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中華AI:DeepSeek開発者、個人でChatGPT o1級AIを実現!

今話題沸騰のDeepSeekについてNoteを書いていましたが、詳しい開発の経緯が下記のポストなどでわかってきたので、解説していきたいと思います。
なお、下記のDeepSeekについての解説Noteも合わせてご覧ください。


DeepSeekの開発費用とHigh-Flyerの軌跡

「開発費は6百万ドル」の噂は本当?

最近、SNSで「DeepSeekはわずか6百万ドル(約8億円)で開発された」という噂が拡散しております。中には、「NVIDIAの高額GPUを大量に購入しなくてもAIは作れる」という声もあるようです。

しかし実際には、DeepSeekがNVIDIA H100を5万台保有しているとの話が出ており、もしこれが事実であれば、ハードウェアだけで数百億〜数千億円はかかると推定されます。H100は1枚あたり数千〜数万ドルとも言われており、5万台という数量を考えると、簡単に「8億円で開発した」とは言いがたいのが現実です。
つまり、「6百万ドルで超大規模AIモデルを開発した」という説は、実態を反映していない可能性が高いと言えます。考えられる可能性としては、以下のようなケースが挙げられます。

  • 「6百万ドル」はGPUを除く開発費や人件費のみを指している

  • 誤報や誇張が混在し、SNS上でひとり歩きしている

  • 既に保有していたGPUや中古GPUの流用によって、「追加投資」が大きくなかったと表現したかっただけ

いずれにせよ、「DeepSeekは安価で開発されたAI」というイメージは、現時点ではかなり誤解を招くのではないかと考えられます。


クオンツファンド「High-Flyer(幻方量化)」と量文峰

DeepSeekの創業者である量文峰(Liang Wenfeng)氏は、中国の巨大クオンツヘッジファンド「High-Flyer Quant(幻方量化)」の共同創業者として知られています。
このファンドは2016年に10億元(約160億円)だった運用資産を、わずか4年で100億元超(約1600億円超)にまで増やしたとされ、並外れた運用成績を誇っていました。
そんな優秀なトレーダーやエンジニアが集まる集団が、クオンツのノウハウをそのままAI開発に転用したのであれば、短期間で大きな成果を上げても不思議はないでしょう。

金融規制強化とAIシフト

ここ数年、中国政府は金融業界の高額報酬に対して規制を強めており、銀行家やトレーダーの給与やボーナスが抑制されています。
そうした流れの中で、優秀な人材がAI分野に移行しているとの指摘があり、量文峰氏もこの規制強化のタイミングでヘッジファンドから離れ、AI開発にフォーカスした可能性があると言われています。

GPUの先行確保

High-Flyerはクオンツの運用利益を再投資し、米国が輸出規制を強化する前に大量のNVIDIA GPUを購入していたようです。
H100を5万台保有しているという話が本当であれば、通常の企業では考えられない大規模設備投資となります。これこそ、先見の明と強大な資金力があったからこそ可能だったのでしょう。


DeepSeekの衝撃:本当に「ChatGPTを脅かす」存在?

DeepSeekが「欧米の大手AI企業に匹敵する性能を発揮している」というニュースは、世界の投資家やエンジニアに大きな衝撃を与えました。
ただし、「H100を5万台所有している」という情報の段階で、もはや小規模のリソースではありません。むしろ莫大な投資を受けた新興勢力と見るほうが自然でしょう。

少人数・高効率な開発

クオンツ畑のエンジニアや研究者は、少数でも高い成果を出すノウハウを持っています。そのため、AIモデルの大規模学習においても、効率化に優れたアプローチを実践できているのではないかという点が注目されています。

アメリカ vs. 中国のAI競争

OpenAIやGoogleなどは数千億〜数兆円規模の投資でモデルを拡大しているのに対し、中国のDeepSeekは独自の豊富な資金源と大量のGPUを背景に台頭している構図です。今後も世界規模でのAI競争が一層激化することが予想されます。


AI開発の新たな地殻変動

  • 「開発費8億円」は誇張の可能性
    DeepSeekは実際には数万台の高額GPUを保有していると言われており、SNSで流布している「6百万ドルで全てを賄った」という説は、何らかの誤解や過度な簡略化を含んでいる可能性が高いです。

  • クオンツの成功がAIを加速
    High-Flyer Quantで得た利益と既存のGPUインフラを活かし、DeepSeekが短期間で台頭したというのが現実的なストーリーと考えられます。

  • 米中AI競争の行方
    アメリカはスターゲイトプロジェクトなど大規模投資を進め、中国もDeepSeekのような企業が台頭。今後は資金力だけでなく、効率的なアルゴリズムとハードウェアの確保が大きな焦点となりそうです。

総合的に見れば、DeepSeekは「クオンツ×AI」の強力な組み合わせで成功したケースとして注目を集めています。AI業界は今まさに各国や多種多様な企業がしのぎを削る段階にあり、今後も世界規模での競争はさらに激化していくでしょう。

AI市場に訪れる“デフレ”の兆し

DeepSeekのように大規模なAIをほぼ無料に近い形で提供するプレイヤーが現れると、AIサービス全体に“デフレ”の流れが訪れる可能性が高いです。すでにAIのAPIやサブスクリプションは激しい価格競争に突入しており、今後は以下のような要素が加速していくでしょう。

  1. 利用コストの劇的な低下
    高性能なAIサービスが当たり前のように低価格で利用できるようになると、企業や個人がAI導入にかけるコストは一気に下がります。ユーザーとしてはありがたい一方で、従来の有料モデルを提供してきた企業にとっては収益源の確保が大きな課題となります。

  2. 新規参入のハードルが下がる
    AIを開発・提供するための費用も、スケール効率やハードウェア技術の進歩によって大幅に下がりつつあります。さらにオープンソースのモデルが増えれば、誰でも安価に高性能AIを立ち上げられる時代が来るかもしれません。すると新興企業や個人クリエイターが続々とAIサービスを立ち上げ、市場が飽和状態になる可能性もあります。

  3. 価格競争だけでない差別化
    価格が下がり続けると、今度は付加価値ユーザー体験が重要な差別化要因になります。企業向けにはカスタムモデルの提供や、充実したサポート体制、プライバシー対策や法令遵守などが勝負のカギになりそうです。
    逆に言えば、ブランド力や安全性に裏打ちされたプレミアムなAIサービスをどう打ち出すかが、今後の各社の戦略となるでしょう。

  4. 国際競争の激化
    AIデフレの波は世界規模で起こるため、先端企業が集まるアメリカや中国だけでなく、日本や欧州のプレイヤーも価格・性能・安全性など多方面で競争せざるを得なくなります。国や地域ごとの規制や文化的要素も絡むため、どの国がリードを取るかは予測がつきにくい状況です。

スマホアプリも登場

すでにスマホアプリもできていて、ポストによればダウンロード数が10位になっているそうです。日本では7位だそうです。

筆者も早速入れてみました。非常に印字スピードが速いです。


ちなみに推論は下記のように中文で行われます。

尖閣諸島について質問した人がポストしていました。やはりコンテキストは中国政府の思惑に沿ったAIです。

1日たって続報です。現在iPhoneのダウンロード数で、AI部門トップになっているそうです。


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Zun-Beho
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