自分の居場所
テキスタイルコースに通いはじめた頃、1番初めに教わったのは、Visual Diary(ビジュアルダイアリー)をつけることでした。Visual Diaryはアイデアなどになりそうなものを集めたり、気になったものを描いたり貼ったりして、デザインを膨らませるのにとても大切なもので、プロジェクトごとに1冊作て提出するように言われました。
学生のころはスケッチブックを使っていましたが、卒業してからずいぶん時間が経った今は、軽くて安いクローキー帳を使っています。
今のクローキー帳は学生のころのVisual Diaryよりも人に見せないからか、ずっと気楽で身近な存在です。思ったことやアイデアを書き留めたり、デザインを膨らませるためのリサーチしたことや、簡単なスケッチ、自分がいいなと思ったものを貼り付けたりしています。自分の"好き"が詰まっていて、見返すたびにわくわくします。
私は、昼間は事務の仕事をしているので、お昼休みにこのクローキー帳を開いて眺めるだけでも、いつでも自分に戻れるような気がします。Visual Diaryとしては本来の目的からずれてしまったのかもしれませんが、今の私には開けばそこはとても居心地のいい、自分の居場所です。
先日NHKの100分で名著で「日蓮の手紙」を紹介していて、そこで霊山浄土の話をしていました。霊山浄土は現実世界の中で常に立ち返ることができる場所で、生命本体は霊山浄土で浄化され、現実世界に戻ってくることを繰り返しながら生きていくといいらしいです。
ちょっと大げさな話になりましたが、クローキー帳は私にとってはそういう場所なのかもしれないと思います。いつでも本来の自分に戻れる居場所があることは、とても幸せなことですね。