「AIホワイトハウス会議」にてジェンスン・フアンにインタビュー

ホワイトハウスにAIテックリーダーが集められ、重要な会議が開催されました。CNBCテレビではNVIDIAのジェンスン・ファンへのインタビューを動画にしていますのでその内容を解説していきます。ご覧の通り、革ジャンを着ていないフォーマルなジェンスン・ファンのスーツ姿が見られます。

AIに関連するテックリーダーとホワイトハウスの会議

2024年9月13日にホワイトハウスで開催された会合は、AIに関連する技術企業のCEOたちが集まり、AIの急速な発展とそれに伴うエネルギー需要の増大について話し合った重要な会議です。特に、データセンターやAI関連の産業に必要な電力インフラの整備が議題となりました。この会合には、OpenAIのサム・アルトマン、NVIDIAのジェンスン・フアン、Anthropicのダリオ・アモデイ、Googleのルース・ポラット（注01）などのテックリーダーたちが出席しました。

※注01：モルガンスタンレーの（財務責任者CFO)だったルース・ポラット氏は2015年にグーグルへ移籍しCFOとなりました。ポラット氏には2015年に合計3,065万ドル（約37億円）の報酬が支払われましたが、その内訳は基本給65万ドル＋契約金が500万ドル。さらに2,500万ドル相当の制限つき株式が付与されました。

会議の主なテーマは、AIの急激な成長が米国のエネルギーインフラや電力グリッドに与える影響、そして政府と民間の協力によるAIの持続可能な発展でした。AI技術は多大なエネルギーを必要とする一方で、その効率的な運用により、医療や気候技術など多くの分野でエネルギーを節約する可能性もあると指摘されました。

では動画を解説していきます。

ジェンスン・フアン氏：AIと政策、そして2024年選挙について語る

本日、ホワイトハウスでAIに関連するテック企業のCEOたちが集まる大きな会合がありました。私たちはホワイトハウスの外でNVIDIAのジェンスン・フアン氏にお話を伺うことができました。

AI業界とエネルギーの未来

レポーター：「今日の会合について教えていただけますか？」

ジェンスン・フアン：「エネルギー、新しい産業であるAIファクトリー、そして人工知能について話し合いました。私たちは新たな産業革命の始まりに立ち会っており、この産業は知能を生み出します。それにはエネルギー、優れたコンピューターサイエンス、大規模なコンピューティングシステムが必要です。皆がこのニーズと機会、そして課題を理解し、可能な限り効率的でスケーラブルな方法で取り組む必要があります。」

公的・民間の協力の必要性

レポーター：「連邦政府と民間の投資が必要だとお考えですか？」

ジェンスン・フアン：「この分野では公的・民間の協力が必要になるでしょう。成長率は非常に高いですが、人工知能はトレーニングに多くのエネルギーを消費します。しかし、最終的にはそのモデルを使用することでエネルギーを大幅に節約できます。医療や気候技術、電力網の運用など、AIは多くのエネルギーを節約する可能性があります。人々はこの機会と課題の規模を理解しようとしています。それには公的・民間の協力が必要です。」

アメリカの競争力について

レポーター：「米国は中国や他の国々と競争する上で十分な取り組みをしていると思いますか？」

ジェンスン・フアン：「この政権は最も多く、最も迅速に行動しようと決意しています。それが今日の会合の理由です。本当に素晴らしいことです。」

輸出規制と国家安全保障

レポーター：「輸出規制について、海外販売を促進するために変更してほしい政策はありますか？」

ジェンスン・フアン：「輸出規制や国家安全保障、産業の回復力、サプライチェーンの回復力は複雑な問題です。この政権はその微妙な点を理解しています。私たちは、米国の産業が可能な限り活発であり、米国の基準が世界中で採用されることを望んでいます。もちろん、国家安全保障は非常に重要で、それを守らなければなりません。政策立案者はこれらの要件をバランスよく統合し、優れた政策を策定するという難しい仕事を抱えています。私たちの最も重要な役割は、技術と産業について知っていることを政権に伝え、政策を完全に遵守することです。」

関税についての懸念

レポーター：「中国に対する10％から20％、最大60％の包括的な関税について多くの議論がありますが、NVIDIAのビジネスにどのような影響がありますか？」

ジェンスン・フアン：「その点については詳しくありません。当社は世界中の産業にサービスを提供しており、すべてのAI企業に対応しています。これらの問題は複雑で、政権の繊細な判断が必要です。彼らが素晴らしい決定を下すと信じています。」

2024年選挙とビジネスの安定性

レポーター：「ビジネスリーダーからは安定性について多くの声が上がっています。強く安定したビジネス環境を維持するために、特定の候補者を支持する考えはありますか？」

ジェンスン・フアン：「重要なのは安定した政策を持つことです。政策は変化する環境に適応しなければなりませんが、我々の世界ではその変化はリアルタイムで起こっています。政権の課題を理解しつつ、米国の技術が最も安全で最良の選択であることを追求し続けたいと思います。安定性は重要で、我々が最高であり続ける限り、それは素晴らしいことです。」

税制についての考え

レポーター：「法人税率の引き上げや引き下げについて、NVIDIAに与える影響はありますか？」

ジェンスン・フアン：「税率がどうであれ、私たちはそれを支持します。当社はアメリカで築かれ、この国のインフラやサポート、知的資本から恩恵を受けました。税金を通じてそれを還元できるのであれば、喜んでそうします。」

NVIDIAの今後の展望

レポーター：「NVIDIAの次の展開について教えていただけますか？」

ジェンスン・フアン：「現在、次世代のブラックウェルの生産を開始しています。各世代で性能を大幅に向上させることに努めています。新世代を導入するたびに性能が3～4倍向上し、それはコンピューティングとAIのコストを同じ比率で削減することを意味します。私たちはブラックウェルの生産を急いでおり、世界中の企業がその出荷を待ち望んでいます。」