年下の男の子 1
真人(まさと)は私よりも2歳年下。
私が中3の時にバスケットボール部に新人として入部してきた。
黙ってるときは一見怖そうな顔つきなんだけど笑うと途端に可愛く見える
不思議な男子。
私は部活の皆が大好きだったから
男女先輩後輩関係なくいつも仲良くやってきたつもり。
そして恋愛対象も、各学年に1人づつ
特別な彼氏(笑)がいた。
2歳下の学年では、それが、真人。
真人と私が特別な関係になるには
あまり時間がかからなかった。
特別な関係といっても、エッチなど
そんなイケナイ関係ではなく、
純愛。真実の純愛。
手が触れただけでキュンとなるような
小さな恋の物語。
授業中何となく窓から、体育館を見下ろすと…
体育館の外で真人がコチラを見ていた。体育の授業中のようだ。
私が見てると気がつくと、真人は
こちらに、手を振ってきた。
私はあっ…と思ったけど、
小さく手を振り返した。
真人は自分の出番がくると
体育館の中に入っていって、
終わるとまた…出できた(笑)
そんなふうにして、何度繰り返したか…
カワイイな〜って思った。。。
午前中の休み時間になると、
私は1階の保険室に行く。
衛生委員をやっていて
朝のうちに、クラスの体調管理表に
皆んなの健康状態をチェックして
その用紙を保健室に持っていくためだ。
その、保健室の前は少し広くなっていて人が集っている。
私が1階にいくと、真人たちバスケの後輩が横並びに立っている(笑)
そして、誰ともなく、
あゆちゃん…おはよう!と
言ってくる。
最後に真人が
あゆちゃんおはよう…
と照れくさそうに。
私も…真人おはよう〜と
照れながら…。
お昼になると
3階まで、真人がやってくる(笑)
給食当番さんのお手伝いで、
食器を運んでくるの。(笑)
誰かに頼まれた訳でもないだろうに
わざわざ3年の食器を持って…
私のクラスまで運んでくる。
そうして、私を見ながら
黙って降りてゆく〜
週に一度全校清掃の時間があり
校庭の草取りなどがある。
真人は、私の所にやってきて
一緒に草取り〜
あの時は、一体どんな話をしながら
草取りをしてたのかな〜?
ある掃除のときに、今日は真人が
こないね…なんて友達と話をしてたら
ずっと向こうの方から走って来るのが見えた。あ、来たね!と友達たちは
どこかに行ってしまい…
まさとは、
これ……と、いいながら
私に小さなお花をくれた。
あっちにね、咲いてたんだ…
それは、道端によく咲いてるお花。
だけど、特別ななお花。
ありがとう〜真人…
と言って受け取り
胸がキュンとした。
真人は運動神経も抜群で、
1年だったけど
部活では試合にもよく出た。
試合中に監督が
次…真人、準備しとけ…と
お声がかかると…
ジャージをぬぎ…私に渡してくる。