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長女です。自分が中年になって感じる現実と思い出のギャップ

Noteの姉妹情報誌(?)のCakesを毎日読んでるんですが、今連載中のスズキナオさんの関西酒場のろのろ日記がめちゃ好きです。この連載はもしかしたらCakesだけで、Noteでは公開されてないのか? そのあたりは良くわからんが、何が好きかって、関西地方の地に足の着いた、というか、リラックスして居心地の良い、そういう飲み場を紹介してくれる連載で、今度帰省したらここ行きたいなぁ、と思う場所であふれているのです。

そのスズキナオさんの、神戸の辺りにある山茶屋についての記事を昨日読みました。例えば新神戸駅の裏手からのハイキングコースを上がっていくとある休憩所、というかお茶屋の(呑み)メニュー、芦屋川からたどり着けるお茶屋さんの写真と(呑み)メニューを拝見して、その前の、京都の嵐山のお茶屋さんの話でも感じたことなんだけど、こういうところに父とハイキングしてその後に立ち寄りたいなあ、と思ったこと。

私の両親はともに健在です。健在だけど、77歳になる父は以前より体力が落ちてしまって、とてもハイキングなんかに行けるような状態ではない。子供の頃からしょっちゅう山(河内長野・奈良県御所市にある金剛山とか)山に行ったり、中学校、高校の頃は夏休みや、秋に山が閉まる前とか、春に山が開く、という頃はよく信州の立山とか北海道の大雪山に行くのが家族旅行だったから、それから20年以上経ったいまでも、父はハイキングに行って帰りにどこかによっておいしいものを食べてお酒を飲むのが好き、と思ってしまう。実際そういうことするのは今でも好きだろうけど、体力的に今は無理になっちゃった、ということ。

私が地元を離れてほぼ30年以上経つ、というのも理由の一つだと思うけど、父の老化を目にする機会というのが、年に一度帰省した時だけ、それも2週間とかに限られるから、私の中で、時間の経過が現実にそっていないんだろうな、と思う。

スズキナオさんの神戸の山茶屋の記事を読んで、真っ先に今度帰省したら行きたい!と思ったとき、思い浮かべたのは私の両親と息子ちゃんとでおでんや卵焼きを食べながら、ビールやチューハイを飲んでる私たち。(主人はあんまり日本来ないから。)それから新神戸駅ならおばあちゃんが今住んでいるところから近いなぁ、とか。でも92歳になるおばあちゃんはハイキングどころではないか。タクシーで来れたら来るかな、なんて。

でも、ハタ。と考えた。お父さん、ハイキングなんて行ける?

高校生の頃、学校の帰りに父の仕事場に寄って、その後夕食兼呑みに何件か付き合わせてもらう、ということをした。私の高校が父の仕事場に近かったからなんだけど、これも長女の特権だったかな、と今なら思う。学校帰りの自転車乗りのうえに制服の高校生とその親父。そして父の職場の人たち。そんなのって今できるのかな。それとも30年前だったからありだったのか。

そんな父と一緒に学校の帰りに食事に行った思い出や、毎年の家族旅行で山に行った思い出ばかりが美化されちゃってか、帰省したらここに呑みに行きたいな、と思うところは何かと父が一緒に行くと喜ぶかな、と思うような場所が多い。実際は父にはきついだろうから一緒に行くことないかな、と思う。その理想と現実のギャップが、遠く離れてるからかもしれないけど、余計強く感じる。



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