Microsoftに続き、Appleの元マーケティング責任者、OpenAIの取締役会に就任
先にお断りしておきますと、2024年7月10日にEUのデジタル市場法(DMA)により独禁法違反の疑いにかけられ、Microsoft、Apple共にOpenAIの取締役会を奪回しています。その件に関しては下記のNoteをご覧ください。
Bloombrrgは7月3日2時間前に「Apple Poised to Get OpenAI Board Observer Role as Part of AI Pact(Apple、AI協定の一環としてOpenAI理事会のオブザーバー役を獲得へ)」と言う記事を出しました。記事によると、Appleは、OpenAIとの新たなAIパートナーシップの一環として、OpenAIの理事会にオブザーバー役を取得する予定です。この役割は、Microsoftのオブザーバー役と同等の位置づけです。このポジションにはAppleの元マーケティング責任者であるPhil Schillerが選ばれました。
この動きは、AppleがiOS、iPadOS、macOSにChatGPTの機能を統合する計画の一部です。具体的には、SiriがChatGPTの知能を利用できるようになるほか、Appleのシステム全体で利用できるライティングツールにもChatGPTが組み込まれます。この統合により、ユーザーはSiriを通じてChatGPTの高度なAI機能を利用し、より便利で効率的な体験を得ることができます。この件は、
OpenAI公式ページにて発表済みです。
Microsoftが150億ドルで手に入れた地位をAppleは無料で手に入れた
確かにMicrosoftはこれまでOpenAIに巨額な投資をしazureを提供している訳で、まるでAppleがただのりしていると指摘するポストがありました。
MicrosoftのChatGPTをOSに統合したPCと実質同じ!
AppleがChatGPTをiOS、iPadOS、macOSに統合することは、MicrosoftがWindowsでCopilotを組み込むのと似たアプローチで、これによりユーザーはOSレベルで直接AI機能を利用できるようになります。つまり、OS内の様々なアプリケーションや機能がAI技術を活用して、よりスマートで効率的なユーザー体験を提供できるようになる訳です。
AppleがOpenAIの取締役会にオブザーバーとして参加することが決まり、Phil Schillerがその役割を担う動きは、MicrosoftがすでにOpenAIの取締役会でオブザーバーとしての地位を持っていることと同等の扱いをAppleにも与えることを意味しています。これにより、AppleとMicrosoftはOpenAIとの関係でほぼ同列の立場を持つことになると考えられます。
そうは問屋が卸さないだろうと言う意見
しかし、このポストには下記の様なリポストがあり、Appleが巨額のazure使用料を支払う事になると予測しています。
MicrosoftがOpenAIに150億ドルもの投資をして得た地位に対し、Appleが何の費用も支払わずに同じような地位を得られるとは考えにくいです。ただし、公式な金額や契約の詳細が公開されていない以上Appleがどの程度の投資を行っているか、または将来的にどのような貢献をするかは不明です。
一般的には、こうした大規模な技術パートナーシップでは、双方が何らかの形で貢献することが普通なので、Appleも技術的または他の形で貢献している可能性があります。
何らかの形でAppleからazure使用料が支払われる可能性
AppleがChatGPTの機能をiOSやmacOSに統合する場合、AppleがOpenAIに対して何らかの形でAzureの使用料を支払うことになる可能性が高いです。具体的な取り決めや金額は公開されていないけれど、このような大規模なサービス統合には通常、技術提供者との間で通常経済的な取引が伴います。
しかし、これには複数のシナリオが考えられ例えば、Appleが直接Microsoftに料金を支払う、またはAppleがOpenAIに対して技術使用料を支払いその一部がAzureのコストカバーに充てられるなどがあり得ます。どのような契約形態になるかは、今年秋発売予定のChatGPTのiOS、iPadOS、macOS 内のエクスペリエンスに統合されたデバイスがローンチされた時に公開される事と思われます。