デザインのプロセス
最近考えていること
大学院に行き始めてから、時短勤務で自分の働く時間を7割に減らして、3割を学業や研究に充てている。会社員としての仕事は火~金の9-17時まで。このバランスが自分には合っていて、勉強や研究を生活に取り入れることで認知の幅が広がり、人生が豊かになっている。また、得たことが仕事にも生きている(生かせるように仕事を選んだり、職種を調整したりし始めている)。
今後もう少しカスタマイズして、仕事の部分も、キャッシュを確実に生み出すクライアントワークとキャッシュは不明確だが、自分がやりたいことや将来への投資となるような仕事をやる、という内訳にできれば尚よいと思っている。会社員仕事で言えば、プロボノ案件に関わってみるとか。
自分のケースでよかったのは、時短という仕組みの利用や、大学院の授業という制約により、強制的に働く時間が制限されること。自己投資、や兼業はやりたいと思っているが、実際は残業やらなんやらで時間と気力を確保するのは至難の業。時短であっても、家で仕事をやってしまうケースも往々にしてある。
その点、強い強制力をもった仕組みに身を投じるのは、理に適っていると思うし、夜は物理的に仕事ができない、と割り切れるから気も楽だ。
結局、自分が夜中まで残業していても、17時で仕事を切り上げても、大変なのは変化をした時で、リズムができれば変わらず回っている。
デザインのプロセス
さて、今回講演に来て頂いたのはデザイナーの西村拓紀氏。
デザインしていくプロセスについて、氏のことばを引用しながら考察をしていく。
① 現場体験の共有
何かをデザインする際は、クライアントが考えていること、発注してきたことだけでなく、現場にクライアントと一緒に行き、体験を共有して理解をさらに深めて解像度を上げる。
プロジェクトメンバー全員で共通体験を得るということはとても有効で、現場を観察することは最初の一歩といってよい。気づきを得られることはもとより、プロジェクトの自分ゴト化がぐっと進む。実際自分がサービスを企画する際も、似たようなサービスをプロジェクトメンバーで利用してみる、考えたサービスは手を動かして提供するシュミレーションをみんなでやる、ということを提案する。ここは、自分は忙しいとか,、役職とか、聖域なく、“全員でやる”ということが、その後のコミュニケーションやモチベーション、そして推進力に大きくかかわってくるので拘りたいところだ。
② 再構築する
サービスやプロダクトで達成したい目標、生み出したい価値にフォーカスし、クライアントから持ち込まれた案も時によっては壊す。
例えば、ダイニングテーブルをつくりたいとして、それを使って何をしたいのか、食事をすることがメインなのか、それとも複数人でコミュニケーションをすることがメインなのか、コミュニケーションがメインであれば、それに適した天板の形は、、脚の形、付ける位置は、、と分解して再度組み上げていく。自分としては、数学的なイメージにも近く、因数分解して、変数と固定値を見極めながら何が最適か代入して答え(デザイン)がどう変わっていくかを確認していくイメージだ。
再構築していく際は、その機能、手段は、目標や価値にどうつながっているのか、それぞれの要因がどれくらい目標にインパクトを与えているのかを意識して整理していくこと。
③ スキルの拡張
目的を達成するためには、自分のスキルを拡張したり、コラボしたりして実現していく。目的、やりたいことから逆算してスキルリソースを設計していく。
活躍されているデザイナーの方々は、総じてみなスキルを拡張してきており、例えば、イラストレーターからキャリアを始めて、webデザイン、UI/UXデザイン、プログラミング、、と進化を続けている。そして自分にできない専門外の案件がきても、ネットワークを使ってチームを組み、対応している。
つまり、自分のスキル拡張は常にしていく必要はもとより、助け合えるバーチャルチームを組める状態になっておけると強い。
結構ありがちな残念なケースは、論理的思考力やプロジェクトマネジメントができる、という一見汎用的に見えるスキルに過信して、経験や地頭で仕事を続けてしまうこと。結局、大切なディティールが分からないゆえに無理難題やとんちんかんなこと、中身のない上澄みのみのようなことを言うようになっていってしまう。
つまり
・実際に体験する
・疑って再構築する
・スキルを増やしていく
ということが大切。
なんだか、アート制作にも共通しています。
ローデータで受け取ったインプレッションをもとに、それを常識を外してとらえ直してみる。そのうえで、自分の表現したいイメージを具現化できるように、素材の扱いや表現方法の幅を広げていく。