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LINEに新卒入社してからマーケティングスペシャリストになるまで
LINEに新卒入社して丸5年。3月からB2Bマーケティング組織配下で「プロダクトマーケティングスペシャリスト」という肩書きがつくことになった。
入社当時は広告営業職。その後自分の意思で2度も事業をまたいで異動し、時には芸人さんと地方ロケで番組制作ADのような経験しながらマーケティング職にたどり着いて今。27才。
IT、広告業界でも営業からのキャリアスタートはよくある話だけど、「(スキルや給料的に)このまま営業でいいのか?」と進路に悩む若手は周囲でも多い。接待や残業の多い企業だと、体力的な問題や子育てとの両立で悩む女性の声もあるあるだよね。
今回は、営業職から未経験のマーケティング職へジョブチェンジして再評価を得るまでの話を勝手に語ります。
若手営業のその後のキャリア形成の一例として。また、 LINEの仕事に興味がある若手業界人の方に参考になればと嬉しいです。
一連の 「#弊社のPMはこんなふう」の流れとはちょっと違うけど!
プロダクトマーケティングスペシャリストって何なのよ
と、社内から真っ先に突っ込まれるであろうこの疑問。
広告事業組織で今回新しく作られたもので、LINEの広告価値を法人向けに広く伝えるいわば「エバンジェリスト」的な意味合いらしい。
たぶん、マネージャーの下で組織に所属しつつも、独立遊軍として自由に羽ばたく仕事と解釈している。
▲上司から受けた説明「組体操みたいなもんよ」
LINEでは、組織を束ねるマネージャーを目指す道と、自分のスキルを専門職として極めるスペシャリストとして活躍する道がある。管理職を目指すことだけが出世への道ではない!(私のような他人に興味ゼロの非組織的人間には朗報😀)
以下に記すのは、新卒で営業入社してからマーケティング職としてスペシャリストになるまでの珍道中話です。
2014年、広告営業としてキャリアスタート
営業同期はたったの4人。ほとんどが中途入社で構成されているため、当然教育体制はない。
配属初日は先輩と大戸屋でランチ。先輩も忙しいのでご飯を食べながら口頭で研修を受ける。
右手で箸、左手でスマホのメモ。そして野に放たれた。
(今は研修体制ちゃんとしていると思う)
▲大戸屋で書き留めたメモの一部
当時は「LINE公式アカウント」や「スポンサードスタンプ(企業がスポンサーとなって制作・配信されるスタンプ)」が軌道に乗り始めた頃。私は総合代理店と向き合いながら一部のクライアントの直営業も担当していた。
LINE NEWSの記事広告がリリースされた時も代理店の人たちとクライアントに訪問して「こんなのありまっせ!」と紹介したり、【代理店営業】といっても代理店とチームを組みながら直接クライアントに売り込みにいくことが多い。
2年目にはひとりで40社以上のアカウントマネジメントに加えて、新規提案を行う日々。個人売上は年間20億以上。毎日が戦場でとにかく働きまくった。ウイスキーが人生のガソリンだった。
(余談だけど、数千万円の広告商品が続々とリリースされる中、当時は「NAVERまとめの記事広告を売ってから掲載までディレクションしてこそ一人前の営業!」という風潮があった。NAVERまとめの試練が今に活きているのは間違いないw)
3年目、突然の異動希望。LINE LIVEへ
自分でも営業適性は抜群だと思うし、主力商品の売上額も常に上位。後輩のトレーニングもこなしながら全てが順調だった頃。
でもこれでいいんだっけ。
このままLINEの広告商品売るだけで成長できるんだっけ。
営業という形にとらわれず、LINEのメディア価値を拡張させながら広告の幅を広げる挑戦をしてみたい。
後輩従えてデカい顔するより、新卒のいない環境で一からやり直したい。
そんな衝動で毎日悶々と過ごしていた。
悩みに悩み、三茶の居酒屋に先輩を呼び出した私は、部署異動の相談をした。
「木本ちゃんがやりたいなら、やらずに後悔するよりやってこい、ダメなら戻ってこい」
そんな後押しをされ、当時新設された社内公募制度を使って異動希望を出した。
(後にこの先輩には私の20億分の仕事を押し付けることになり、今でもネタにされる)
LINE LIVE時代の修行と、まさかの出戻り
3年目の夏、エンタメ事業へ異動して「LINE LIVE」のアライアンス担当となる。当時は現在のようなCGMサービス(Consumer Generated Media/掲示板やクチコミサービスなど、ユーザーのアクションによってコンテンツができていくメディア)というより、動画メディアとしての色合いも強く、タレント同士のランチ対談を生配信する人気番組「さしめし」など、スマホでの生配信ならではの番組作りが盛んだった。
当然ここには新卒入社がほぼおらず、業界で長年経験を積んだ大人が集まっている。圧倒的最年少の未経験者だったので、がむしゃらに仕事を覚えた。前部署とあまりのカルチャーの違いに死ぬほど驚いたし、まるで異世界への転職だった。
ここでは放送局担当として、日本全国のテレビ局とコラボ番組の提案、企画、ディレクションを行うことになる。
メディア業界の大先輩である放送局に対し、我々LINEのような新興メディアが「新しいスマホ動画コミュニケーションの価値」を語り、認めてもらうまで何度も提案をぶつける。
従来のテレビバラエティ番組を、スマホ・縦型・リアルタイム・双方向コミュニケーションならでは面白い企画に書き換え、試行錯誤で配信を繰り返した。休日や夜〜深夜の方が視聴数が取れるので、地方のテレビ局を回って深夜配信のあと、朝を迎えて東京に戻ることも。
番組作りって本当にすごい。タレントも、スタッフも、本当にすごい。KGIとかKPIとかないけど、情熱と勢いと繋がりを全力で使って素晴らしい作品を作っている。ITの世界では見れない光景だった。
