![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/171072887/rectangle_large_type_2_b143fe360a06f65bfedf80dead1d5dd0.jpeg?width=1200)
【朗報】【ネタバレなしのつもりで書いたが見る人がみればわかります】日本円を払うだけで劇場版『機動戦士ガンダム GQuuuuuuX Beginning』を見ることができる
※ネタバレなしのつもりで書いたが見る人がみればわかります
![](https://assets.st-note.com/img/1737480598-X9CbxyBTPa4n7d8ZwgHA3U20.jpg)
2025/1/16(土)、スタジオカラーとサンライズがお届けする新たな #ガンダム シリーズ 劇場版『機動戦士機動戦士ガンダム GQuuuuuuX Beginning』を見ました。
ガンダムなんっも知らん、ほぼミリしらで行ったけど、とにかく最高だったので見られる環境にいる人は全員スマホを置いて劇場で見てくれ、選べるならドルビーやIMAXを選んでくれ、とにかく「ネタバレ」を踏む前に、公式すら絶対に見ずに、劇場に走っていって見てくれ。会議は病欠して、家族や友人にはなんか上手く誤魔化して、出張中であれば出張先で見てくれ
ハアハア
そんな私が、"いずれテレビで放送される予定の新ガンダム作品の映画劇場上映版"を見に行った理由は、金曜の夜、友人に「ガンダムを見たガンダムはいいぞ今すぐ見に行けいいか何も見るなそして今すぐにだ」と言われたからです。ガンダムを見た友人は発狂しまくっていどこかに行ってしまいました。そして、そのメッセージには、これが貼ってありました。
![](https://assets.st-note.com/img/1737475429-rulwFzyK4xOqGpLTfnmCYdiD.jpg?width=1200)
「ちさこに殴られるのは嫌だからなあ」と思い、その日21:20開始の品川IMAXのチケットを予約しました。道中、大崎の大崎ホワイトビジネススクールに灯りが灯っているのを見て「土曜の夜にお疲れ様です…」と呑気に思っていました。劇場に入ると、何にも言ってないのに「ガンダムの方はこちらです〜」と案内されました。なんでやねん。そして見た結果、宇宙の彼方までぶっ飛ばされたのです。
『機動戦士ガンダム』は富野由悠季監督による、1979年から放映された日本サンライズ制作のロボットアニメ。そこから様々な派生が生まれ、2025年現在、80もの作品が作られています。
私は『ガンダム』を『水星の魔女』(2022年)しか見ていない、いわゆる『クソニワカ』です。"昔の富野監督が作ったやつは、アムロ(親にもぶたれたことがないのに!)とシャア(赤い彗星)という人がいて、その二人は対立している。シャアは'シャア専用'というモビルスーツ(ロボットとは呼ばない)に乗っている"という情報しか、知りません。レイトショーで行ったために売店も閉まっていて、パンフレットすら買えていません。
それでも、
劇場版『機動戦士ガンダム GQuuuuuuX Beginning Beginning』は頭がぶっ飛ぶほどに面白かった。
ジークアクス見ました。 pic.twitter.com/TlmM8pcyBV
— 元ゴリラ (@isonozexal) January 19, 2025
「ガンダムを見た人が『ガンダムを見ろ』しか言わなくなった。10年前にガルパンを見たガルパンおじさんが『ガルパンはいいぞ』しか言わなくなったみたいだ」
というツイートをみかけた。
私も完全にそうなった。ガンダムの映画を見に行ったらガンダムがほんとに始まって、ガンダムが戦う様子に心の底から感動した。そして人が描いた画/デジタル画/映像が、"サウンド"にシンクロするようにグルーヴ感があるものであることに本当に高揚した。「アニメ映画鑑賞」というよりも、81分の「オーディオビジュアル作品」を体験させられた高揚感を伴う体験だった。
■ネタバレはしません。つもりが、ネタバレなしのつもりで書いたが見る人がみればわかります
このnoteではネタバレはしません。でネタバレなしのつもりで書いたが見る人がみればわかります。いつかこれを見る人が、未来のことであっても、何の先入観もなくこの作品を見て、そして新鮮に「驚愕」してほしいからです。ただ、TV版おそらく3話を「劇場版のために編集」してあるため、この映画が「前半」と「後半」に分かれていることには言及します。
