男友達 その3 あたり……
出版作品が最近時々購読されていることが、うれしくもありながら、読書好きな方だったりするととても興奮するとともに、不安になる気持ちを吐露した。
無冠で出版することを、自信がないままの見切り発車であると思っていると話した。二年考えて、契約書にサインをして、一年ほどかかって作品の選定から最終校正が上がって、表紙のデザインが決まるまでの長い時間が流れてようやく世に出たのは昨年7月の末であった。
そこで今、出版してから一年経過の一か月前となる。
最近は雑事に追われて創作の方は正直進んでいない、目覚ましく変わる感染症の動きに振り回された環境下で進まないことや、内包している自分の思いを見つめて書くことが難しいことなどが原因なのかも知れない。
3年前までは面白いように原稿が書けていたが、今は見直しと編集を繰り返して前に進まないのが現状。
それでも締め切りが来る文学賞やコンテストに参加するので書かねばならない。細る腕と頭でも絞ると何か浮かんでくるかも知れない。
彼に背中を押されて自信なんてないのがなんだと言われる。頭に手を置いてもらってまたPCを開く。実際にそばにいないのに、彼はいつも私のそばに寄り添うような気がしてしょうがない。
遠距離電波の中から、私は力をもらう。
彼の作品とは全く違う言葉の持つ暖かさはなんとも言えない優しさがにじんでいる。年下の男性に励まされて、この後、作品のラストシーンを描こうとあがいてみるつもりだ。
前へ進め。私。