今後OpenAIの技術は全てAzure AIで使用可能に:Microsoft Ignite 2023
Microsoft Ignite 2023が11月16日に開催されました。「Deep deep partnership with OpenAI」とはサティア・ナデラがOpenAIとのパートナーシップを表現した言葉です。この時のMicrosoft製半導体については下記のNoteに詳しく解説していますので下記のNoteをご覧ください。今回はMicrosoft Ignite で語られたOpenAIとのパートナーシップに焦点を当てます。
天国での結婚
思えはこのディープ²なパートナーシップは2019年に遡ります。
シアトルにあるアレン人工知能研究所(AI2) の CEO、オーレン・エツィオーニ氏はGeekWireに「大手クラウドプロバイダーと大手 AI 研究研究所との提携は、天国での結婚のようだ」と述べたそうです。以下GeekWireの記事をご参照ください。
正に今回のMicrosoft Ignite 2023での発表はOpenAIに新居の宮殿を用意したようなものです。
Microsoft Build 2023 Bingからの求愛
6ヶ月前のMicrosoft Build 2023でバックに映し出されたスライドは、OpenAI❤️Bingだったんですが、今回はMicrosoftの検索エンジンBingではなく、Microsoftそのものとの結合が行われたようです。
その時の様子は、下記のNoteに詳しく解説していますので併せてご覧ください。
Azure AIはOpenAIと一心同体
サティア・ナデラ氏はこのように言っています。
「私たちのあなたへの約束はシンプルです。OpenAI が革新するにつれて、私たちはそのイノベーションのすべてを Azure AI の一部として提供していきます。GPT-4 Turbo を含む GPT-4 の最新情報を提供します。
ご存知のとおり、GPT-4 Turbo は低価格、構造、私のお気に入りの JSON 形式でプロンプトの長さは300 ページのテキストを 1 つのプロンプトに収めることができるようになりました。 そして、新しいモデルのトークン価格は OpenAI と同等になります。
また、まもなく、GPT-4 Turbo with Vision を Azure AI Vision に接続できるようになります。ビデオ、画像、テキストを使用してプロンプトを表示できます。 実際、私たちの顧客である WPP はは現在、最大規模のクライアントの 1 つでこれをすでに使用しています。」と言いながら、生成したビデオをバックに映し出しました。
しかし相手はOpenAIだけではなかった
Azure AIでは全てのOpen sourceとSLMs(注01)が使用可能との事です。
META社のLlama 2や、Stable DiffusionなどオープンソースのAIはなんでも使用可能との事。アラビア語に特化した言語モデルの使用例についても話していました。
それら、オープンソースとSLMsの利用できるサービスとしてAzure AI Studio
が設定されており自由な組み合わせて自社サービスを運営できるそうです。
※注01:SLMs(スマート言語モデル)は、特定の用途やニーズに特化したAIアプリケーションに最適です。これらのモデルは、大規模言語モデル(LLMs)よりも小規模であるため、特定のタスクや狭い範囲のデータに対して最適化されていることが多いです。SLMsは、より狭い範囲のデータセットを用いることで、特定の領域やトピックに対するより精密な理解や応答を生成することができます。
例えば、特定の業界や専門分野の専門用語、特有の表現スタイル、特定のタイプのクエリに対して最適化された言語モデルを作成する場合にSLMsが有用です。このように、SLMsはよりターゲットを絞った用途に対して、効率的で効果的なソリューションを提供することができます。
AIの宮殿Azure:OpenAIとオープンソースが共存
「天国での結婚」と2019年に比喩されたMicrosoftとOpenAIのパートナーシップは、豊かなオープンソースの生態系をAzureの宮殿に招き入れることで、AIの多様性と革新を促進する事でしょう。
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