■前半 昭和パート
まずは前半です。開始3秒で、私は「これ見たことあるな」と既視感を感じました。その既視感は、次第に「令和にこれをやるのか」そして「令和でしかこれは出来ない」で、開いた口が閉じなくて物理的に手で口を押さえました。前半は、昭和のセル画調でした。輪郭の線がくっきりとしたボールドの、「セル画でございます」という顔をした、デジタルの作画。まるで、逆オーパーツを見ているようでした。
令和にはもう作られないセル画風の「ガンダム」が、眼の前にあるIMAXで流れているのです。カット割りも非常に印象的で、一例には戦闘シーンが顔ドーン→モビルスーツのパーツドーン→顔ドーン→モビルスーツのパーツドーン(以下繰り返し)です。平成以降のカット割りではなくて、まるで黒澤明や小津安二郎のような、”昭和時代のカット割り”をやっていました。さらにそれを、昭和風のボールドな線画で描いた精巧なデジタル画でやるのです。脳が完全に混乱します。音楽も、過去のガンダムのクラシックな劇伴が使われています。ムード的には完全に「昭和」のアニメ作品です。完全に「令和」の手法で作られていますが。
その中には、45年の歴史にわたるガンダムから、たくさんのネタが散りばめられています。もともとのガンダムを知らない私にはそれはノイズになりませんでしたが、もとのガンダムを知り尽くしている方にとってはそれがさらなる脳の混乱を引き起こしてしまうようです。ここの部分の脚本を考案し、担当したのが、カラーの庵野秀明監督です。もともとは「これだけで映画一本が作れてしまう」ほどの量だったそうです。
あらゆるこれらの混乱は、悪い混乱ではありません。絶世の美女に誘われて、見たことがあるけれど決定的に見たことがないという異空間を、わけもわからず旅をして、精神的に高揚しているような気分です。謎に満ちた美女ほど興味をそそるものはありません。鑑賞者は全員、この謎について強制的に脳を支配され、見た後もひたすらに考え、「答えを求めて」思索にふけってしまうのです。
そして、絶対にもう一度、劇場で見たい、体験したいと思います。これじゃん
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/171078325/picture_pc_80ede00a0772880d6c0a6921114699c8.gif)
■後半 令和パート
後半は、時代が令和、2025年に移ります。令和ではアニメ制作はセルではなくデジタルに移行していますので、ひねりがなくとても素直でポップなデジタル調になります。
令和パートで印象的だったことがいくつかあります。
・紋切り型と現代風の作画のミックス
昭和編でも込められていたオマージュが、令和版にも詰め込まれています。「ガンダム」の名を冠した、「ガイナックス」「カラー」を始めとした様々な作品のコンピレーション・アルバムのようです。電車の改札で高校生美少女同士がぶつかりあった時には星が飛びます。主人公とその母が食事をするシーンでは彼女たちの顔ではなく、足元が固定カメラで映し出されます。イケメンから声をかけられた女子主人公は、わかりやすく顔を赤らめます。主人公はまるで「セーラームーン」のように変身します。仲間たちは「ナディア」。そうした、アニメの「紋切り型」の表現と、高精細で高彩度の色の洪水が溢れるドラッギーな映像が代わる代わる入ってきます。そしてそれらの映像には、ジャンル: テクノ/ハウスがBGMとは思えないほどの爆音が付けられています。
もはや、とても良く出来たミュージック・ビデオです。サイケデリックな映像に、ロックでもヒップホップでもなく、テクノ/ハウスと言う電子音楽が付けられている。四つ打ちでが鳴り響いている。非常に優秀なDJと、非常に優秀なVJが、画にシンクロしたミックスをかけています。もはやレイブです。これが、この作品を「オーディオ・ビジュアル作品である」と言った理由です。
文脈に依存しない、映像と音楽のシンクロだけで「作品」として成立するような映画です。
監督の鶴巻和哉氏が手掛けた「フリクリ」は、全部を見ていませんが、冒頭で「あまりにも映像と音のシンクロ、エモーションの入れ方」が濃厚で、むせかえるような色気が立ち込める作品でした。鶴巻監督は、まあかなり情緒をめちゃくちゃにされましたが、これでも「全然手加減しています」。誰もが見やすく、分かりやすいように配慮してくれています。フリクリは原液です。このガンダムは、水で薄められ氷を入れてストローを挿したカルピスです。ですので、誰にでも、とても飲みやすくなっています。
