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ZINEを持ち込んで玉砕した話

パート先の近くに、ZINEを置いている個性的な本屋がある。たまたまネットを見ていた時に知ったのだが、思い切って今日の仕事帰りに立ち寄ってみた。わたしのZINE『今日もできることから』を置いてくださらないかしら、という思いがもちろんあった。

いろいろな本が、少しずつ置いてある本屋。決して広くはないスペースに、こだわりがつまった本が所狭しと並ぶ。
活版印刷の本、だいぶ昔のデザイン雑誌、あ、私が気になっていた『明朝体の教室』も置いてある。私はあんな本こんな本を次々と手に取って、店内を物色した。環境問題を語る本も多くあり、その中の一冊を購入するためレジへ向かった。

支払いをしながら、恐る恐る切り出した。「あの、こちらではZINEを扱っていらっしゃいますか?」「はい」「個人的に作ったものがあるのですが、見ていただけるのでしょうか」「お持ちになっているのですか?」「はい」
私は『今日もできることから』を手渡した。お店の方は表紙を一瞥し、前書きと目次、最初のエッセイにサラサラと目を通し、「うちの本屋とは合わないと思います」とおっしゃった。まっすぐに私の目を見て。

がっかりした。がっかりしたけど、店員さんの判断に納得もした。
実は店内をうろうろしながら、気になることがあった。「エッセイがないなあ」と。だから、『今日もできることから』が店主こだわりの選書たちと並び、馴染むことは想像できなかった。うーん、これは、難しいかもな、とうすうす感じていたので、「うちの本屋とは合わないと思います」と言われて、「そうですか。分かりました」とすんなり引き下がったのだった。

本屋さんと本の間にも、〝相性〟があるのだな。
ここ昨今は大型書店が次々と消えていく一方で、個性的な本屋さんが増えていると聞く。大阪市内の裏道を歩いていると、飲食店やらパン屋さんやら、多くの個性的なお店に遭遇するので、そのうち「こだわりの本屋」にも出会うかもしれない。
その時のために、『今日もできることから』を常にリュックに忍ばせておくことに決めた。背中側の大型ポケットに入れた『今日もできることから』がアンテナとなり、何かを引き寄せてくれることを願うばかり。

頼むで。

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