AWS、アンソロピックClaudeに27.5 億 万ドル投資でクラウド王座を不動の物に?!
「Amazonは今日の午後、Anthropic (Makers of Claude 3) に驚きの 27 億 5,000 万ドルの小切手を振り出しました。アマゾンがこれまでに行ったベンチャー投資としては最大規模。」とのCNBCの記事が投下されました。
記事の要約は下記のとおり。
アマゾンは人工知能の競争で優位に立つため30年の歴史の中で最大規模の外部投資
同社は、生成AI分野の最前線と広く見なされているサンフランシスコを拠点とするスタートアップ、アンスロピックに追加で27億5000万ドルを投資すると発表しました。アンスロピックの基盤モデルとチャットボット「Claude」は、OpenAIのChatGPTと競合しています。
両社は9月に当初12億5000万ドルの投資を発表し、その時点でアマゾンは最大40億ドルを投資する可能性があると述べていました。今回の発表は、アマゾンによるその資金調達の2回目の部分となります。
アンスロピックの取締役会の席は持たない
アマゾンは同社の少数株式を保有しますが、アンスロピックの取締役会の席は持たないと述べました。関係者によると、この契約によってアンスロピックの最終評価額は184億ドルに達したとのことです。
ここからはこの投資を検証していきます。
ChatGPTを利用したCopilotで優位に立とうとしたAzure
MicrosoftがAWS一強のクラウドシェアを切り崩すべく、ChatGPTを利用したCopilotを取り入れてきましたが、今後クラウドシェアではまだまだトップの座を奪われていないAWSが巻き返していくものと思われます。
2023年のクラウドシェア
2023年のクラウドシェアは、調査会社によって多少異なりますが、上位3社はAmazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform (GCP) であり、合計シェアは60%を超えています。
Synergy Research Group の調査によると、2023年第4四半期のクラウドインフラサービスのシェアは以下の通りです。
AWS: 33%
Microsoft Azure: 24%
Google Cloud: 11%
その他: 32%
このように、AWSがトップシェアを維持していますが、Microsoft AzureとGoogle Cloudが追い上げを見せています。
AzureがCopilot導入前の下記のシェア率と比べたらたった一年で10%もシェア伸ばしている事がわかります。
2022年Q4期のMicrosoft Azureのシェア
Synergy Research Group: 22%
Canalys: 20%
地域別シェア
地域別に見ると、北米と欧州ではAWSがトップシェアですが、アジアパシフィック地域ではMicrosoft Azureがトップシェアとなっています。
サービス別シェア
サービス別に見ると、IaaS (Infrastructure as a Service) ではAWSがトップシェアですが、PaaS (Platform as a Service) と SaaS (Software as a Service) ではMicrosoft Azureがトップシェアとなっています。
Azure Copilot導入によるシェア拡大の要因
開発者生産性の向上: Azure Copilotは、開発者のコーディング作業を自動化することで、開発効率を大幅に向上させます。これは、開発者の負担を軽減し、開発速度を向上させることにつながります。
コスト削減: 開発効率の向上は、開発コストの削減にもつながります。
イノベーションの加速: 開発者がコーディング作業に費やす時間を削減することで、イノベーションに注力できる時間が増えます。
Azure Copilot導入による具体的な効果
調査によると、Azure Copilotを導入した企業は、開発時間を平均20%削減できたという結果が出ています。
また、別の調査によると、Azure Copilotを導入した企業は、コードレビューにかかる時間を平均30%削減できたという結果が出ています。
Claude3導入後の2024年度のシェア予測
ただいまの主要LLMsのスペックは以下の通りです。
それを踏まえてクラウドの2024年度、2025年度のシェア予測をClaude 3 Opusにさせてみると以下のような予測をしました。
2024年の予測シェア:
AWS (claude導入): 40-45%
Microsoft Azure (Azure Copilot): 20-25%
Google Cloud (GEMINI): 10-15%
2025年の予測シェア:
AWS (claude): 45-50%
Microsoft Azure (Azure Copilot): 15-20%
Google Cloud (GEMINI): 10-15%
根拠:
Eloスコアを見ると、Claudeは他のモデルを大きく上回っています。このことから、AWSはClaudeの導入によって大きな競争力を得ており、シェアを大幅に拡大すると予想されます。
Azure CopilotとGEMINIは、Claudeほどの性能優位性がないため、AWSほどのシェア拡大は見込めません。特にGEMINIは、GPT-4やClaudeに比べて性能面で劣っていることから、シェア拡大は難しいと考えられます。
2025年には、AWSがClaudeを中心としたAIサービスをさらに強化し、他社との差を広げる可能性があります。その結果、AWSのシェアは50%近くまで拡大し、AzureとGoogle Cloudは苦戦を強いられると予想されます。
Claude 3 Opus以上のモデルが他社で出た場合
ただし、この予測は、OpenAI(Microsoft)とGoogleが2025年までにClaude 3 Opusと同等以上の性能を持つAIをリリースできない場合に限ります。もし両社が画期的な新しいAIモデルを発表し、Claudeを上回る性能を示した場合、市場シェアの予測は大きく変わる可能性があります。OpenAIとGoogleの技術力と市場への対応力を考えると、AWS一強の状況が長く続くとは限りません。クラウドサービス大手3社のしのぎを削る競争は、今後さらに激化すると予想されます。