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1.ターミナル


2023.10.04

仮タイトルは「ルシウス」で、ボイスメモからデモを書き起こす段階で、「ターミナル」にタイトルを変更しました。タイトルはなんとなくでつけています。

ちょうどこの時期にオーディオインターフェース(楽器を録音するのに必要な機材)が壊れており、ギターでデモを作ることができず、シンセで代用しています

ボーカルもマイクで録音ができないので、ボイスメモに歌だけ吹きこんだものを、あとで重ねています。聞いていただけれれば分かると思いますが、歌い出しで信じられないくらい音を外しています。もともと公開する予定ではなかったといえど、さすがにひどいですね。

一番最初のデモの段階で構成、歌詞、メロディができあがっているというのはかなり珍しいことで、順調な滑り出しといえるのではないでしょうか。

10月の中旬くらいにインターフェースが再び使えるようになったため、シンセの部分をギターに差し替える作業を行なっています。

デモがある程度形になったら、メンバーの加藤さんに共有し、スタジオに入りました。スタジオではセッションを通じて、どんなフレーズがハマるのかを模索します。

2023.11.18

スタジオでのボイスメモ音源です。いろいろ試している段階なので、リードギターの音がかなりケロケロしていますね。だいたいは音源のフレーズに近いですが、2番(1:50〜)以降がそこそこ違います。アウトロもまだフレーズが固まっていません。

バッキング、リードともに、ギターの音色がモコモコしているため、まだ棲み分けができていない印象を受けます。

このボイスメモを踏まえて、リードギターのフレーズの精査、そして録音に取りかかります。

2024.01.19

この時点で各楽器のフレーズは完成していますね。アウトロはギターソロにする案もありましたが、一番最初のデモに倣って、イントロと同じフレーズを繰り返しております。

ただ、このときに問題点として上がったのが録り音でした。このデモでは、リードギターをライン録りしているのですが、音がかなり硬く、パキパキしてしまい、他の楽器との馴染みがよくありません

ベルホーロの楽曲はこれまでライン録りで、ギターの録音を行なっており、コーラスリバーブ等のエフェクトをかけることで、ライン録り特有のパキパキした音を打ち消してきました。

しかし、「ターミナル」では、その手法が合わないなと感じたため、ギターの録音としてはポピュラーなマイク録りを試みることになりました。

そして、ここから1ヶ月ほどマイク録りの感覚を掴むために、スタジオに入ってあらゆる検証を行うこととなります。(どのスタジオを使うか、どのアンプを使うか、どのマイクを使うか、どれくらいの距離で録るかなど)

本当はちゃんとレコーディングスタジオに入って録音するのが一番なのでしょうが、金銭面の問題や、せっかくなら2人だけで音源を完結させたいという思いを優先させ、リハーサルスタジオのアンプを使って、マイク録りを行いました。

2024.03.05

試行錯誤を経て、ギターのマイク録りに挑みます。結果的に、ライン録りのときと比べて、だいぶ音が丸くなり、他の楽器に馴染んだと感じることができ、「ターミナル」の録音は終了。ここからミックス作業に移る予定でした。

しかし、他の楽曲の録音を行うに連れて、ギターの音が拙く感じるようになりました。

そもそも、「ターミナル」のギター録音では、ボーカル用のコンデンサーマイク1本だけを立てて行なったのですが、これ以降の楽曲はダイナミックマイクとコンデンサーマイクの2本をアンプの前に立てて、録音を行うようになったのです。

それもあって、録音をやり直したいと思うようになり、加藤さんにお願いして、もう一度ギターを録り直させてもらいました。

2024.06.30

若干ですが、コンデンサーマイクとダイナミックマイクを立てたことで、音の輪郭がハッキリしたように思えます。これにて、「ターミナル」の録音は本当に完了いたしました。

その後、ミックス作業では、リードギターの音の脚色に相当悩みましたが、2ヶ月くらいかけてなんとか作業を終わらせることができました。

まとめ

構成、歌詞といった曲の根幹はわりとすぐにできあがったのですが、録音にすごく時間をかけたなという印象があります。今回の記事では、すべてのデモを載せているわけではないですが、イントロのフレーズだけで

  • どのアンプで録ったか

  • どのマイクで録ったか

  • どのエフェクトをかけたか

といった、短尺のサンプルがけっこうあって、音選びにすごく苦戦したなと執筆していて思い出しました。

また、この曲はMVも存在しています。

演奏シーンは6月に江古田のスタジオで撮影しました。エアコンのないスタジオでしたが、猛暑になる前だったので支障はありませんでした。

それ以外の映像は私といつもアートワークを担当してくれている林さんで素材を集めました。コンデジを最大までズームさせて、2024年に撮ったとは思えない映像にしています。

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