■見る方法:映画館に行って日本円を払う
さて。そんなにすごい作品は、どこに行けば見れるのでしょうか。貴方が日本に住んでいるなら、お金を払うだけでこれを見ることが出来ます。日本語話者であれば、登場人物が何を言っているのかも理解が出来ます。貴方がこれを見られる環境に居るのなら、「絶対に」何も見ずに劇場に足を運んで下さい。そして見て下さい。選べるのならIMAXにして下さい。ミリしらの人にとっても、これは誰にでも凄いことが開始から秒で分かります。ガンダムを見たことが無くても、絶対に分かります。これは凄いです。絶対になるべく大きなスクリーンで見るべきです。私は夢女になったし、四つ打ちを聞くだけで胸が高鳴るようになりました。
貴方がこれを見られるのであれば絶対に見て下さい。日本があって良かったし、日本に居ることを心から感謝します。世界の全てが美しく見えます。クレジットには、Yohsuke Chiaiら、モーショングラフィックス界のクリエイターがたくさん居ました。勝手に日本のモーショングラフィックス界を応援してきた者として、心の底から誇らしい気落ちになりました。
このクレジットに載るためなら私は何をしても良い、何でもやりますやらせて下さい、そんな作品を見せて頂きました。日本ありがとう日本最高。ていうか地球、太陽系、銀河系、宇宙、存在してくれてありがとう。世界の全てが輝いて見えるようになり、「ガンダムを作るためにこの世界は存在しているのではないか」とまで思い詰めるようになります。見たあとは絶対に、誰かとこの話をしたくなります。
ネタバレ???ははは、そんなものあるわけが pic.twitter.com/DIfhGbbclh
— 齋藤あきこ (@akiko_saito) January 18, 2025
ネタバレ。
ネタバレね。ネタバレに関しては、すんげえのがあったわ。それを避けるために、本気でスマホをいますぐ閉じて、何も見ずに劇場に足を運んで下さい。ガンダムを見たことが無くても全く問題無いです何故なら全てが最高だからです。絶対に何も見ないで下さい。アホのネットニュース、いや公式までもがネタバレしてます。ネタバレをするな!!!!絶対に踏まないでそして観て!!!!!
■ニワカでも叫んで良い
これは昨日のことです。口を開けば「ガンダム」と叫ぶbotになっていた私は、知人に向かって、気軽に「ガ」「ン」「ダ」「ム」という四文字を発語しました。すると、その知人は、「ニワカが #ガンダム を語るなガチの方が嫌な気持ちになるかもしれない、その可能性を慎重に考えて行動をしろ、お前はいつも配慮に欠ける」と叱責し続けてきたのです。
ニワカが「面白い」と思った作品を「面白い」というのはNGなのでしょうか?
何作品を鑑賞し、どこまでを覚えてから「ガンダム」について、発言されることが許されるのでしょうか?検定や、TOEICのように「◯◯点からヨシ!」という基準があるのでしょうか。不勉強なもので、教えて頂けるとありがたいです。
「もうとにかく全てを捨ててガンダムを見ろbot」になった私に、この作品を作ってくださった制作者の方々、まあ創造主なのでゴッドです。ゴッドの方たちが、口を揃えて「楽しんで頂けたなら幸いです」とおっしゃるのです。こっちはもう気が狂っているのに「楽しんで」?!??!?!??!!??楽しむどころではなく、人生が変わるような映画です。作品です。日本のアニメ表現は、この高みまで、行けます。それを理解させてくれたのが、 劇場版『機動戦士Gundam GquuuuuuX Beginning』なんです。
知人から怒られて、私は一度このnoteで絶叫するのを、やめようと思いました。「ニワカ」が「配慮」をするためです。
でも、それはおそらく間違っています。私が文字を叩きつけたら、もしかしたら、作ってくれた方が「ああ、すごいと思われているのだな」と思ってくれるかもしれないし、見た方が「やっぱりすごいんだ」と思ってくれるかもしれないし、まだ見ていない方が「そんなにすごいなら見てみよう」と思う可能性があるからです。私が叫んだSNS投稿に、こんな返事をくれた方もいて泣きました。
![](https://assets.st-note.com/img/1737483802-iV12CqGlYE5Q7cdLPtpJhHAa.jpg?width=1200)
素晴らしいものを見たら「すんばらしかった!!!」と叫ぶべきです。書いて置いておけば、いつか誰かが見つけてくれるかもしれない。共感してくれる人がいるかもしれない。
これが私の「配慮」です。