そんな中、代理店・テレビ局とチームを組んでスポンサー提供番組を作ってみたり、営業ではできない「新たなメディア価値の創出」を自由にやらせてもらったことは大きな経験だと思う。
▲大阪の放送局「FM802」と同時配信に挑戦した際の記事
一方、「LINE LIVE」はCGMサービスとして羽ばたいていき(この転換の速さがまさにLINEの強みである)、今までの仕事はやめてインフルエンサー開拓をやっていく中で、法人向き合いで広告に携わりたいという気持ちが再び湧き上がってきた。
当然転職も考えたし、何社か内定も得た折に、現在の上司から声をかけてもらった。
「中途半端に転職するくらいなら、私のところ来なよ」
マーケティングの道へ
現在の上司は営業時代の先輩女性。声をかけてもらった当時は、LINE初のB2Bマーケティング組織を立ち上げたばかり。
幸いにも社内で営業職に戻る選択肢も用意してもらえた中で(無理に外へ出たのに本当に寛容すぎる...)、マーケティングのイロハはわからないけど、「この人と一緒に働きたい」の一心で2度目の異動を決めた。
またもや周囲に無理なお願いをして、本当に自分勝手だと思うけど、広告事業へ戻ることが決まった。
B2Bマーケティング組織といえど、経験者は少なく全員手探り状態。ポータルサイト制作、MA(マーケティングオートメーション)導入、コンテンツ制作、イベント運営、全てゼロから立ち上げた。
私自身も当初はコンテンツ制作でクライアント取材記事を作りながら、昨年夏からイベント担当として、数十人規模のセミナーから、1000人規模のカンファレンスまで企画・運営を行っている。
▲先日開催したマーケティングカンファレンス
「LINE Biz-Solutions Day 2019」
(壇上には堂々と講演する、同期のDisplay事業室 加藤喜大マネージャー)
「この部署ってマーケティング名乗ってるけどマーケティングしてなくね?」「営業の言いなりじゃね?」と社内から言われて悔しい思いしながらもなんとか1年半で形になり、リード獲得から営業パスまで一連の基盤ができあがった。マーケティングしとるわ!まだまだ課題は多いけどな!
▲運用型広告プラットフォーム「LINE Ads Platform」に携わるスタッフとして表彰された(この社員証写真やめてほしいw)
LINEのB2Bマーケティング室には、3つのチームがある。
マーケティングストラテジーチーム・・・ポータルサイトの運用構築、デジタルマーケティング
コンテンツディブロップメントチーム・・・コンテンツマーケティング(ポータルサイトなどに掲載するクライアント事例取材など)
イベントマーケティングチーム・・・セミナーやカンファレンスの企画、運営
私たちが法人向けに展開するポータルサイトが「LINE for Business」。
ターゲットクライアントの新規リード獲得するための、基盤作り、コンテンツ作り、イベント作りをしている。一言でターゲットと言っても、クライアントの幅は非常に広く、プロダクトの数も多いので、新規営業部隊の各チームとの連携が大事。
次々にアップデートされるプロダクトを理解しながら、営業の温度感をリアルタイムで把握し、次の一手を考える仕事。ここは営業経験がとても活きていると思う。
営業時代の地上戦も楽しかったけど、LINEの広告価値を広く伝える空中戦も楽しい。
ついでに上司は深夜まで飲みに付き合ってくれるし、1on1で恋愛相談に乗ってくれるし、とにかく毎日楽しい。
「楽しくない仕事するくらいならニートになるか地元町田でスナックを開く」と決めていた学生時代の自分に「会社員楽しいよ!」と言ってあげたい。
飛び込み力
「今の仕事のままでいいんだっけ」という悩みは、20代の多くの人が一度は経験しているのではないだろうか。同じ職種なら転職も簡単にできるけど、未経験職種へのジョブチェンジとなれば、なかなか簡単にいかない。お給料も下がるかもしれないしね!
それでもスキルを上げたい、成長したいという気持ちがあれば、悩む間もなく隣のプールから飛び込んでしまえ!と思っている。たとえ最終目標には遠回りでも、泳いでいればチャンスはくるし、確実に次へ繋がる経験は積める。
未経験だからどうしようとか悩む暇があれば飛び込め!!難易度高いプールに飛び込んしまっても、飛び込んだら最後、とりあえずやる!!
さいごに
私がこの5年間で培った経験とスキルは、周囲に迷惑をかけながら自由に飛び回らせてもらった結果得たものだけど、引き続きB2Bマーケティング領域で新しい挑戦を続けていく予定です。
今年はSMB(Small and Medium Business)領域の全国の企業様へのアプローチや、LINE公式アカウントのユーザーコミュニティの立ち上げをやっていきます。
誰よりもLINEのマーケティングプラットフォームとしての価値を理解しているし、その価値について、形を変えながら沢山のビジネスパーソンに自分の言葉で、何度も何度も伝えてきた自負がある。
マーケティングのスペシャリストというにはまだまだ足りないけど、厚かましくも「プロダクトマーケティングスペシャリスト」を名乗って全国に出没します。
一緒に働いてほしい!
LINEの広告事業部門では一緒に働いてくれる方を絶賛募集中です。(新卒、中途ともに!)
LINEの広告事業は、若手の裁量が大きいとかいうレベルでないです。気合いと努力とロジックがあれば無限にやらせてもらえます。そして上司が絶対にケツを持ってくれます。問題が起きたら綺麗に巻きとってくれるから臆せず何でもやれます。逆に、何がやりたいかわからず「LINEなら何でも出来そう」だけで入ると、何も指示されず迷子になります。ここを大企業と思うか、まだベンチャー企業と思うかは自分次第かもね。
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