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女であること/On being a woman

デンマークに来てから、普段の会話の中で夫が
「人間なんだけど、何にでもなれるとしたら、何に生まれ変わりたい?」
と聞いた。

うーーーーん、と考えて、私から出てきた答えは

「男になりたい。
筋肉が沢山あって、
一人で旅して、野宿して、
裸になりたかったら裸になって、海に飛び込んで。
日焼けを気にせず、日に肌を焼いて、
ひげを生やして、立ちションしたい。」

だった。

なぜかそれを話しながら涙が沢山出てきて止まらなかった。

「男」を羨ましいと思っていること、
「女」であることを不利に感じていること。
今まで気づいていなかった、いや気づいていたけど気づかない振りをしてた感情に気づいてしまったのだ。

『そうしたいなら、したらいいじゃん』と言われても、私にはできない。
だって、「女」だから。
私の中で、私の物理的な外面なのであれば、「こうありたい」というものがあって、どうしてもブレーキが掛かってしまう。
そのブレーキをかけるものは、「女」ならこうあるべき、という刷り込まれた価値観と、その価値観で形作られる世界だ。

女の人でも、筋肉をつけて、日に焼けて、カッコ良い人は、いる。
でも私はそうなりたいわけでは無いのだ。

この会話をした時、私は妊娠中で、
大きなお腹をかかえて、腰や恥骨の痛みなど様々なマイナートラブルがあり、
「どうして女ばかりこんな目にあうのだろう」
なんて考えてた。

そんな私にとって、出産は「女」しかできないことで、
とても幸運なことにその体験をできること、それが私の「女であること」の嫌な気持ちを変えるきっかけになればいいなと思っていた。

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