何にも覚えてられなくなった人を最後まで笑わせるもの
実家に帰ると平日の何曜日かの夕飯時、両親が必ず「笑点」を観ています。
今のやつじゃなくて大分昔の。
BSでやってて、こぶ平とか楽太郎とかの時代のやつ。(小学生時代からの名残で、呼び捨てがしっくりくる笑
その時に祖母を見ると、高確率でニコニコしています。
何かを覚えてるどころか、話しかけてる内容さえもう理解できない事も多い祖母。
だからこぶ平の「チャンラーン!!」も歌丸のハゲネタも、木久蔵ラーメンのいじりも絶対わかってない。
どうして祖母が笑ってるかというと、
父と母がめっちゃ笑ってるから。
え?そんなに笑う??ってくらい声を出して面白そうにみてる父と母。
そんな二人の様子を見て、祖母もニコニコしています。
今起きたことを今、忘れちゃうようになっても、
自分の名前すら呼ばれても意味わかんなくても。
みんなが楽しそうにしてるのはよくわかって、だから婆さんも一緒に笑っちゃうんだね
そんな祖母の様子を見て、父母も嬉しそう。
もしかしたら、祖母を喜ばせるために大きい声で笑ってるのかもしれません。いやまあ、普通にウケてるようにも見えるな(笑)
覚えていられない、理解できない、ってなっても
「みんなが笑っていることが嬉しい」
っていう機能は、こんなに最後まで残るようになっている
「嫌な感情」「不快への反応」って、意識しなくても最後まで残ります。「不快を感じる機能」はこの肉体を維持するための、動物的な原初の装置だから。
でも「喜び」や「労わり」「愛」の感情ってものすごく高い精神性と関わっていて、人間の1番深いところにあるにも関わらず、いつもすぐに出てくるわけじゃない。それがまた面白い。
だから祖母はおおむね無表情か、ちょっとしかめ面です(笑)
だからこそ、見せてくれる笑顔に本当に嬉しくなります。
祖母が笑うとみんなが喜ぶから、きっと祖母も嬉しいだろうな。またすぐに忘れちゃうけど。
もう色んなことが理解できなくなった祖母。
なんの理由もないところで人が最後に笑顔になるものが「周りのみんなの笑顔」だなんて、
神様は人間をなんて粋に作ったんだろうなあ、と思います。
そして、こんな祖母に高い精神性を働かせて笑顔にしてくれてる家族に、本当に感謝。
あとこの20年前の「笑点」にも(笑)
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理由のないところから湧き上がる感動をくれる音。
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※画像はネットからお借りしました