大人のSSTR:2023年秋
SSTRとは "Sunrise Sunset Touring Rally" の略です。
日本列島の太平洋側を日の出にスタートし、日没までに石川県の千里浜にゴールする。
毎年5月末ごろに開催される、万単位の参加者がいる大きなバイクイベントです。
ぼくは大人数イベント派ではないので一度も参加したことがありません。
でもこれを仲間内でやったらさぞ面白いだろうとは思っていました。
かつて自転車乗りだった頃、この手の裏イベントをいくつも企画したことがあったから。
ある猛暑の夜、いつものバイク仲間(=大人会)の飲み会で、本家とは別に我々で「勝手にSSTR」をやろうと言い出した人がいました。
大人会はとかくこの人の唐突なアイデアでイベントが始まります。
これぞ渡りに船。
同じ思いだった人は多いようで、あっという間に開催が決まりました。
忙しい大人ばかりなので一番のハードルは日程調整でした。
結局、決行は10月の14・15日に決定。
それからいくつかの飲み会とオンライン打ち合わせを経て詳細が決まり、先日、走ってきました。
我々はこれを「大人のSSTR」と呼んでいます。
イベントの建て付けはこうです。
日本海の良さげな温泉旅館を予約、全員で一泊する。
最大の目的はこの温泉旅館での大宴会である。
その宴会を目指して、昼間のうちに全員がそれぞれのルートでバイクを走らせる。
結果的にこれが本家のSSTRに似たルートになるという寸法です。
数々のチェックポイントを設けてあります。
神社・寺・ダム・滝・道の駅・SA・PA……醸造所(!)
進行に必要だから設けるチェックポイントではなく、ルートに工夫を凝らすために使えるネタポイントだと思うと近いかも。
今回参加したのは8名。
果たして無事に全員がゴールし、温泉旅館での大宴会は大盛況となりました。
非常におもしろかった。
何がおもしろかったのかいちいち書き出すスペースは残念ながらありません。
しかし思っていた以上にみんなが真剣に走ったのにはちょっと感動しました。
普段は走るよりも飲む機会が多いきらいがあるけど、かくして大人会はバイク乗りの集まりでした。
今回は「Relive」というアプリを使って各自のルートを記録し、後で全員でそれを追います。
各自のログを旅館の大型TVに映し出して酒の肴にしたわけです。
Reliveはルートのみならず標高も速度も記録します。
最高標高地点の奪い合いはなかなか興味深かったし、一見速そうに見えるルートの平均速度がそれほどでもないこともおもしろい発見でした。
群馬県をメインに上毛かるたにゆかりのあるスポットを回った人もいました。
大人が本気で遊ぶとこういうことを思いつくんだなと感心しきりです。
各自が100円玉をいくつも持って、素晴らしいと思ったアイデアや成果におひねりを投げます。
予想通りおひねりは飛び交いました。
それぞれのルートにそれぞれのおもしろい拘りがあったからです。
チェックポイントに醸造所があったので飲みきれない量の日本酒が集まりました。
大人会のメンバーは酒ならなんでもいいという人達ではありません。
レアな美味い酒が飲みきれないほどある幸せ。
旅館ではあえて大部屋を取って修学旅行然とした夜を過ごしました。
夜が更けてもバイクの話が止まりません……
結局、ぼくの場合夜明けに東京湾をスタートし糸魚川にゴールしたのは予定時刻の30分前ぎりぎり。
正直もっと時間的な余裕があると見積もっていましたが、実際には昼食を摂る時間もありませんでした。
しかしそれがまたおもしろかったんです。
こんなに真面目にバイクを走らせたのは久しぶりだと思います。
旅館の食事も風呂も文句なしに良かったし、これだけ大盛況・大好評なら来年も大人のSSTRが開催されるかもしれません。
でも、されないかもしれない 笑。そこが実に大人会なんですが、とりあえず今は直近のイベントを企画すべく飲み会が開催されようとしています。
さて次はどんな企画で走ることになるんでしょうね。
楽しみです。