見出し画像

お金のことっていつ、どうやって、誰から学ぶの?v.1

もう数年すれば50歳になるというのに、お金の悩みは尽きない。20代半ばで結婚して、その頃は毎月お家賃、食費、光熱費などを支払うと何にも残らないような収入だった。お金の話なんて、両親から、クレジットカードの利子には気を付けなさい、雪だるま式に借金が増えていくから。消費者金融にだけは手を出したらだめ。自殺行為だと思って。というぐらいのことを聞いた、という程度にしか記憶に無い。けれど、20代で、別に海の物でも山の物でもない私らの収入が微々たるもので、毎月生活するのできついなぁ、というのは、そんなもんなのだと思っていた。ここから仕事でいろいろ成し遂げて昇進していけばいいんだ、ぐらいに思っていた。

20代の頃

お給料のいい仕事に就きたければ修士号を取って、専門的な知識を付ければいいんだよ、というアドバイスがいつごろからかまっとうな理屈に聞こえてきて、じゃあこの先どんな仕事をやっていきたいか、なんて考えて都市計画の修士号を取得した。学生ローンを組んで。その2年間、お家賃の安い鳥小屋のように小さいアパートに住んだ。隣に住んでいたのは週末になるとどでかい音量で映画を観ては叫び(どんな映画を観てたか知らんが、家の床が重低音でビリビリ震えていた)、彼女に暴力を振るう男で夫が警察に通報の電話をしていた。でも、修士号を取ってもっと専門的な仕事に就けばお給料もあがって、こんなアパートからはおさらばだ!と思っていたし、2年の辛抱だ、とも思っていた。のであまりうちの家計のことなんて気にしていなかった。

借金してまで買うもの?

この頃に、自転車でいろんなところにサイクリングに行くのが好きな夫が自転車を新調してきた。理由は彼なりのストレス発散の為。仕事のことだの、彼も自分の仕事での価値をあげる為にクラスを受けたりしていて、いろいろあるストレス発散の為にも性能の良い自転車が欲しくなったから、だという。そして性能のいい自転車でサイクリングに行くと、パフォーマンスが良いものだから、気分もスッキリするし嫌なことを忘れられるのだ、というのだ。
  確かに。
  それは私がストレス溜まるとショッピング・セラピーに服を買い出し      に行くのと似たようなものか。
と思ったいた。
その自転車の購入の為に消費者金融からべらぼうな利子でお金を借りていた、と知るまでは。

その自転車が$3,000(約30万円ですかね)もして、それをすべて消費者金融から借りたお金で賄った、と知って、怒りとか卒倒とかを通り過ぎて、今この場で荷物まとめて出てってほうがいいかな、と真剣に考えた。思いとどまった理由として、次の日提出の課題はあるし、ここでホテルなんかに私が泊まったらさらに出費が。。。とか考えたからだと思う。

この件は私たちが夫婦としてお金の出入りについて話し合う切り口になった。

お金と感情と

なんていうと行動力あるような聞こえ方するかもしれないが、初めの私らのお金に対する話し合いはぎくしゃくしまくり、非常に感情的で、言いたいことすらうまく言えない、お互いを責めずに、けれどやめて欲しいことは伝えるというのはなんて技術のいることかしら、というか達観してないとできないのでは?!と思ったのを覚えている。だって相手を責めるのは良くないって頭でわかっていても、他人の責任にするほうが気持ち的にず~~~と楽。あんたが悪いの、なんで自覚できないの? その辺、私が理解できないわ! とか言うのね。 

あ~~~ 私傲慢。

その山を越えて、お互いの浪費癖についてはもう少しオープンに話せるようにはなった。けれどこれは私の感じたことだけど、お互い口を出されたくない支出先、というのがある。新しい洋服を買った、だとか、ちょっとお値段の張る化粧品を買いました、とかね。そういった出費を批判されるのが嫌だから、都合のいいお互いをごまかせる言い訳がはびこっていったと思う。

オフィスに行くのに靴がちょっと素敵だってだけで気分が上がるのよ。
ちょっとおしゃれなコーヒーショップで時間を過ごすと、自分が有意義な時間を過ごしてると思えるよ。
私は人に会って話をするのが好きだから、交際費がちょっと今月は大目にでちゃった。

