすには、大雨が一番だ。晴れていると、「外出しないともったいなくない?」とか「きょう布団を干さないとチャンスがなくなるかも」など、もう一人の私が背中を突くからだ。
だから今日は、紅玉でアップルパイを作る、手作り味噌が完成したかどうかチェックする、床掃除をする、そして、「ともまると折り紙デートする」を絶対にすることと決めた。
小2の息子・ともまるとは、これまでもときどき「折り紙デート」をしてきた。前回の「あじさい折り」に続いて、今回も私にとっては大作である。
そう、ハリネズミ。折り目の連続が面白く、かつ美しい作品だと思う。本で見たとき、幾重にも 連なる規則正しい折り目と丸っこく愛らしいフォルムという組み合わせに、すっかりハートを奪われた。いつか折ってみたいと思っていた。
ともまるは一度は失敗したものの、二度目で堂々完成させた。初めて手に取った時の感動たるや。まあるーい、かわいーい、と目を細めて観察した。ともまるのお友達も「欲しい」と言ってくれたようで、これまでも何匹かお嫁入り。みんな、元気にしているかしら。
ともまるはいつの間にか折り方を覚えてしまった。色違いで折ったり、サイズ違いで折ったり。推奨サイズは30センチ✖️30センチの折り紙だが、50センチ✖️50センチでドデカ・ハリネズミを、15センチ✖️15センチでミニミニ・ハリネズミを。我が家のあちこちに転がっている。
前置きが長くなったが、今日、ついにハリネズミを折ることに挑戦した。
まずは、怒涛の折り目づくりだ。35センチの折り紙を半分に折って、さらに半分に折って、そのまたさらに半分に折って、繰り返すこと4回。縦32等分、横32等分に折って、合計1,024マスが出来上がった。ここまでほぼ1時間。
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だけど、この1時間はなかなか至福の時だった。ひたすら指先に集中して、真っ直ぐに折り続ける。隣にいるともまるとも言葉を交わさず、部屋には雨音だけが響いていた。
それに、普段は眠っている脳のどこかを稼働させているようで、心地よかった。折り目だけでも綺麗だなとしばし眺め、清々しい達成感を味わった。
さて、次。つけた折り目を段折りしながらパタパタと畳んでいく。全て終わったら半分に折る。
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その次は耳を折った。難しくて、ともまるに聞いた。「ああ、これはこう」とベテラン先生風に受け答えながら、手際良く形を整える息子の指の動きに見入る。
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(続く)
今日の作品:ハリネズミ(創作者:今井雄大さん/「新世代 至高のおりがみ(山口 真)」より)