子供の頃のはなし (2) 中学受験と学校以外の居場所について
もう応募期間を過ぎてしまったけど「#8月31日の夜に」にも繋がる内容かな、と思うので、今学校行きたくないな…と思っている子供たちに届けばいいなと思う。
きっと悩んでいる子達の中には中学生や高校生も多いと思うが、私の体験談は小学生の頃のものなので参考にならなかったらごめんなさい。
でも何かの「気付き」につながったら嬉しい。
「没頭できるもの」と「学校以外の居場所」を持ちましょう、というはなし
私は小学生5~6年生の頃、ちょっとしたイジメを受けた経験がある。
でもドラマや漫画のような壮絶なものではないし、きっと現在進行形でつらい思いをしている人たちとは比べたら、とても軽いものだ。
いじめの内容や原因はなんだかぼんやりと思い出せない部分も多いのだが、クラスのボス的な女子グループ(おませな子が多く所属していた)の気に障ることを私が言ったかしたか、という非常にくだらないことだったと思う。
母親に「クラスに嫌な女の子がいる」と一度だけ訴えたこともある。
手のかからない良い子だった私(良い子を演じていただけで良い子なわけではなかったのだけど)が急にそんなことを言ってきたので母もびっくりして担任の先生に電話したりしたようだったけど、別に率先して解決してくれるわけでもなく、学校を休むことを認めてくれるわけでもなかった。
そんな私が考えたことは「あのボス女子たちと同じ中学に行きたくない」ということだった。
嫌いな子たちと同じ環境に閉じ込められることに耐えられなかった。
そこで、中学受験のための進学塾に通って、中学受験をすることにした。
「憧れの学校に行きたい」とかそういう前向きな理由ではなく、「地元の公立中学に行きたくない」というちょっと後ろ向きな理由が私らしいな、と思う。
正直、受験勉強は大変で、それなりの偏差値の学校に合格しようと思うとそれなりの学力が必要なわけで、泣きながら課題をこなした夜も数知れず。
自分より成績のいい子は山のようにいた。上には上がいることを知る。
でもそこには思わぬ副産物があったのだ。
「学校以外の居場所」だ。
塾が私の「学校以外の居場所」になってくれた。違う小学校に通っている気の合うお友達がたくさんできたからだ。
お金を出して勉強しに来ている場所なので、みんな目的は「志望校合格」なわけで、誰かをいじめたりしている暇なんかない。そんな暇あったら勉強しろ!なので、関係は非常にライトでフラットで快適だった。
休憩時間に他愛もないおしゃべりをするだけだったが、週に何度も顔を合わせているので気心も知れていてリラックスできた。
学校で嫌なことがあっても塾の友達に会えるだけで嬉しかった。
学校で過ごす時間の方が長かったが、私の中で日増しに「塾>学校」のように、塾の比重が大きくなって、ボス女子たちのことはほとんど気にならなくなった。
受験が終わり、私は第二志望の中学へ進学した。
ボス女子たちとは縁が切れたので、ほっとした。
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私の体験談で長話をしてしまったが、要するに、「没頭できるもの」と「学校以外の居場所」を持ちましょう、というはなしだ。
私の中で「没頭できるもの」が中学受験のための勉強で、「学校以外の居場所」が塾だった。
嫌なことを忘れることが出来るくらい真剣に向き合うものがあると、精神的に楽になれる。時間が経つのも早く感じられる。
できれば、好きなもの、得意なものが良い。楽しく続けられるものが良い。
それと、「学校以外の居場所」を持ちましょう。
これ本当に重要。学校に行きたくないくらい嫌なのに、家と学校の往復だけだときつい。
習い事でもいいし、サッカーチームでもいいし、地域の将棋クラブでもいいし、図書館でもいいし、ダンスサークルでもいいし、学校終ったら自分ひとりで行ける場所。
自分が楽しめて、そこでついでにお友達も作れたらいい。出来れば信頼できる大人と交流できる場所だともっといいかも。
学校以外の人間関係を構築出来ると、自分が小さな世界にこだわりすぎていたことにも気づけるだろう。
学校での嫌なことを根本的に解決できない場合、外の世界を持つことで学校の比重を小さくしよう。
楽しい時間をたくさん持つことで嫌な時間の比重を小さくしよう。
学校という狭い世界の中で拒絶されると絶望で押しつぶされそうになるかもしれないけど、世界は広いので、必ずあなたを受け入れてくれる場所、人たちがいる。
そこがダメだったら次の場所へ。そのまた次の場所へ。
逃げるは恥だが役に立つんだね。
少しでも笑顔の時間が増えますように。