等々

そんな言い訳でもゆってると自分の行動正当化できるのだ。第一正当化していないと相手からの批判に対応しないといけないし、自分の「天使」の声が、あんた、しょうもないことに金使って無駄にしてんじゃないよ、というのに向き合わなければならない。それなら現実逃避で言い訳を考えてるほうがその場しのぎで楽だったのだ。

そして30代

そんな20代を過ごし、30代になり都市計画の仕事に就いた。それも地方公務員。職場の人の中には不動産投資だとか退職後の為の投資に詳しい人がたくさんいて、カリフォルニア州の公務員対象に行われている退職後の投資を始めるきっかけになった。なったけど内容なんて全く理解していなくて、税金の対象額が少なくなるし、利子が足された金額に金利が当てらるから長期で見れば累乗でお金が増えるのだ、とか言われて始めた。累乗でお金が増えるって言うのも大学の数学でなんかやったかな?というようなもんだった。

同じ仕事場に10年ほどいて、そのおかげでお給料は徐々に上がっていった。その間に夫はお給料をもらう仕事を辞めて、自分でコンサルタントを始めていた。それでもずっと私たちの銀行の講座は別々で、お家賃、食費、光熱費などの生活費を払った後は、好きなように使っていたと思う。

余談だけど、アメリカ人と結婚してグリーンカードを取得するために、弁護士さんから夫婦の共有銀行口座を作るのはいいことですよ。お互いにまっとうに結婚してる、という証拠とみなされますから。と伺い、共有口座もあった。確か口座を開ける為に$300ぐらい入れて、その後10年ぐらい口座の額が増えることも減ることもなかった。

私にしてみれば、共有口座にお給料を振り込んだとして、金遣いの荒い夫が私の稼ぎまで使っちゃったらムカつくし、そんなことがあれば反動で私も我慢してたものいろいろ買っちゃうよ!と思っていた。要するに、結婚して10年とか経っていても夫のお金の使い方を信用していなかったし、それを持ちだしてじっくり話し合いをする度胸もなかったのだ。

そして36歳で妊娠と出産。

そしたらまたお金のことが重くのしかかってきた。

産休を6か月取ることにしたので、その間の私のお給料がガクンと減ってしまうのだ。そこへ来て人が1人増えてしまった。彼なりに自分のビジネスのお金周りを整えようと思っていた夫は、息子が約2か月も早産だったせいで予定が狂い、それがストレスとなって体調を崩した。

と、ここまで書いてみて、うわっ 長っ! でもまだまだ今の状態にたどり着くまでまだ書きたいことあるのよね。

みんないつお金のこと学ぶの?

ここまでの生活ぶりを振り返って改めて思うのは、お金には常に感情が付きまとってくる。お金についての本だの記事だの、ブログだの読むと、みんな、お金に良し悪しはないんですよ。それを決めるのあなたです。なんて言う。

確かにそうだと思う。けれどお金をどう使ったということに対する良し悪しの感情だの、お金の話をするのが苦手、苦しい、話しづらいから遠回しな話し方になってしまって何が言いたかったのか自分でもわからんような状態に陥ってしまう、とか、まずお金について平常心を持って向き合えないって状態は一体どこから来るのか?!?!?それを肯定してくれるお話になかなか出会わない。

そうなのよ、お金ってホント感情的なのよ、だからこそこういう風に向き合っていきましょう、まっとうな方向で、と教えてくれる情報源というのにな~かなか出会えないのだ。

そんなんだからいくらお給料が上がってもなかなか目標貯金額に達成できないし、それどころかコロナが始まったころ夫が仕事を辞めて以来どんどん減っていく貯金高を見てはイライラしている。2年経った今は貯金はあきらめた、というのが正直なところ。そして日本酒バーをやりたいから貯金するぞ!などと思っていた私が恨めしそうに夫を横目でにらんでいるのだ。

お金と健康的な関係を築くためには何をどうするべきなのか。自分が親になってみて思うが、両親や学校の先生からは算数のやり方だとか、漢字の意味、お料理の手順なんかを学んだし、本棚を買うと組み立てかたの説明書はついてくるが、銀行口座を開けたからといって、貯金の仕方投資の仕方、なんて授業はついてこない。私はお金との健康的なお付き合いを息子に教えられるか? 教えれない。 だって知らないから。

他の人はいつ、どうやって誰からそんなことを教わっているんだろうか。


いいなと思ったら応援しよう!