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能登半島地震であらわになったXのTwitterからの改悪

能登半島地震時にXでイーロンがトレンドワードになっていたのでまとめてみました。


草の根の個人の「助けて」ポストに対するインプレゾンビの影響

被災時、草の根の個人がTwitterで「助けて」と呼びかけると、多くの人々が善意でこれを共有します。しかし、このような投稿が注目を集めると、インプレッション(閲覧数)を稼ぐ目的で活動する「インプレゾンビ」と呼ばれるbotがこれに群がります。これにより、実際の被災者のメッセージが偽情報や関連性のないコンテンツに埋もれ、必要な支援や情報が届きにくくなるという問題が生じています。この状況は、緊急時における情報の信頼性とアクセシビリティを損なうことになり、深刻な影響を及ぼす可能性があります。

インプレゾンビへの苦情は直接イーロンに向けられました。

イーロンへのクレームは物凄く多いのでこれ位にして何故こうなったのかを検証していきます。

東日本震災で活躍したTwitter日本のエンジニア

2011年の東日本大震災時、Twitterは非常に重要な役割を果たしました。通信インフラが混乱する中、Twitterは多くの人々にとっての主要な情報源となりました。Twitterのエンジニアは、地震発生時に日本へのアクセス増加を予見し、未使用のサーバーを活用して日本向けのサーバー容量を3倍に増強しました。この迅速な対応により、Twitterは二次被害を防ぐための重要なコミュニケーションツールとして機能しました。このエピソードは、災害時におけるSNSの価値と、個々のエンジニアの積極的な対応の重要性を示しています。
その様子は今でTigetterもで見る事ができます。

イーロン・マスクの買収とその影響

イーロン・マスクによるTwitter(現X)の買収は、株主にとって最善とされる440億ドルで成立しました。買収完了後、Twitterは非公開会社となり、広告主の多くが撤退しました。また、デマやヘイトスピーチの急増が報告され、多くのユーザーが他のプラットフォームへ移行しました。マスクは自身の判断で行動し、Twitterを「世界中の言論の自由のためのプラットフォーム」と位置付けていますが、その方針には多くの議論があります​​。

イーロン買収後の組織変革、広告依存度、ユーザー体験の変化

イーロン・マスクによるTwitter(現X)の買収後、広告主の70%が広告を掲載しなくなり、Twitterの収益の89%を占める広告が大きく減少しました。また、87万7000アカウントが停止され、49万7000アカウントが凍結されるなど、デマやヘイトスピーチの急増が問題となりました。多くのユーザーが他のプラットフォームへ移行し、全従業員の約半数が解雇されるなど、組織変革も大規模に行われました​​。

「X Blue」クリエイターへの広告収益支払い

X(旧Twitter)は「X Blue」を通じてクリエイターへの広告収益支払いを行っています。このプログラムは、特定の条件を満たすクリエイターに広告収益の一部を提供し、プラットフォームへのクリエイターの参加を促進する目的があります。例えば、アカウントがユーザー認証され、500人以上のフォロワーを持ち、過去3ヶ月で300万インプレッションを達成することが条件です。この取り組みにより、X Blueへの加入者増加やクリエイターに対するXの印象改善が期待されています。しかし、一部のクリエイターは、このシステムがバイラルツイートによるエンゲージメント増加を奨励することに懸念を示しています。

「X Blue」が生んだインプレゾンビ大量発生が震災を妨げた

イーロン・マスクの目的は、実際に価値あるコンテンツを生み出す人々を支援し、プラットフォームの魅力を高めることにあるため、参加者を一律に「クリエイター」と呼んでいるのでしょうが、実際には単にインプレッションを追求するインプレゾンビやbotも含まれています。

広告収益の支払いシステムは、特にバイラルなコンテンツの創出を奨励しており、これが緊急時の重要なメッセージの見逃しにつながることが懸念されています。

「キーワードスパム」や「キーワードスタッフィング」の問題

また災害時の個人の救助要請メッセージなどがスパムで埋もれてしまう要因に「キーワードスパム」や「キーワードスタッフィング」があります。

これは、ある特定のキーワードやフレーズを過剰に使って、検索エンジンの結果ページでのランキングを人工的に高めようとする手法です。このようなスパム行為は、有効な情報の代わりに関連性の低い、または全く無関係なコンテンツを表示することによって、ユーザーエクスペリエンスを損なう可能性があります。特に一部の広告やスパム行為に従事している者によってしばしば行われる戦術です。

Xの未来:望まれる姿

改善が望まれる点は次のようになります:

  1. 信頼性の向上: 災害時のような緊急事態において、実際の被災者の「助けて」というポストが埋もれないように、信頼できる情報のみを優先表示するシステムの導入。

  2. インプレゾンビ対策の強化: インプレッションを追求するインプレゾンビや不正行為を効果的に識別し、フィルタリングするための技術的な対策の強化。

  3. 被災者支援のための機能: 緊急時に被災者が助けを求めるメッセージを効果的に拡散できる機能の開発、例えば専用のタグやカテゴリを設けること。

このような取り組みにより、Xはユーザーにとってより信頼でき、実用的なプラットフォームになることが期待されます。

AIと人間のモデレーションの組み合わせ

提案されたシステムは、信頼できる情報を優先表示するために、AIを使用して以下のポイントを分析・フィルタリングするものです:

  1. ポストのオウム返しの識別: 重複した内容や形式的なリポストを識別し、フィルタリングする。

  2. ポスト元との関連性の評価: ポストの内容が元のポストとどの程度関連しているかを分析し、関連性が低いものを下位に表示する。

  3. 言語の違いに基づくフィルタリング: 異なる言語でのポストを識別し、必要に応じてフィルタリングする。

  4. Botの識別: AIによるアルゴリズムを用いて、自動生成された投稿やBotの活動を識別し、ブロックする。

このシステムにより、緊急時の被災者支援情報などの重要なポストが、無関係なリポストやスパムに埋もれることなく、適切に表示されることが期待されます。

情報の信頼性とユーザー体験の向上

イーロン・マスクはX(旧Twitter)に出会い系アプリ機能や決済機能の実装を考えていますが、それ以上に重要なのは、ユーザーにとっての価値あるコンテンツの優先表示、偽情報の排除、そしてユーザーインターフェースの改善です。これらの改革によって、Xはより安全で使いやすいプラットフォームになることが期待されます。これらの整備が先行することで、新機能の導入がより効果的になると考えられます。

GPTsの津波ガイド

また、佐藤滋さんは、GTPs(GPT-4を使って特定の機能に特化したAIを作れるサービス)を利用して「ChatGPT - 震災・津波防災ガイド」を公開した事をNoteで発表されていますので合わせてご覧ください。


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