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好事魔が差しING

 だ、か、ら。
 で、なんだって、言うんだ。
 まあ、最後はいつもこんな感じ。
 裕也は顔はとてもきれい、だけど性格は最悪。
 でも、このおとこ、危険なだけに話すもんかと
 私は掴んで離さない。
 でも、きっと他に女はいつもいると思う。

 今度いつ、会える?
 うーん。それは会うときに決めるから今は
 そんなのわからない。

 そうか、約束なんか、ここでしない。
 スマホという便利な道具がこの世界にはあるもんね。
 しかし、これ便利なものだな。もう少し軽いと良いのだがと
 私は思う。
 今の名前は如月千晶。
 少し前はキム ピチョン。
 私はもうすでに二百年以上生きていることになると思う。
 でも、そんなこと数えるのも面倒だ。
 死ぬに死ねない憑依する魂。体をいつも探している。

 今はこの男大好き。
 あとはスタイルの良いこの体も大好き。
 さてと、この男、そろそろ面倒になってきた。
 次に会ったらベッドの中でまるごと飲み込んで
 自分のものにして、また次の宿を探さないと。
 結構、好きだったのよ。もう少し優しくしてくれたら
 私も、大事にしたのに。
 ボングくんはとても優しかったわ、でも時々私を殴るから
 あのとき、我慢しきれなくて……。

 誰か、私に優しくしてくれませんか?

               了

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