SAKANA AI、日本政府NEDO助成金でスーパーコンピューター開発に挑む
Sakana AI Labsは、日本のAIエコシステムを強化するための基盤モデルを開発する機関として、日本政府からNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のスーパーコンピューター助成金を受け取る7機関の1つに選ばれました。これにより、Sakana AI Labsは自分たちのGPUクラスタを持つことができ、より大規模なAIモデルの訓練や研究開発を行う基盤を確立できるようになります。この助成金は、日本のAI技術の発展と国際競争力の強化に寄与することを目的としています。
SAKANA AIとは
2023年8月に、元Google AIの研究者であるLlion Jones氏とDavid Ha氏によって設立されたこの企業は、東京を拠点に始めたAIスタートアップです。AI研究の最前線で長年の経験を積んだ二人の豊富な知識と実績を背景に、革新的なAI技術の開発を進めています。
AIの進化を生物の知恵から学ぶ
Sakana AI Labsの企業哲学は、自然界の集合知と生物の模倣(biomimicry)に根ざしています。社名にもなっている「Sakana(魚)」は、自然界の知恵をAI開発に取り入れるというビジョンを象徴しています。魚の群泳や蜂の社会構造からヒントを得た、小さなAIモデルが協力し合うことで複雑な問題を解決するというアプローチは、従来の大規模AIシステムの構築方法とは一線を画します。
東京選択の背景
Sakana AIが東京を拠点として選んだのは、日本が高度な技術力と優秀な人材を有しているためです。また、日本市場にはまだ発展の余地があり、競争が比較的少ないという環境も、新しい技術開発には有利です。秋葉拓哉さんのような優秀な日本人エンジニアがSakana AIに魅力を感じて参加していることも、その証明の一つです。
未来への期待
Sakana AIの成功は、日本におけるAI開発の新たな潮流を生み出すきっかけとなり得ます。大手企業や海外からの応募者が集まるなど、既に多くの期待が寄せられています。Sakana AIが目指すのは、日本独自のAI経済圏の構築と、その発展への貢献です。エネルギー効率に優れた新たな対話型AIの開発を通じて、より多くの企業がAI開発競争に参入しやすくなることを目指しています。
日米から合計45億円の資金を調達
Sakana AIの創業からわずか半年で、NTT、KDDI、ソニーといった大手企業からの出資を含む45億円の資金調達に成功したことは、その技術とビジョンが高く評価されている証拠です。特に、サカナAIのアプローチは、従来の大型コンピュータを使用したAI開発とは異なり、エネルギー効率と開発コストの削減を可能にします。
エージェントモデルの可能性
Sakana AIが掲げるエージェントモデルは、小型AIを複数組み合わせて、大規模AIに匹敵する能力を持つ仮想のAIモデルを構築することを目指しています。これは、AI開発におけるコストとエネルギーの使用を大幅に削減する可能性を秘めており、AI開発競争において革新的なアプローチとなり得ます。
創設チーム
SAKANA AIはGoogle や他のユニコーン AI スタートアップ (Preferred Networks、Mercari) などの機関の出身が創始者となっています。
David Ha (Google Brain、ゴールドマン・サックス)
ライオン・ジョーンズ(Google Research、Transformer 共同作成者)
伊藤 蓮(メルカリ、スタビリティAI、外務省)
秋葉 拓也(Preferred Networks、Stability AI)
Yujin Tang (Google Brain、Google DeepMind)
Robert Lange (Google DeepMind、ベルリン工科大学)
タリン・クラヌワット(Google Brain、Google DeepMind、国立情報学研究所)
真琴(りんな、安定AI)(※)
Qi Sun (LAION、東京工業大学)
SAKANA AIの採用審査に受かった人のNote
この人のハンドルネームから、もしSAKANA AIに採用された暁には、AI技術やデータサイエンスを活用して医療分野に革新をもたらす可能性のあるプロジェクトに関与されるのかもしれませんね。