宇宙のはからい
『歎異抄(たんにしょう)』
第二条後半
(前半「念仏を唱える理由」のつづき)
(原文①)
弥陀の本願まことにおはしまさば
釈尊の説教虚言なるべからず
仏説まことにおはしまさば
善導の御釈虚言したまふべからず
善導の御釈まことならば
法然のおほせそらごとならんや
(私訳①)
宇宙の法則が真実なら
お釈迦様の教えは
ウソではないということになります
お釈迦様の教えが真実なら
善導大師の解釈も
ウソではないということになります
善導大師の解釈が真実なら
法然先生のおっしゃることも
ウソではありません
(原文②) 法然のおほせまことならば親鸞がまふすむね
またもてむなしかるべからずさふらうか
(私訳②) 法然先生のおっしゃることが真実なら
この親鸞が話すことも
ウソではないということになります
(原文③) 詮ずるところ愚身の信心におきてはかくのごとし
このうへは念仏をとりて信じたてまつらんとも
またすてんとも面々の御はからひなりと云々
(私訳③)考えに考えた結果
愚かな私が信じているのは
このようなことなのです
なので宇宙のしくみを思い出し
信じて生きていくか
また信じずに生きていくかは
人それぞれ考え次第なのです
※第三条「全員救われている」という意味につづく