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ブルーシートと胡蝶蘭。敗戦から始まる党再生への誓い

国会議事堂前の議員会館。当選した議員の部屋には祝意を込めた胡蝶蘭が溢れんばかりに運び込まれる一方で、廊下やエレベーターホールには落選された議員の引っ越しのためのブルーシートが敷かれています。天国と地獄とも言うべき光景が、政治の世界の冷徹なリアリティを象徴しているようです。

この度の衆議院選挙において、105,498票という大きなご支援をいただき、再び愛媛1区を代表して国政の場に送り出して頂きました。大逆風の中、叱咤を込めて背中を押し続けて頂いた地元県議・市議の皆さま、後援会の皆さま、ボランティアスタッフの皆さまをはじめ、ご支援頂いた全ての皆さまに改めて心から感謝を申し上げます。この数字には「トウ(10)センゴ(5)モヨクハ(498)タラケ」という皆様からの力強いメッセージが込められているものと受け止め、党改革・政治改革の推進など、選挙期間中の皆さまへの約束の一つ一つを誠実に行動に移して参ります。

一方、全国的には自民党と公明党を合わせて215議席、過半数の233を大きく割り込む大変厳しい結果となりました。自・公だけではもはや予算も法律も成立させることが難しいという現実。いつでも内閣不信任案が可決する可能性があるという現実。政治力学がこれまでとは根本的に異なる新たな政治風景がスタートしました。

11月7日、15年ぶりとなる両院議員懇談会が党本部9階の大会議室で開催されました。約1ヶ月ぶりの再会となった議員たちの表情は重く、激戦を物語る日焼けの跡が残る顔には、多くの同志を失った悔しさが刻まれていました。

2009年10月の政権交代直後以来15年ぶりに開催された両院議員懇話会

冒頭、石破総裁より多くの同志を失った今回の選挙結果についての受け止めと謝罪がありました。

「私が総裁に就任して比較的高いご支持をいただいてまいりましたのは、自由民主党の今まで足らざるところ、国民の声が十分に届いていなかったところ、そういうところを改めよというような、そういうご期待もあったものだと思っております。総裁就任後、私に至らないところが多々ございました。国民の皆様方の ご期待に十分応えることができなかったこと、このことは私自身本当に深く反省をし、お詫びをしなければならないと考えておる次第でございます。誠に申し訳ございません。」

石破総裁冒頭発言より抜粋

メディア退出後、新人からベテランまで50名の議員から率直な意見が出されました。とりわけ、政治とカネの問題に対するこれまでの対応、解散時期の判断経緯、選挙期間中の執行部の様々な判断、そして何より政策本位の議論が十分にできなかったことへの厳しい指摘が相次ぎました。

私からは以下3点について、執行部の対応を強く求めました:

  1.  選挙の敗因については、外部の専門家も交えた客観的な検証が不可欠であること

  2.  厳しい時期だからこそ、党のガバナンスという観点からも、判断においては原理原則を守ることが重要であること

  3.  少数与党という厳しい国会運営を乗り越えていくための挙党体制の構築が必要であること

予定されていた2時間を大幅に越えても止まない議員たちの直言にじっと耳を傾ける執行部。最後に石破総裁と森山幹事長から、今日の各議員の発言はしっかりメモを起こした上で「皆さまの意見を真摯に受け止める」と厳粛な表情で締めの言葉。落選した議員の方々についても、早急に意見聴取の場を設けたいと約束して頂きました。

少数与党だからといって国政の停滞は許されません。物価高への対応、目前に迫る補正予算の編成、米国大統領選の結果を踏まえた国際情勢の変化への対応など山積する国家的課題に直ちに取り組まなければなりません。

厳しい選挙結果は、自民党が生まれ変わるチャンスでもあります。9月の総裁選を通じて9人の候補から様々な党再生に向けた建設的な提案がなされました。今までやろうと思ってもできなかったこと、変えようとしても変えられなかったこと、を思い切って進める好機です。危機感を変革の原動力に。今回涙を飲んだ仲間の分まで、残された一人一人が果たさなければならない役割も責任もより大きなものとなります。

来年には参議院選挙も控えています。議員会館の廊下に敷かれたブルーシートの光景を心に刻み、重たい負託に応えるべく、二期目も全力を尽くして参ります。

引き続き、皆様からのご指導よろしくお願い申し上げます。


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