見出し画像

理想のドラッグストア、現実のドラッグストア

「フードラ」なるものが、巷で流行っているとかいないとか。
「フード+ドラッグストア」の意味で、薬類はもちろん、食品がスーパーマーケット並みに豊富なドラッグストアのことらしい。売り上げの6〜7割が食品というから、近所のドラッグストアとは規模が違うのだろうな、と記事を読みながら思った。
フードラで売っている食品の特徴は、その安さにあるという。食品類はもともと利幅が少なくそうそう価格を下げられないが、ドラッグストアなら利幅が大きい薬や化粧品でカバーできる。それで他店に負けない低価格を実現できるという。
激安の上、ワンストップであらゆる買い物を済ますことができる点も、共働き世代から支持を集めている理由らしい。

ドラッグストアはやはり便利だ。個人的には、薬が目的というよりは生活必需品や消耗品を買うことが多い。お菓子類もスーパーマーケットよりは安い印象。食品を買ったことはないが、生鮮品が棚に並んでいたりすると「おおっ」となる。ドラッグストアの進化は肌で感じていたが、その進化もフードラの話も、私にはどうもしっくり来ない。

先日ドラッグストアに出かけて、考えたことがある。
ドラッグストアは、客にどうなってもらいたいのだろうかと。

薬が置いてあって、中には調剤薬局まであって、「あなたの体調不良を改善しますよ」というメッセージがまず伝わってくる。
だが一方で、食品売り場に並ぶのは、安さを追求したものが大半ではないだろうか。「体調不良を改善しますよ」という顔をしているわりには、添加物がしれっと入った食品を、良さげにしれっと並べていて、私なんかはモヤモヤっとしてくるのであった。

「食べ物が、あなたをつくる」という表現がある。
特に、美肌を手に入れたい女性に響く言葉だと思うが、これは何も美肌に限ったことではないと、すでに多くの人が気づいている。
食べ物がその人の健康をつくるし、健康がその上の「美」をつくるのだ。

だから、私が理想とするのは、薬も売りつつ、「本当の健康を願ってつくられた食品」も並べてあるドラッグストアだ。
「まず、食べ物から変えていきましょう。それでも良くならなかったら、このお薬を飲みましょうね」というコンセプト。薬食同源をキャッチフレーズにドーンと掲げるのだ。

誰かつくってくれないかしらん。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?