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ニギスおまえってやつは

2024/9/18-19 竹野・城崎温泉・香住の旅から ①

 帰る日に”せっかくだから香住にも寄ってこ” と独り言を言いながら、冬に一度来て(随分前のことですよ)海鮮屋さんの二階にある食堂で海鮮丼食べて飽き足らずに焼き蟹まで頼んだ というあの香住に寄ってきました。

 今回の旅は大人行動が約3つ。 最後の一つがこの香住で干物セット3千円也 を買ったこと。これ一杯もらっとこか とカニを買うが如く、金沢の近江市場で氷詰めの魚介を買うが如く。仲買人でもないのに発砲スチロールの入れ物を下げて帰るなんで! 大人すぎます、キャーです。しかも鈍行列車の旅なんです。

 お店に入ってまずカニは物色します。9月1日から香住蟹の呼び名で愛されている紅ズワイガニが解禁され今がまさにその時期。数日遅ければ香住カニ祭りまで行われるという旬ですね。 しかし、蟹を食べるのがごっつう下手で一人暮らしの家でカニを調理し殻と格闘しながら食べるのも何だかなぁと見るだけみて手を伸ばさなかった。

 店内をうろうろする。瓶詰のカニみそならいいかもしれない。お高いけれど。熱々ごはんに乗せる以外に食べ方を知らないが。(小料理屋に行けよ! 小料理屋に)”よし、買いだ”
それと。。。 自分の生活で想像しやすいのは干物だな。
泊まったゲストハウスのバーにも朝ごはんにもササガレイの焼いたのはメニュー―にあった。カレイも聞いたことのないのを含めて二種類、イカもアカイカやスルメイカ、アナゴも有名らしい。ああーー 選べない。
と。冷凍ショーケースの周りをグルグル回っているうちに、見つけてしまった。ザ「干物セット」
さっき散々迷っていたモノたちが全部入って3千円だって! 少量多品目は私の生活にピッタリだわ。冷凍庫もスペースカツカツだけど、薄いものばかりだからなんとか入れられそう。

 よしよしよし。カニみそとカニせんべい(これがまた城崎では見かけない蟹含有量高めのもの)をレジに運び、「これと干物セットくださーい」と誠実そうなレジの方に頼んだ。容器ごと開けずにいれば夕方まで冷たいまま持ちますよ と。少々解凍が始まったとて塩干ものだし気にしない。
手提げ袋にもお金を払い、水平に入れられないものだから縦入れにして黄色く目立つ袋をぶら下げて駅まで戻った。そしてそのまま前日から悩んでいた豊岡製の鞄を買うために城崎温泉に戻ったのである。

 イカやカレイは馴染みがあった。だけど唯一こいつとは気が合うのだろうかと案じていたのも入っていた。詰め合わせだからね。
それがトップ画像を飾っているニギスだ。5匹並んでパックされていて大きな目玉が並んでいた。ニギス、ニギス 食べるところあるのかな? シシャモ的な感じかな? 私はホウボウに代表されるような四角形か六角形の魚が怖い。何か挑んでくるようで。だから今回はニギスもセットに含まれていて今私の手によって運ばれていると感じながら帰途についた。

 帰宅後3日目の昨夜、明日の休みのために何か一つ解凍しておこうと、何気なく一番上で目が合ったニギス君たちを手に取り冷蔵庫に移した。
そして今朝、グリルで焼いてみたのだよ。 ご飯はまだ炊けていない。餅入りにゅうめんのお供にすぐにでも味見したくて焼きたてニギス君を一尾だけいっとこか と口にしたら、んまあ美味しい! ほろほろ身が取れはらわたもいい苦さ。頭全部を食べるほど良く焼きはしなかったけれど、塩の塩梅も身の感じも、こりゃあおいしいわ と唸るほど。
折角なら五尾並んだところを写真に収めたかったな。味見してみよで食べ始めたお皿なんてフォトジェニックでも何でもなくて、これ、最後の一尾です。何やかんやで一日で数回に分けていただきましたのだ。

 ニギス、おまえってやつは・・・見かけ以上に人を虜にするよな。





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