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車とバイクと… ホウキ?

倒立振子(とうりつふりこ)って聞いたことあります?

小学生の頃、放課後の掃除の時間にホウキを逆さまにして手のひらに乗せてバランスを取る遊びが流行ってました。

こんな感じ。雰囲気伝わりますかね?


その場でじっとバランス取るもよし、傾きを調整して好きな場所へ移動するもよし。発展版で、その箒を倒さずに校内を走り回るレースもやりました。

この遊びを「逆さホウキ」と呼んで夢中でやったんですが、これは「倒立振子」の原理なんだそうです。

閑話休題。

18歳で車の免許を取って安い中古車を買いました。さっそく友達と裏の山に入ります。
カーブだらけの六甲山です。ちょっと飛ばすと盛大に車が傾きます。まるで船がゆっくり揺れるように前後左右に。なんせダンパーが抜けた昭和の乗用車ですから。

ちゃんと走るにはこれを何とかしないといけない。

傾き過ぎると揺れ返しがあってスムーズに走れない。
上手く傾く力を逃しながら限界点の寸前を保って走れるととても楽しいことが分かりました。車の傾きを調整するのはアクセルとブレーキ、そしてハンドルです。

「これって昔やった逆さホウキと同じ要領だ」

長いホウキはゆっくり動いても大丈夫だけど、短いホウキは素早く反応しないと倒れちゃう。ぼくの中古車は長いホウキ、スポーツカーは短いホウキ。

「なにこれすごくおもしろい!」 更にハマることになりました。

夜な夜な山に入ってガソリンが尽きるまで走りました。この頃はまるでガソリンとタイヤのために生きていたような気がします。

その後、草レースを経験したり何台か海外のスポーツカーに乗ったりもしましたが、頭の中ではずっと逆さホウキをしていました。逆さホウキとはつまり「荷重のコントロール」です。

ぼくが馬力や最高速にはあまり興味がなく、くねくねした道を好むのはこういう背景があるんだと思います。


それからかなり時が経ち、バイクに乗り始めました。

バイクは別次元のホウキでした。

逆さホウキなんだけど、自分がホウキになった感じ?アクセル、ブレーキ、ハンドルはもちろんですが、その前に自分が動かなきゃならない。

自分とホウキの間に距離がないのです。手のひらではなく頭のてっぺんにホウキを乗せてる感じ。

スポーツカーの短いホウキとはちょっと違う難しさ。手を動かすのではなく自分自身が動くのはまるきり新しい感覚です。

一つ前のエントリーで、「バイクはどんなスポーツカーよりもスポーツ度が高い」と言ったのはこういうことです。

バイクに乗り始めて約10年、いまだに悪戦苦闘しながらこの感覚に慣れている最中です。

バイクを左右に振りながら「できた!」と思えば、それにちょっとブレーキが加わるととっちらかったりする。できる筈なのに身体が強ばってできないこともある。バイクって本当に全身で動かすんですねえ。

車と同じなのはゆったり動くバイクの方が難易度が低いところかな。
クルーザーが楽ちんなのは納得ですね。
Vitpilenは軽くて機敏なのでなかなか強敵です。

試したいこと、やってみたいことが山ほどあります。でもバイクは練習する場所がないんですよね。多摩川の河川敷に巨大なバイク公園でも作ってくれないかしらん。

絶対作ってくれないので、今は試したいことをリストアップしながら次のバイク練習会を待ってる感じです。


おまけ

荷重のバランスと言えばこの手のエクストリーム。
この動画の彼女はアクション映画で有名女優のバイクシーンの影武者をやってるぐらい上手い人ですが、それでも練習ではこんなに失敗してます 笑
痛そうでしょ…


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