ライブは愛とエネルギーにあふれた空間!築島モトム「The 365 Street ワンマンライブ」レポ
こんにちは!伊勢亜希子です。
今日お届けするのはライブレポ。ライブハウスを拠点に活動するミュージシャン・築島モトムさんが1月21日に開催した「The 365 Street」ワンマンライブの様子をご紹介します。
アコースティックギター1本でステージに立つモトムさんは、平日はなんと学童保育の先生。
その傍らで10年以上もワンマンライブを続けたり、時には365日連続のストリートライブに励むなど二足のわらじミュージシャンとしてキャリアを積んでいます。
メディアには映らなくても、すばらしい曲を届けているミュージシャンの姿を一人でも多くの方に知って頂けたら嬉しいです。
1月21日。少し肌寒い日曜日の昼時。
会場となったライブハウス秋葉原GoodManには100人以上のファンがかけつけました。
昔からずっと通い続ける人、コロナ禍が落ち着き数年ぶりに足を運べるようになった人、友達と一緒に初めて遊びに来た人、色々な人が楽しんでライブに参加できるように、開演前からモトムさん自らステージに立ち、自己紹介やMCで会場の空気を温めていました。
5年前にモトムさんと知り合ってから、ほとんどすべてのライブに通って熱い視線を送っている私にとっても、毎回とても大好きな時間です。
ライブ開始の12時になると、和やかなMCとは打って変わって真剣なアーティストの表情に。
そして始まる1曲目。アコースティックギターの音色と、モトムさんの温かくも力強い歌声に引き込まれ、自然と広がる手拍子。
2曲目、3曲目とライブが進む中で会場の空気がモトムさん色に染まり一体感が出ていくのを肌で感じるのが印象的でした。
バラード調の曲も、明るくアップテンポな曲も、往年のアイドルのカバー曲も、曲ごとに表情を変えて私たちに届けてくれます。
大切な同僚に向けて書いた曲、友人との会話から生まれた曲、昔の冴えなかった自分に届けたい曲…どれもモトムさんが作った時の思い出が詰まっていて、歌う前にオーディエンスに向けて語ってくれるから自然と感情移入できるのです。
上演前に自己紹介から始まるMC、1曲ごとの丁寧な曲紹介。
よくあるミュージシャンのライブとは一味違う景色ではないでしょうか。
ライブ開始直後に2、3曲演奏してから「盛り上がってますか~!」と会場を煽るのは確かにかっこいい。けれどもあえてそうしない所に“たくさんの人に届けたい”という気持ちが表れているのです。
「僕のことを知らない人もライブの空気感に溶け込めるように、丁寧にわかりやすく伝えることを大事にしたい」
ライブの構成について、モトムさんは普段からこう語っています。
音の上で思い切り表現しながらも、聴き手に寄り添う姿勢。このバランスがモトムさんの歌の魅力を高めて、私たちの心に響かせているのだと感じます。
アコースティック6曲の第一部が終わり、休憩をはさんで始まった第二部。
第二部の幕開けは、バンドセッションから。この日のために集まったバンドセッションは、ライブ最大の目玉と言っても過言ではありません。
フロントマンでギターボーカルのモトムさん。ベースは人生で初めてバンドを組んだという石井勇人さん。ドラムは、視覚障害のハンデを持ちながら演奏活動を続ける佐藤翔さん。40代から20代まで、世代もキャラクターも多様性にあふれたスペシャルバンドでした!
「2億4千万の瞳」など大人の心に刺さるカバー曲2曲とオリジナル曲1曲、3曲の熱い演奏で会場は大盛り上がり。エレキでオリジナル曲を披露するという、以前からのモトムさんの夢が実現したステージということもあり演者もオーディエンスもエネルギーに満ちていました。
ダイナミックなドラムと安定感のあるリズムが気持ちいいベース、第一部とは少し印象の違う男らしいボーカルが混じり合うバンドに一瞬で視線も心も「持っていかれた」感覚を今でもはっきりと覚えています。
バンドセッションが終わった後はアコースティックギターに持ち替え、ライブはいよいよ後半に。メッセージを込めたバラードやアップテンポな曲調の歌をじっくりと聴かせてくれました。
もっと聴いていたい。終わってほしくない。ラストナンバーが近づくたびに強まるこの気持ち。他の人もそうだったのでしょう、別れを惜しむ空気が会場全体から伝わってきました。
最後の曲が終わった後は、感動の拍手が自然とアンコールを求めるものに。
ここでモトムさんからサプライズ!なんと前の日の夜にできたばかりの新曲をその場で披露してくれました。
思いがけない新曲に、次のライブへの期待も高まります。
アンコールの1曲でライブは本当におしまい。みんなで記念撮影をして、「The 365 Street」ワンマンライブは幕を閉じました。
ライブに行くたびに思うのは、この空間はエネルギーの交換の場所だということ。
自分の表現と目の前のオーディエンスを愛するミュージシャンと、それに応える聴き手側と。
終わった後の笑顔が何よりの証です。