見出し画像

8.碇


2023.06.10

「碇」の原型は、1度ボツになった「ガール」という曲でした。大枠は作ったものの、ポップすぎてアルバムに合わないなと思ったので、このデモを最後に「ガール」の制作は止まりました。なので、加藤さんのギターすら入っていないです。

とはいえ、この記事のためにすごく久々に聞き返しましたが、意外と悪くないなと思えてきました。バンド編成でやることは多分ないですが、ソロでやるのはありかもしれないです。

2023.07.28

リバースディレイ(逆再生)を使った曲を作りたいというアイデアを元に、ドラムとベースのループに合わせひたすらセッション。1:10あたりから思いつきで「ガール」のAメロのラインを歌ってみたら、すごく馴染みがよく、「ガール」のAメロ部分をこの曲に移植するに至りました。

2:45でサビのボーカルラインの原型、5:25でアウトロのファルセット、7:52で最後のベースのフレーズなどの音源でも使われているアイデアがすでに出てきているあたり、このセッションの感触が相当よかったことが伺えます。

2023.10.04

7月のデモを参照し、簡単なデモを作成。もともとリズムギターは5,6弦を使った重たいアレンジになっていました。そして、アウトロのフレーズもベースではなく、ギターでした。リードギターが入ってないため、だいぶ物足りないデモとなっています。

2024.01.06

リズムギターのフレーズをベースに置き換え、シンセを追加。ドラム、ベース、シンセ曲の根幹に据えたことで、リバースディレイが映えるようになりました。アウトロのフレーズはやっぱりベースの方が合ってますね。
ボーカルは今と比べるとちょっと違い、サビ冒頭の歌詞が入れ替わっており、「霞ゆく影も 生温い風も」になっていますし、2番のサビ終わりはファルセットではなく、叫んでいます。まだ、手探りの状態なので、いろいろ試していますね。そして、シンプルに音割れしまくってて、お恥ずかしいです。

ただ、ここでシンセがかなりいい味を出しており、自分のギターが少し蛇足っぽく聴こえてきてしまいました。そこで、低音弦を使うのを諦め、中高音弦でのコード弾きに切り替えました。コーラス、リバーブなどを試し、最終的にはトレモロをかけることに。

2024.03.20

ギターの録音。今回は加藤さんも自分もマイクで録音しています。「碇」からアンビエントのマイクを立てるようになり、自分らの好みの音を録れるようになりました。トレモロの音がすごく甘やかで、マイクで録って正解だったなと思います。

また、当初は2:55からの間奏はソロを想定していたのですが、加藤さんが用意してくれたアルペジオのフレーズがあまりにもすばらしくて、鳥肌立ちました。中途半端にエモーショナルなギターソロをいれるよりも、リバースディレイのアルペジオの方が表現として雄弁に感じます。

ここからミックス・マスタリングは順調に進みました。しかし、8月のライブでこの曲を披露した時のアレンジがよかったため、音源のイントロが少し物足りなく思えてしまいました。そのたえ、それを解消すべくイントロのリバースディレイのフェードインにシンセも並行させるアレンジに変更しています。

雑感

作り手として、新しい領域に少しだけ手をかけられたかなと思っている曲です。アルバムに入ってる曲はどれも好きですが、優劣をつけるとすれば、今のところ「碇」が最も好きな曲です。

いいなと思ったら応援しよう!